白熱球『T16 バルブ』をLEDに交換して明るくする

こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。

 ※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。

純正バックランプに取付けされている『T16形状の白熱球』がどんなバルブかご存知でしょうか。クルマ好きでもご自分で整備をされる方以外は、聞き馴染みのないバルブかもしれません。

そこで今回は、『T16バルブ』について詳しく解説します。

そもそもT16バルブって何!?

内藤

白熱球の『T16バルブ』について教えて欲しいです。頭にTが付くバルブの同類というのは分かるのですが、各種バルブの違いや、どこに使われていて、どういう用途のものなのかが曖昧で。

   

島田

白熱球のT16バルブかぁ~!

T16バルブも含めて頭に『T』が付いているバルブについておさらいしていこう。

白熱球のバルブは種類が豊富で一朝一夕には覚えられないと思うけど、各種、定格や形(見た目)、用途等々を区別できるようにしよう。

『T16バルブ』は、白熱球の一種となります。色味が淡黄色ということもあり、巷では「ハロゲン」と便宜上表現されていることもありますが、あくまで、『T16』は白熱球です。

ハロゲン球というものは、バルブの先端が尖がっており、イメージとしては、ちびまる子ちゃんの永沢君の頭のような形です。

バルブの規格は以下の通りです。

T16バルブ

  • 定格出力:12V 16W
  • バルブ形状:ウェッジベース(バルブソケットへ差し込みタイプ)
  • 明るさ:260ルーメン(lm)
  • 用途:バックランプ

このT16バルブがバックランプに採用されている理由としては、バルブ寸法が他のバルブと比べて小さく、リアテールランプのデザイン性を損なうことなく、用途を満たすバルブであるからです。

また、燃費向上のため、出力もコンパクト化しました。

後述の通り、T16バルブよりも寸法の小さいT10では、寸法上はデザイン面を考えると良いのですが、明るさの要件を満たさないため、バックランプには不適切です。

他方で、T20バルブでは現在のリアテールランプのデザインには大きさ的にマッチングしない等の理由もT16バルブが近年の車両では採用されている背景です。

※現行車両では、ほとんどのクルマでバックランプにおいてもLEDが純正採用されています。

バックランプには、このT16 の他には、同じウェッジベースタイプの『T20バルブ』やナス型球の『S25バルブ』の白熱球が使用されております。

新しさで言えば、各メーカー毎の採用基準にもよりますが、概ね【 T16>T20>S25 】の順番といえます。

参考までにT20バルブ,S25バルブのバックランプ用バルブの規格は以下の通りです。

T20バルブ

  • 定格出力:12V 21W
  • バルブ形状:ウェッジベース(バルブソケットへ差し込みタイプ)
  • 明るさ:400ルーメン(lm)
  • 用途:バックランプ

S25バルブ

  • 定格出力:12V 21W
  • バルブ形状:ナス型球
  • 明るさ:400ルーメン(lm)
  • 用途:バックランプ

T10バルブ

  • 定格出力:12V 5W
  • バルブ形状:ウェッジベース(バルブソケットへ差し込みタイプ)
  • 明るさ:50ルーメン(lm)
  • 用途:ポジションランプ、マップランプ、ドアカーテシランプ、トランクルームランプ等々と用途が幅広い

上記の通り、T16バルブはT20バルブやS25バルブの2種類のバルブと比較し、幅が小さくバルブ定格出力が低く、明るさのルーメン値も低いものとなります。

※同じウェッジベースタイプでもT10タイプではバックランプのスペック要件を満たさず

T20バルブやT10バルブとの互換性はあるの!?

T20シングルバルブ

上記でT16バルブの基本的なスペックを見てきましたが、ここである疑問が湧いてきませんか?

同じウェッジベースタイプのバルブ形状であるならば、T16バルブにT20バルブをもしくは、T20バルブにT16バルブを使用できるのではないだろうか?と。

結論から申しますと、T20バルブとT16バルブの互換性はありません。同じウェッジベースタイプではあるものの、口金形状のサイズが異なるため、取付けができないのです。

他方で、T16バルブをT10バルブのソケットには口金形状が同じであるため、差し込むこと自体は可能です。ただ、現実的には多くの場合使用不可となります。

なぜなら、バルブ自体は取付できたとしても、ランプ形状的に本来T10を装着すべきところは得てしてランプ内でのクリアランスが少なく、T16バルブでは入らないのです。

また、仮に装着できたとしても、バルブ定格出力が異なるため、ランプが溶解する恐れもあるため、取付けはしない方がベターです。

法令としてのバックランプに求められる明るさの決まり(条件)とは!?

バックランプを明るくするとなると、ハイパーバルブやLEDバルブへの交換が一般的となります。

あくまで白熱球であるハイパーバルブへの交換は法令的にも極端な色味でなければ車検等も問題無く通過できます。

ただ、ことLEDとなるとネット等で販売されているものの中には「爆光」、「最強」なる誇大広告とも取れるパッケージ表記をしているものも見受けられます。

当然商品をPRする上で謳い文句等は必要になるので当然必要なのですが、実際にバックランプにはどのような基準が法令で決められているのか、こちらの記事で解説しています。

車ライトの車検まとめ|ポジション、ウインカー、バックランプ、ナンバー灯、室内灯、テールランプのカスタムで注意すること

現在の基準で言えば、厳密なカンデラ等の基準はありません。あくまで「他の交通の妨げにならないこと」という条件にとどまっております。

些かフワッとした表現にも取れますが、定期点検、車検時において、バックランプをカンデラで測ることにも限界があるため、車検検査員の判断基準に委ねるというものになりました。

どこまでが他の交通の妨げにならないかと線引きが曖昧ですが、四駆車に付けられているような後付けのバックランプを加えた場合、かなりの光量となり、指摘される可能性もあります。

LEDバルブへの交換程度では多くの場合、そこまでの光量にはならないので、まず大丈夫です。

とはいえ、あくまで常識の範囲内でのカスタムにとどめて置く必要があります。

LEDバルブを取付けたい場合、国内メーカー品であればまず問題無く車検にもパスでき、明るさを実感できるものとなります。

また、パッケージ表記に関して誇大広告感はあるものの、特別な規定はないのが現状です。

まとめ

・T16バルブのバックランプは近年に発売された車両に多く、リアテールランプのデザイン性、省エネ性を優先するため、時代とともにサイズがコンパクトになっていった。

・T16バルブとT20バルブの互換性はなく、取付けできない。T10とのソケットは共通ではあるが、現実的な使用はできない。

・法令的には、「他の交通の妨げにならないこと」と曖昧な表現となっているが、一般に市販されているバックランプ用LEDであれば問題ないと思われる。

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