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猫カリシウイルスとノロウイルスの違いを構造から解説

ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

猫カリシウイルスをネットで調べるとノロウイルスも一緒に検索に出てくるのはなんでだろう?
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

人間がかかるノロウイルスはヒトノロウイルスと呼ばれており、ペットと人の間での感染はまだ確認されていないんだよ。
ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

じゃあなおさらなんでだろう…
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

では今回その謎を解き明かすために猫カリシウイルスの構造について勉強していこう。

猫カリシウイルスの構造とは?

猫カリシウイルスは英語でvesivirus feline calicivirus(FCV)と表記しますが、これは猫カリシウイルスがコップ型のへこんだ構造に由来しているからと言われています(英語でcalixはコップを意味します)。

猫カリシウイルスはプラス鎖1本鎖RNAウイルスで、RNA(リボ核酸)を遺伝子物質とするウイルスになります。

プラス鎖1本鎖RNAウイルスはmRNAに類似しているため、宿主細胞にて直ちに翻訳されます。

またDNAウイルスと違い、RNAウイルスは高い変異率も特徴になります。

ノロウイルスと比較してみるとノロウイルスもプラス鎖1本鎖RNAウイルスとなり、猫カリシウイルスと近い構造になります。

猫カリシウイルスとヒトノロウイルスの比較

猫カリシウイルスとヒトノロウイルスが構造の一つで類似している事はわかりましたが、他はどうでしょうか?

更に類似している点があるのでしょうか?詳しく両ウイルスを比較していきましょう。

分類上では?

ネコカリシウイルとヒトノロウイルスは異なる属(それぞれVesivirusとNorovirus)に属します。しかし同じウイルス科(Caliciviridae)には属しています。

カリシウイルス科(familyCaliciviridae)ノロウイルス属(Norovirus)
サポウイルス属(Sapovirus)
ラゴウイルス属(Lagovirus)
ベシウイルス属(Vesivirus)
ニューブウイルス属(Nebovirus)

科や属というのはスウェーデンの博物学者が提案した生物分類のカテゴリーで、ある生物特徴の類似をもとに界・門・網・目・科・属・種としてグループ別に分類する手法になります。

そのためカリシウイルスとノロウイルスはとても類似しているウイルスであることが生物分類的に近い事がわかります。

症状等の比較

では症状や構造にもフォーカス当てた比較をしてみましょう。

ヒトノロウイルスネコカリシウイルス
カリシウイルス科カリシウイルス科
ノンエンベロープ構造ノンエンベロープ構造
合併症を伴った場合
極度の脱水症状
合併症を伴った場合
肺炎、跛行(異常な歩き方)
宿主 ヒト宿主 ネコ
症状 吐き気、嘔吐、下痢、腹部の痙攣 症状 鼻水・目やに・くしゃみ・発熱・口内炎

このようにみると構造や生物分類は同じものの、宿主・症状・合併症の場合等大きく異なります。

ネコカリシウイルスはヒトノロウイルスの代用?

ネコカリシウイルスとヒトノロウイルスは同じカリシウイルス科に属し、大きさや構造の点では非常に似ています。

このように系統的な相対性の高さと、細胞培養が確立されていることからノロウイルスの代用としてネコカリシウイルスが選ばれています。

その背景にはノロウイルスの増殖が難しく研究が困難であることにあります。しかしネコカリシウイルスはノロウイルスに似ており、増殖も簡単になります。

そこでノロウイルスの研究のためにネコカリシウイルスを代用するようになっています。

ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

だからネコカリシウイルスを調べると、なにかとヒトノロウイルスと一緒に検索に出てくるんだね!
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

そうなんだ。でも間違えてはいけないことがあるんだ。似ていたり、代用するならほとんど一緒のものだろう!と思いがちじゃないかい?
ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

うん。だって学者さんが生物分類でも近いっていってるから…
ウイルスについて正しい情報を教えたい先生

ウイルスの先生

リンネの分類のことだね?

そうだね。でもさらに細かく分類したら全く違うジャンルに分けていることを忘れてはいけないよ。

その証拠に症状や合併症、感染場所なども違っていることがあげれるよ。

ウイルスについて知りたい母親

受験生の子をもつ母親

ほんとだ!いろんな観点から比較すると分かることもあるね!じゃあこの知識を使った雑学を教えてください!

予防という観点では共通している?

ネコカリシウイルスとヒトノロウイルスを比較したことで、大きな枠組みではカリシウイルス科を、小さな枠組みでは属ごとの違いを捉えることができました。

上記では違いについて注目しましたが、次は共通点について見ていきましょう。

衛生状態の高さ

生物分類で同じ科に属している事から共通点も多く存在します。中でも特徴的なのが予防の観点で見受けられます。

その一つが多くのウイルスに対して効果的であるポイント『生活の場での衛生水準の高さ』

伝染病の感染はウイルスの持ち主の手から始まります。食事や排泄物の処理など身近なところに感染のポイントがあります。最低限自宅の衛生状態を高くするなどの取組みが必要です。

具体的には空気清浄機の活用やこまめな清掃などがあり、お金をかけずともできることもたくさんあります。

塩素処理

次にカリシウイルスに特有の予防が塩素処理になります。カリシウイルス科のウイルスは塩素処理にとても弱い特徴を持ちます。

水1Lに対して塩素濃度を0.2~5mgを含めることでカリシウイルスを死滅・弱らせることができます。

カリシウイルス以外にもこの濃度での塩素処理は効果的なので、ウイルス対策として半年に一回トイレ掃除の後に塩素処理をするというのも良いかもしれません。

構造比較をきっかけに持つべき視点とは?

ここまで構造比較をきっかけに雑学まで紹介してきました。『違い』や『共通』している点をおさえたことで多くの発見があります。

大きな枠で『共通する点』は日常の予防や一般的な知識としてもっておき、いざ伝染病にかかった際には細かな『違い』を調べ特有の処置を施す考えが大切です。

ぜひ養っておきましょう。

この記事はこんな人が書いています

koyahon

獣医系大学卒業。その後動物を中心とした環境問題をビジネスで解決するため起業し、活動中。

   
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