こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
最近のクルマにはめっきり採用されなくなってしまった「H1」ハロゲンバルブですが、
現行車には採用されておりませんが、改めて「H1」バルブについて解説することで、なぜ実用性のあるLEDバルブが販売されていないのか、そういう背景も分かってくると思います。
内藤
改めてどんなバルブでどこに使用されているのか教えてください。
島田
ハロゲンバルブH1のバルブ定格出力は、「12V 55W」、「24V 70W」です。シングルフィラメントのバルブになります。
使用用途としては、4灯式ヘッドランプに使用されています。ハイビーム用、ロービーム用ともに採用実績はあります。フォグランプ用としても採用事例は少ないですが、一部の車種に採用実績はあります。
形状寸法は他のハロゲンバルブと比較しても小さく、ハロゲンバルブの中で最小サイズとなります。
バルブ先端部分にはシェードがついておらず、ガラス管のままです。そのため配光制御はプロジェクタータイプのヘッドランプで行うのが一般的です。国産車は、輸入車問わず採用されています。
国内メーカーであれば、90年代から2000年代前半の日産車には比較的多く採用されております。次いで、ホンダ車、マツダ車にも採用されています。
その他のメーカーも採用事例はありますが、かなり少ないといえます。採用車種例としては、日産 エクストレイル(T31型),シルビア(S14後期,S15),フーガ(Y50),ウィングロード等に採用されています。
ホンダ車であれば、アコード(CL7),(CU2)等となります。マツダでは、初代アテンザスポーツ、アテンザスポーツワゴンが代表的です。数少ない現行車両のフォグランプ採用例としては、日産 NV350キャラバン(E26系 後期)です。
ハイエースがPSX26Wを採用されている中で日産は差別化を図るためか、キャラバンにはH1を採用しました。
ハロゲンと白熱であるので、明らかにフォグランプの明るさであればキャラバンに軍配が上がります。ロービーム用に使用される場合はハロゲン仕様の車両であり、ハイビーム用に使用される場合はハロゲン仕様とHID仕様の両方があります。
内藤
また、他のハロゲンバルブと異なり、当社はもとより他の国内主要バルブメーカーさんもあまり商品販売されている印象はないです。。。
島田
ハロゲンバルブを明るくしたいというお声はH1に限らず、全てのハロゲンバルブで共通話題かと思います。現在では、一番安価でハイパーハロゲンへの交換があり、ハイパーハロゲンよりも高額にはなりますが、HID化があり、現在ではLED化が主流になっています。
ただ、H1は、他のハロゲンバルブに比べて、LED互換用バルブの主要国内バルブメーカーの商品販売が少ないのが現状です。
現状で国内有名バルブメーカーさんであれば、スフィアライト社 から販売されています。もちろん、海外メーカーさんからも販売されてECサイト等で購入可能です。当社としては、開発検討はしているものの、以下の理由により商品リリース化しておりません。
例えば、取付の際にバルブカバーへの加工を要したりと市販化において安全性を担保しきれない恐れがあります。(市販製品において、バルブカバーへの穴あけ等の行為は基本的にNGであると考えております。)
また、LEDバルブのヒートシンクを小さくした際の放熱問題、さらに冷却用の電動ファンを付ける付けない等の課題があります。LEDバルブから発せられた熱に追い付かない場合が起こり得るため敢えて販売しておりません。(確実に安全にお使い頂けると自信を持ってお出しできるもの以外は販売致しません)
また、当社が販売していない直接的な理由ではありませんが、国産バルブメーカーの多くが商品化していない理由として考えられるのは、採算性にあるのではないかと思います。
上記のようにヒートシンクの熱問題に加えて、H1バルブの現行車への採用実績がほとんどなく、採用されている車両も一昔、二昔前のクルマがほとんどで、現状登録車両としての交換需要を鑑みると、現実的な採算性を考えて開発に踏み切れないというリアルな事情もあるのが現状ではないかと思います。
さらに、採用車両毎の実情を鑑みて開発するとなると、それなりの開発納期が発生するため、他のハロゲンバルブのLEDバルブを開発及び、進化させる方が現実的であると考えるメーカさんが多いのではないかと考えられます。
明るくするには、当社ではH1のLEDバルブは販売しておりませんが、他メーカーさんから出されているように、LED製品自体は世の中にありますので、そちらを検討されるのも一つの手段です。
また、HIDやLEDほどの明るさではありませんが、ハイパーハロゲンも十分な明るさの確保、ドレスアップ性も兼ね備えた製品となりますので、明るくする手段の一つとしてご検討してみてはいかがでしょうか。
・H1は、現行車両には採用実績がほとんど無く、日産 NV350キャラバンのフォグランプ事例が代表的。
・国内主要バルブメーカーからの販売は少ない。理由は様々であるが、バルブ後方スペースの狭さからのヒートシンクの放熱力、バルブカバーが課題
・明るくするには、LED製品も手段の一つであるが、ハイパーハロゲンへの交換でも必要十分