2代目

NV100クリッパーのヘッドライトの移り変わりを解説

アイキャッチ画像引用元:NISSAN

こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。

 ※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。

日産は歴史が古く、数多くの名車を誕生させてきましたが、近年まで軽自動車の販売はしていませんでした。そして近年、軽乗用車のモコが登場し、そして軽商用車NV100クリッパーが登場しました。

軽自動車を生産しない日産は、OEMという形で販売を開始しましたが、それゆえに、NV100クリッパーには様々な特徴があります。

そこで、NV100クリッパーがどんなクルマなのか、そしてヘッドライトにはどのようなモノが採用されてきたのか詳しく解説します。

今回も軽トラに詳しい軽トラマニア小泉さんに聞いてみました。

NV100クリッパーとは

内藤

最近の軽商用車はOEMが多くなっていますが、その中で軽自動車を販売していなかった日産までもが軽商用車をラインナップにしているじゃないですか。

しかも、NV100クリッパーは、スズキと三菱の2大メーカーから供給を受けていますよね。

軽トラマニア小泉

日産は、確かに自社で軽自動車を開発していないから、よそから供給受けているよね。

内藤君のいうNVクリッパーもOEMだけど、当初は三菱、その後三菱が軽バンから撤退するとスズキから供給を受けているんだ。

内藤

そうだったんですね。だから三菱とスズキの2つのNVクリッパーが存在するんだ。

それで素朴な疑問なんですが、日産のNV100クリッパーは、供給元の軽バンと違いはあるんでしょうか。

軽トラマニア小泉

色々と疑問があると思うから、まずは日産NV100クリッパーについて知らないとね。それと合わせて供給元との違いがあるのか解説するよ。

初代は三菱ミニキャブバンのOEM

初代日産NT100クリッパーが登場したのが2003年のことで、日産が初めて投入する軽商用車でした。

このクリッパーの名前の由来は、日産がかつて販売した小型トラックから来ています。

NV100クリッパーは、三菱から発売される6代目ミニキャブバンのOEM車で、ミニキャブバンとの違いはグリル形状の違いと、エンブレムのみ程度と、大きな違いは見られませんでした。

しかも型式は、NV100クリッパーがU71V/U72V型となっており、三菱ミニキャブバンのU61V/U62V型と日産車なのに三菱方式を取っていました。

ただし、ミニキャブバンには2シーターモデルがあったのに対し、NV100クリッパーには用意されませんでした。

内藤

日産から販売されていても三菱ミニキャブバンとほとんど同じだったんですね。

軽トラマニア小泉

エンブレムを見なければ違いはわからないだろうね。もし、クルマに詳しくない人が見れば、同じクルマに見えたともいえる。

2代目以降はスズキ・エブリイのOEM

2代目のNV100クリッパーは2013年に登場しましたが、今までOEM供給元であった三菱が軽商用車から撤退を表明したため、今度のNV100クリッパーはスズキからのOEMになりました。

これにより、NVクリッパーは、同じ名前でありながら初代と2代目以降ではOEM供給メーカーが異なる軽バンという、非常に珍しい現象がおきました。

当時を知っている人であれば、初代からのスタイルが激変しているのに、名前が初代も2代目も同じという摩訶不思議な現象に驚いた人も少なくありません。

スズキからのOEMなので、クルマの作りは初代とは全く別物です。基本操作はクルマなので同じですが、作りが三菱とスズキなので設計が異なることから、初代に慣れ親しんだ人の中には、乗り替えで操作性に戸惑ったこともありました。

スズキから供給されたクルマはエブリイでしたが、外見ではエンブレム以外でクルマの違いが判る人はまずいないといってよいでしょう。そして、初代と同じく型式は供給元を踏襲していました。

3代目となる現行モデルも、エブリイのモデルチェンジに合わせて2015年に行われ、エブリイと同じ形態で販売されています。

内藤

まさに双子ですね。

軽トラマニア小泉

そうなんだよね。でも現行モデルはちょっと違うところもあるんだよ。

現行モデルは日産コネクテッドサービスが使えるオプションも

現行モデルのNVクリッパーは、クルマの形や機能のほとんどがキャリイと同じでしたが、ナビゲーションのシステムは日産コネクテッドサービスのオプションを用意しています。

日産コネクテッドサービスとは、ナビゲーションのルート検索で最速ルートを検索したり、目的地の天気や周辺情報を取得したり、自分のいる場所を即座にスマホに転送したり、オペレーションと話すだけで目的地を設定できるなど、次世代のナビゲーションシステムです。

この機能は、一般にレジャーでの使用に便利に感じますが、軽バンのように仕事で初めての場所に配送するような場合にも威力を発揮するため、NV100クリッパーのオプション人気No1になっています。

内藤

日産コネクテッドサービスまで利用できるんですか。

軽トラマニア小泉

この機能が欲しい人は迷わずNVクリッパーを選ぶのがいいよね。でも残念なことに、車両本体価格はなぜかエブリイより高いんだ。だからちょっと悩みどころだよね。

内藤

なんでNVクリッパーのほうが高いんでしょう?

軽トラマニア小泉

主要装備を見ても変わりないし、ハッキリ言ってわからない。

内藤

値段が高くても、良い装備が装着できるならNV100クリッパーは魅力ですね。

NV100クリッパーのヘッドライト変遷

内藤

NV100クリッパーは、2社からOEMじゃないですか。それでヘッドライトはどう変わってきたのか気になります。

軽トラマニア小泉

日産独自の開発じゃないからね。だから、基本はOEM供給先のクルマの装備が関係してくるからヘッドライトも例外じゃないよね。

それじゃあ、初代から現行モデルまで、どんなヘッドライトを採用しているのか解説するね。

初代NV100クリッパー

初代NV100クリッパーは、三菱ミニキャブバンのOEMなので、ヘッドライトも同じH4ハロゲンバルブを使用しています。

初代NV100クリッパーが発売されていた2003年から2013年といえば、HIDライトを純正で装備するクルマも多く見られましたが、初代NV100クリッパーにはオプションにもHIDライトの用意はありませんでした。

内藤

やっぱり軽バンなのでハロゲンバルブ一択だったんですね。

軽トラマニア小泉

まあ、ミニキャブバンと同じだから、三菱の設計がH4ハロゲンバルブ仕様なら、必然的にNV100クリッパーもそうなるということさ

2代目 NV100クリッパー

2代目が登場したのは2013年で、スズキ・エブリイと同じくヘッドライトにはH4ハロゲンバルブが採用されていました。

これは、OEM供給先のスズキ・エブリイも同じH4ハロゲンバルブであり、しかもスズキ・エブリイにもH4ハロゲンバルブしか用意が無かったことから、NV100クリッパーにも他の光源の用意がありませんでした。

そして、クルマのOEM供給元のスズキ・エブリイが2015年2月にフルモデルチェンジしたことから、2代目NV100クリッパーは、僅か1年3ヵ月で2代目の販売を終了しています。

内藤

たった1年3ヵ月ということは、2代目NV100クリッパーは貴重ですね。

軽トラマニア小泉

面白い所に気が付いたね。確かに中古車市場でほとんど2代目NV100クリッパーは見かけないよね。しかも、大手中古車サイトに掲載されると、現行モデルより高い個体もある。

内藤

やっぱりそうなんですね。でも、ヘッドライトがH4ハロゲンバルブだから2代目はライトの魅力はないですね。

軽トラマニア小泉

まあ、確かにH4ハロゲンバルブは最近のLEDやHIDに比べれば暗いよね。でも、H4ハロゲンバルブなら、交換も簡単だしどこでも手に入るから便利だよね。

3代目 NV100クリッパー

3代目NV100クリッパーは、2台目と同じくスズキからのOEMとして2015年から発売されました。

採用されたヘッドライトは、H4ハロゲンバルブであり、NV100クリッパーは初代から現行型まで同じH4ハロゲンバルブを使用しています。

現行モデルでは、安全性を充実させる装備として、オートライトシステムとハイビームアシストが、「DXセーフティパッケージ」「DXGセーフティパッケージ」「GX」「GXターボ」の4グレードに設定されています。

内藤:安全装備の先進技術が用意されるグレードがあっても、ヘッドライトの明るさはH4ハロゲンバルブのままなんですね。

軽トラマニア小泉:まあ、エブリイも同様にH4ハロゲンバルブ仕様しかないからね。しかし、安全先進技術搭載車両は、NV100クリッパーのほうが1グレード多いんだよ。面白いよね。

NV100クリッパーのヘッドライトカスタム方法

内藤

やっぱりH4バルブという事は、明るくしたいと考える人も多いと思いますが、NV100クリッパーも明るくするようなカスタムは行われているのでしょうか。

軽トラマニア小泉

まあ、純正H4ハロゲンバルブは暗いよね。だからやっぱり夜間の安全性確保のために明るくする人は多いよね。

でも、初期型と2代目、3代目ではOEM供給元が違うから、カスタム手法も異なるんだよ。

内藤

同じクルマなのに、やっぱりOEMになると少し状況が変わるんですね。

軽トラマニア小泉

そうだよね。通常は先代の流れを汲んでいることがほとんどだけど、NV100クリッパーはちょっと違うよね。

それが初代と2代目以降では明るくする方法も異なることになっているんだ。

特に初代はカスタムでは注意が必要だから、その辺を踏まえながら解説するね。

基本はバルブ交換で明るくすることしかし初代は注意

NV100クリッパーは初代から現行型となる3代目までH4ハロゲンバルブを使用しているので、比較的簡単にヘッドライトを明るくできます。

かつてHIDやLEDが無かったころは高効率ハロゲンバルブにするのが定番でしたが、現代においてはLEDバルブの登場で、簡単にハロゲンをLED化できます。

しかし初代NV100クリッパーは、ヘッドライト裏のスペースが狭いので、LEDバルブを購入しても取り付け不可です。

というのも、LEDバルブは冷却のためにLEDバルブ後ろに冷却ファンやヒートシンクを装着しているので、H4ハロゲンバルブに比べてかなり後方にスペースが必要となるからです。

これは、軽バンや軽トラ専用の日本ライティングの専用LEDバルブでも取り付けが不可となっているので、ポン付けで初代クリッパーをLED化しようとしている人は注意が必要です。

しかし、2代目以降のNV100クリッパーでは、スズキからのOEMに変わりヘッドライト裏のスペースが初代より広くなっていることから、日本ライティングの軽バン、軽トラ専用LEDバルブの取り付けが可能です。

内藤

初代のLED化は諦めたほうがよさそうですね。

軽トラマニア小泉

まあ、自分で簡単に交換することは難しいけど、カーショップなどに頼めば何とかしてもらえる可能性もある。

でも、取り付け不可となっている製品を取り付けるということは、故障したときのリスクも高いという事を忘れちゃあいけない。

内藤

リスクですか。

軽トラマニア小泉

かなりDIYでカスタムする、所謂プライベーターに多いのが、取り付けられればOKという考えが多いこと。

製品の本来の性能が発揮できない恐れや、故障するリスクがある取り付け、まあ、早く言えば加工だよね。これを軽く見ている。

内藤

でも、取り付けたいという気持ちがあればそういった手法を取るのがプライベーターかと。

軽トラマニア小泉

自己責任で取り付けられる人であれば問題ないんだよ。でも、中には周りがやっているからと、安易に手を出す人もいる。

もし、大きな事故につながった場合、責任をだれが取るのか、よく考えて作業するならしないといけない。これがDIYでカスタムするうえで必要な心構えかな。

内藤

本質的な部分をついたお話で勉強になります。

OEM車なのでベース車のカスタム手法が使える

ヘッドライトのカスタムには、明るくするだけでなくクルマの顔の象徴ともいえるヘッドライトのスタイルを変える方法もあります。

日産には、NV100クリッパーと、NV100クリッパーリオという乗用タイプのワゴンがあります。

ヘッドライトの違いは、NV100クリッパーリオにはロービームにHID、ハイビームにH1ハロゲンバルブ仕様があることです。

そして、NV100クリッパーではあまり見かけませんが、姉妹車のエブリイではエブリワゴンのHIDヘッドライトに換装するカスタムがあり、この手法はNV100クリッパーでも使えます。

ただし、配線がハロゲンバルブと大きく異なるのでポン付けできませんから、配線から製作しなければなりません。

そのため、この方法でカスタムするにはかなりハードルが高く、どうしても行いたいならカーショップに相談するのが良いでしょう。

そこで、ヘッドライトの見た目で個性を出したければカスタムしたヘッドライトを取り付けると良いでしょう。

しかし、NV100クリッパー用はほとんど見かけませんが、姉妹車のエブリイ用が使えるので、ハロゲンヘッドライト用のカスタムユニットを購入すれば、簡単にカスタムできます。

内藤

やっぱりカスタムの醍醐味は見た目を変えることですよね。

軽トラマニア小泉

見た目が変わるのもいいけど、実用性を忘れちゃいけない。せっかく買ったヘッドライトユニットが、思うような明るさでなかった場合がっかりするからね。

だから、明るさを求めたカスタムをしたいなら、まずはバルブ交換から始めることだね。

内藤

そうですよね。見た目が変わっても夜間走行で支障が出る明るさでは困りますからね。

軽トラマニア小泉

NV100クリッパーのいい所は、OEMだから供給先のパーツが使えること。だから、初代ならミニキャブバン、そして2代目以降ならエブリイ用が使える。これはかなり面白いと思うよ。

内藤

OEM車だから出来ることですね。今回も面白い話を色々有難うございました。

まとめ

NV100クリッパーは、日産が販売する軽商用バンですが、カスタムの仕方も軽バンで人気が高いエブリイのOEMの2代目以降のほうが面白い車種です。

そしてOEM車だからこそ、供給先のクルマ用に発売されているカスタムパーツが使えます。

NV100クリッパーで検索して、パーツが見つからずに諦めていた人も、姉妹車のパーツを探してみましょう。きっと個性豊かなカスタムができるはずです。

   
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