H16タイプのハロゲンバルブをHIDやLED化するときの注意点

お客様からLEDについて質問がありました。H16のハロゲンバルブについてですが、

 「LEDを取付けても大丈夫ですか。」
 「H11バルブと互換性はありますか。」
 「H16バルブは何で暗いんですか。」

色々と質問を受けました。

こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
 ※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。

今回も島田さんにH16バルブについて聞いてみたいと思います。

トヨタ車に多く採用されているH16バルブとは

内藤

島田さんー!お疲れ様です~!今ってお時間ありますか~?

島田

お疲れー!内藤君はいつも元気だね!今は手が空いているところだから大丈夫だよ。またお客様から問い合わせがきたのかな?

内藤

はいそうなんです。ハロゲンバルブの「H16」に関して教えて欲しいです。

島田

「H16」のバルブだね。了解したよ!!

内藤

いつもありがとうございます。すぐに聞けるので助かります。「H16」バルブを明るくしたいらしいんですけど、どういったバルブであるかをしっかりと説明して製品のご案内をしたいと思っています。

よくLED製品とかでH11やH8とかの兼用バルブで販売されていますが、互換性はあると思っていいものです?

島田

そういうことか~。なるほど。まず「H16」のハロゲンバルブに関して簡単に説明するよ。

H11やH8との互換性はあるの?

島田

比較的最近できたハロゲンバルブ規格の一種なんだ。バルブ定格は『12V 19W』でW数が小さいから、ほとんど100%フォグランプ専用バルブなんだ。

トヨタ車であればヴェルファイアやアルファード、アクアなど日産車であればデイズなどのフォグランプに多く採用されていたんだ。一時期のトヨタ車のフォグランプはほどんど「H16」だと言ってもいいくらいにね。ランプ本体はVALEO社製造でバルブ自体は小糸製作所品が純正では使われていたんだ。

バルブの定格W数が小さいこともあって、ヘッドランプ用の製品ではないんだ。ヘッドランプに使用するにはW数が低すぎちゃうし、何よりヘッドランプにしては暗いからね。

ちなみに、「H8」,「H11」とバルブ寸法は同じで、バルブ定格がそれぞれ異なるんだ。「H8」は『12V 35W』で、「H11」は『12V 55W』だよ。

H8,H11,H16それぞれのバルブの寸法が同じだから装着可能という意味では互換性はあるんだ。ただし、今言った通り、バルブ定格が異なるから用途毎の互換性は無いんだ。

内藤

そうなんですね!用途の互換性が無いというのは初めて知りました。

簡単に整理すると、装着自体はできるけど、W数が異なるから、正しいバルブを装着しないとバルブの発熱でランプを溶かしたり、カプラーが焼ける等の不具合が出てくるという理解であってます?

ん?

でもLEDだと互換性ありで販売していますよね。。。どうなんでしょう。。。?

島田

内藤君の認識の通りだよ。その通り!

点追加するとカプラーが焼けて最悪の場合、車両火災になる恐れもあるんだ。だいぶクルマのランプに関して分かってきたね~~。内藤君の成長が嬉しいな~!

内藤

えへへへ。島田さんに褒められると嬉しいです!さらに成長すべく頑張ります!!

島田

H8,H11,H16のLED製品で互換性ありにしているのは、寸法が同じであることも、もちろんだけど、LEDの特性で互換を持たせられているんだ。

LED自体の性質が省エネであるということもあって、LEDのW数が小さくてH8,H11,H16の3種類のバルブにも互換対応が可能となっているんだ。

内藤

なるほどですね~。よく分かりました。そうすると、やはりH16を明るくするならばLEDですね。ちなみに確認ですが、HIDとかは互換あったりするんです?

H11バルブのHIDを取り付けることはできるの?

島田

そうだね。もちろん互換性のある製品は海外品ではあるにはあるんだけど、後付けHID製品だとランプの熱が異常に高まったりして、ランプが溶けたり、カプラーが溶けたりというトラブルになる可能性があるからオススメしないな。

これはランプ本体含めて各周辺部のパーツがH16用で作られているから、熱の耐性がHIDの高温の熱に対応していない可能性が高いんだ。(当然車種にもよるけど)

不要なトラブルを避けるためにもLED製品をオススメするよ。是非、お客様に当社製品をいくつかご案内してみて欲しい。

H16とHB3/4は互換性があるの

内藤

ハロゲンバルブからHIDに変更する場合、多くのキットはH11、H8、H16、HB3やHB4が対応となっている製品を見かけますが、LEDバルブの場合はどうなのでしょうか?

島田

基本的に、H11、H8、H16とHB3/4は互換性がないよ。そもそもカプラーの差し込みの形が違うからね。仮にバルブの台座を加工できたとして灯具に納められたとしても、配線接続ができないよ。

内藤

カプラーが違うなら、互換性はないですね。

島田

もっとも、専用品が出ているからH16やHB3/4の互換性を求めるのはあまり意味がないと思うけど。

内藤

そうなんですけど、例えばハイビームにH11でフォグランプはHB4とかあるじゃないですか。それで、たまたまどちらかが切れてしまったときに、LEDなら互換性があると思ったのです。

島田

なるほどね。確かに似ている形のバルブだからね。まあ、ハロゲンバルブなら切れたときに交換し合うなんて方法ができたら面白いけど、LEDだと長寿命だからね。

粗悪品で早期故障とかなら考えられるけど、国産品の有名メーカー品を使用しているなら、下手をするとクルマ買い替えまで切れないかもしれない。

内藤

そうですよね。でも、色んな想定ができるじゃないですか。

例えばフォグランプにLEDを装着してハイビームをHB3 のハロゲンバルブの場合、夜間走行でハイビームが切れてしまったときに、H11のフォグランプのLEDが装着できると便利だと思ったんです。

島田

そうなんだ。でも残念ながらそれは無理だよね。

でも兼用で取り付け出来るように、台座の部分や、カプラーを交換できる対応がとられている製品も売られているね。

内藤

ということは、兼用でなくても台座を加工して配線も新しくカプラーを作れば取り付けられますかね?

島田

まあ、台座の部分の加工はかなり難しいと思うよ。

削って取り付けられるレベルじゃないからね。そして、配線の加工はメーカーでやらないように注意書きもある。

それは、配線が不十分で点灯にばらつきが出たり、漏電して火災になったら困るからね。

だからこのH11とHB3/4は非常に似ているけど互換性がないから購入する時には注意が必要だね。

内藤

なるほど、非常に似ているバルブ同士だけど、加工などはできないという事ですね。

島田

ただね、H11、H8、H16は、純正バルブでは互換性がないけど、LEDでは互換性があるように台座を工夫してあるんだ。

でもHB3/HB4は、異なるから、間違って装着する心配もないよ。

H16形状におすすめのLEDフォグランプ

島田

僕のオススメはハイスペックモデルの『WL010』だね!これはヘッドランプ&フォグランプ&ハイビームも汎用で使える製品なんだ。

そして、標準モデルよりも1.3倍程度明るい製品なんだ。せっかくハロゲンバルブからLEDに交換するなら、ぜひハイスペックモデルを味わってもらいたいよね!

純正採用実績のある当社製品であれば品質も申し分ないし、LEDバルブのウィークポイントでもある熱対策もバッチリだ。お客様のにもご安心してお使い頂けるものだから、ご案内してみてね~!

内藤

分かりました。島田さんにオススメ頂いた製品をお客様にもご案内してみます。確かに、どうせ変えるなら標準モデルよりもハイスペックモデルの方を味わって頂きたいですよね。

島田

そうなんだよ。どうせならハイスペックモデルをというのがメーカー社員としてはあるよね。当然、標準モデルでも十分ご満足頂ける製品ではあるんだけどね。

内藤

ハイスペックモデルをお客様にご案内してみます。

ちなみに、島田さんはハイスペックモデルと最近販売した2色切替LEDであればどちらを選ばれます?

島田

ご案内頼むね~。お願いします!そうだね、あくまで僕個人的なとこで恐縮だけど、LEDにするならハイスペックモデルかな~。

フォグランプのイエローってすごく渋いし、実用的なんだけどLEDの色味よりもハロゲンバルブのイエロー品の方が点灯したときの色味が好きなんだよね~!

H16タイプのフォグランプをどこまで明るくする?

内藤

H16が暗いという評判の中、どこまで明るくするのが現実的なのか知りたいのです。

たしかにハイスペックモデルは1.3倍程度明るくなるとの話ですが、実際ヘッドライトとのバランスもあるのかなとも思いまして。

島田

いい所に気が付いたね。ハイスペックモデルは明るいけどフォグランプに使用してロービームの代わりにして走れるほど光軸を出せないからね。

逆に光軸をそこまで上げると対向車に迷惑になるし、そこはバランスを考えておススメすべきかな。

内藤

ということは、フォグランプにハイスペックモデルを装着するならヘッドライトにもハイスペックモデルの装着をお勧めしたほうがよさそうですね。

島田

お客さんが、どれだけの明るさをフォグランプに求めているかにもよると思うけどね。

ハイスペックモデルをヘッドライトバルブに装着すれば、今までにはない明るさを手に入れられるけど、フォグランプはそもそも夜間走行で明るくするメリットはないからね。

内藤

ということは、夜間走行でフォグランプをいくら明るくしても走行の助けにはならないという事でしょうか?

島田

フォグランプは、前部霧灯というんだけど、昔は霧除けライトなんて呼び名もあった。だから、昔のフォグランプは黄色かった。

それは黄色いほうが路面まで光が届くことと、相手にも認識されやすいからだよね。だけど、今は、白色のフォグランプが流行りだから、どうしてもヘッドライトのように使う人が多いんだよね。

でも、フォグランプの照射しているのは手前だから運転席からその照射範囲を確認できない車種のほうが多い。ということは、明るいフォグランプにしてもその恩恵はそれほど受けられないという事にもなる。

内藤

確かにフォグランプは手前を照らしていますからね。でもH16だと点灯していることもわからないです。明るくすれば少しは周りが明るくならないのでしょうか?

島田

当然、純正H16に比べたらハイスペックモデルでなくてもLEDバルブにすればかなり周りは明るく感じるはずだよ。

内藤

ということは、フォグランプを明るくするメリットはあるという事ですね。

島田

ただね、フォグランプを明るいLEDを取り付けると、ヘッドライトが暗く感じることがあるんだよ。それはね、人間の目がカメラと同じ働きだからなんだね。

例えば、ヘッドライトとフォグランプに同じ光量のLEDを装着したとしよう。すると当然フォグランプは手前を照らすから手前が明るくなるよね。

一方、ヘッドライトは前方を照らすから照射した路面は手前を照らすフォグランプの光より暗くなる。でも、この明るさの差を人間の目が露出補正しちゃうんだ。

だから手前の明るさに目が合ってしまい、遠くが暗く感じることになる。

内藤

露出補正ですか。いまいち理解できないのですが。

島田

それじゃあ、スマホで写真撮影したことあるだろ。例えば夜に撮影しようとしたときに、明るいところはきれいに映るけど、暗い部分は写真にうまく映らないだろ。

これと同じかな。だから、人間の目も同じように明るいフォグランプの光に目が合ってしまい、遠くが暗く感じてしまうんだ。

内藤

ということは、フォグランプはヘッドライトより光量が少ないほうがバランスが良いという事になりますね。

島田

その通りだね。その辺も踏まえてお客さんに案内するといいよ。

2色切り替えLEDバルブをヘッドライトに取付けできるの?

内藤

最後に素朴な質問なんですけど、ハイビームにH11やHB3が使われていますけど、2色切り替えのLEDをハイビームし使用するのは車検で問題になるのでしょうか?

島田

いや〰、面白いことに気が付くよね。通常逆のパターンはよく聞くけど、フォグランプ用をヘッドライトか。

まあ、形状が同じだから取り付けは出来るけど、車検以前にフォグランプ用は暗いからヘッドライト用としては気に入らないユーザーが多いんじゃないかな。

もちろん、メーカーとしてもフォグランプ用とヘッドライト用と分けているのには理由があるからね。

内藤

やっぱりメーカーの推奨する使用方法でなければだめですか。でも、ユーザーの中には、取り付けてしまう人もいるのではないかと思いまして。

島田

まあ、中に入るかもしれないよね。

それで、明るさかフォグランプのほうが劣るといったけど、実際に、日本ライティングの製品で比べてみると、2色切り替えLEDフォグランプがホワイトで3,800lm、イエローで3,200lm、そして、標準スペックのヘッドライト、フォグランプ兼用のLEDは5,000lmとなっているから、かなり明るさが違うだろ。

内藤

そんなに明るさが違うのですか。

島田

でも、少し前までは4,000lmあたりが主流だったから、それを考えると3,800lmは決して暗くはないけど、やっぱりハイスペックのLEDに比べたら明るさは劣るかな。

でも、フォグランプとしては、十分な明るさだからね。それより、色の切り替えができることが、ヘッドライトに使用すると車検でトラブルになるよ。

内藤

うわぁ、やっぱり駄目なんですね。白で車検を受けられるように設定しておいても無理でしょうか。

島田

保安基準で2006年1月1日以降のクルマは、ヘッドライトの色は白色と決まっているのは知っているだろ。だから、黄色に点灯したら車検は通らないよね。

一応、2色切り替えバルブで色の固定は出来るけど、不用意に黄色が点灯する設定になっていたらアウトだからね。

内藤

そうですね。やっぱり車検を考えると2色切り替えをヘッドライトに装着するのはリスクが大きいですね。

島田

その通りだね。特にディーラーなどで車検を行う場合はかなりの確率で車検はNGになるはずだよ。それはね、ディーラーは指定工場だから、疑わしいカスタマイズは排除することがほとんどなんだ。

もし車検を受けた後に保安基準が適合していなかったことが発覚すれば、営業停止処分になるからね。だから、ヘッドライトに2色切り替えを取り付けたら車検は通らないと思ったほうがいい。

内藤

では、2005年12月31日以前のクルマなら黄色でも問題ないから大丈夫でしょうか?

島田

本当なら大丈夫といいたいところだけど、2色切り替えバルブで左右の色が揃わないこともありえるからね。そうすると保安基準に適合しない。保安基準では、左右同一色と決まっているからね。

内藤

確かに、2色切り替えは色が揃わなかったときのためにリセット機能がありますからね。

島田

通常の使い方をしていれば、色が揃わないといったことはほとんど起きないはずだけど、電気はわからないからね。

何かの要因で不揃いになるケースも考えられなくもないから、万全を期す意味でも、ヘッドライトに2色切り替えは使用しないほうがいいだろう。

内藤

ヘッドライトを2色切り替えにするというアイデアはいいと思ったんですけど。保安基準でアウトでは諦めるしかないですね。

島田

まあ、メーカーが薦めている取り付け方法や場所に装着することが車検では安全だよね。

内藤

ちょっと気になったんですが、2色切り替えのLEDをフォグランプに取り付けた場合、左右で色が変わったら車検はどうなるのでしょう?

島田

鋭い質問だね。フォグランプの保安基準を見ると、「白色または淡黄色で全て同一色であること」とある。

ということは、経年劣化で多少の色違いは許されても、2色切り替えで、白色と黄色がはっきりと色が違って見えるLEDバルブは、バラバラの色で点灯してしまうとまずいよね。

内藤

それじゃあ、2色切り替えも車検は厳しいじゃないですか。

島田

そうでもないんだ。というのは、2色切り替えになる原理は、電気のONとOFFを3秒以内で繰り返すと切り替わる仕組みなんだ。

だから、フォグランプを片側だけ取り付けて、点灯確認したようなときには、左右で異なる色を発光することもある。でも、通常の使用では、色のばらつきは起きないよ。

内藤

ということは、フォグランプで使用する分には特に問題が起きないという事ですね。えッ?でもさっきヘッドライトでは揃わないことが起きるかもといっていたじゃないですか。

島田

そうだよね。でも、ライトスイッチの使用方法を考えてみよう。フォグランプのスイッチはONにするときとOFFにする時は、1回の操作だけだよね。

内藤

ヘッドライトもそうだと思うのですが。

島田

ヘッドライトも、夜間走行する時には、1回の操作で走行するのがほとんどだけど、ヘッドライトにはもう一つの機能が備わっているだろう?

内藤

パッシングですか!

島田

パッシングは、ONとOFFをかなり高速で行うよね。しかも回数も様々。

危険な時に合図を出すんだけど、1回や2回程度のパッシングならいいけど、それを数回繰り返す動作になれば、誤作動を起こす可能性も否定できない。

内藤

なるほど。電子機器ですからね。過度な電源のONとOFFを繰り返すハイビームのパッシングは、LEDのドライバーユニットにダメージを与えかねないという事でしょうか。

島田

そのとおりだね。耐久性は御墨付だけど、フォグランプ用としての使用を前提としているからね。パッシングのような高速の電源のONとOFFは想定していないよ。

だからフォグランプなら安心だけど、ヘッドライトでは、万が一という不安があるという事さ。

まとめ

H16タイプのハロゲンは消費電力が小さいことから暗く感じるオーナー様も多くいらっしゃいます。

HID・LEDに交換する方法がありますが、HIDの場合はカプラーが溶けたり、リフレクターへの損傷が考えられるため、LEDへの交換をおすすめします。

   
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