アイキャッチ画像引用元:HONDA
こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
ホンダ・トゥデイは、軽商用車として登場したモデルでしたが、商用モデルとは思えない運動性能の高さから本来の目的とは異なり、サーキットでも使用されています。
そこで、トゥデイが商用車として販売されながら、クルマ好きに支持される理由がどこにあるのか、そしてカスタムする上で困難となっているヘッドライトについて詳しく解説します。
目次
内藤
ナンバーを見ると4ナンバー(軽貨物登録) なので、余計驚きました。
昔販売されていた軽自動車は、貨物でも走りが楽しめたのでしょうか。
島田
確かに、昔は軽貨物で驚くような運動性能を持っていた軽自動車が各社から販売されていたよ。
内藤
意外と視界もよくて、きびきびと走るさまは、スポーツカー顔負けですよ。
やっぱりホンダの作ったクルマは、一味違うと実感しました。
それでもっと詳しくトゥデイのこと知りたくなったので、詳しく教えてほしいのですが。
島田
ホンダは、ユーザーが4輪自動車に上級志向化を求めるようになったことと、当時販売が開始されたシビック増産のための生産設備確保から、1974年10月から軽自自動車から一時撤退しています。
そして、休止から11年後の1985年5月、トゥデイが登場しました。
当時、販売されていたクルマには物品税が課税されていました。乗用車の3ナンバー車には23%、5ナンバー車には18.5%、そして軽自動車には15.5%も課税されていました。
しかし、軽商用車に関して1980年まで非課税でしたので、これに目を付けたのがスズキアルトの軽ボンネットバンでした。
安く消費者にクルマを提供するスズキの戦略は成功し、それに続けとばかりに各メーカーから軽ボンネットバンが発売され、ホンダもトゥデイを軽商用車として販売しました。
実際には、1981年に軽商用車も非課税から5.5%課税になりましたが、それでも軽乗用タイプが15.5%だったことを考えると、かなりお得な金額で購入できました。
内藤
島田
それまでは初代トゥデイのような販売はユーザーにとってありがたかった。
初代トゥデイの登場は、当時ホンダが販売していたコンパクトモデルのシティとは全く逆の低く構えたデザインで、当時はかなり驚きでした。
低い曲線を生かした、流れるようなデザインは、軽商用車とは思えない斬新なスタイルでした。
居住性を高めるため、ホイールベースが2,330mmとバラードスポーツCR-Xより130mm長かったのも特徴で、その長さを補うために前後ショートオーバーハングが大きな特徴でもあります。
そして、フロントデザインは、バンパーを丸いライトの形にくぼませているスラントノーズを採用しており、トゥデイの低さを強調させていました。
これには、エンジンをほぼ水平の横置きにしていたことと、デフをエンジンの下に配置したことがこのようなスラント&ショートノーズを可能としました。
このように、トゥデイのロングホイールベースは直進安定性がよく、しかも低重心からくるコーナリング性能は、クルマ好きたちから注目されるようになります。
内藤
島田
ミラXXやアルトワークスといったターボを装着した軽自動車が登場し、世間をにぎわしていたんだけど、そんな中、登場したトゥデイは、エンジンはアクティから流用したEH型の直2 SOHCエンジンで31馬力と非力だったんだ。
でも、車重の軽さから軽快に走るトゥデイは、パワーより取り回しを重視する人たちから支持されたんだよ。
1988年2月、トゥデイは大幅なマイナーチェンジをし、基本性能を大幅に向上させました。
エンジンは、今までの2気筒ガソリンエンジンから、新開発の3気筒SOHC4バルブエンジンが搭載されます。
このエンジンは非常にユニークな構造で、通常4バルブエンジンは、2本のカムシャフトを使用しますが、このエンジンは、シングルカムで4つのバルブを作動させていました。
これにより軽量コンパクトなエンジンが完成したことと、NAとして当時トップクラスの44PSを発揮しました。
エクステリアデザインも大幅に変更され、今までの丸形ヘッドライトから角形に変更されたほか、バンパーをボディ同色にし、テールゲートにスポイラーデザインを採用したことから、スタイリッシュでスポーティあふれるトゥデイに生まれ変わりました。
さらに1990年になると、軽規格変更に伴い排気量が660ccになります。
これにより、出力が52馬力にアップされたほか、エンジンが大きくなったことで、エンジンルームの拡張や前後バンパーを延長しました。
内装にも一部モデルを除き、ホールド性が良いバケットタイプのシートを採用するなど、ドライビングの質の向上が高められました。
現在でもサーキット走行で人気があるのが、この初代後期タイプであり、ジムカーナや軽自動車レースではカリスマ的な存在になっています。
内藤
島田
今でも岡山にR34GTRのターボを装着した怪物トゥデイがあるからね。
今は動画サイトで多く見られるから、知っているだろう?
島田
2代目のトゥデイは初代の乗用モデルが商用車の派生モデルだったのに対し、乗用モデル専用設計として1993年1月に登場しました。
しかし、商用モデルはそのまま初代モデルの販売が続けられます。
2代目のコンセプトは、軽自動車本来の経済性と取り回しの良さを追求し、女性をターゲットに丸味を帯びたデザインが特徴でした。
また、乗用車として開発された2代目では、いままでのようなテールゲートを使用せず、独立したトランクを採用しました。
この独立したトランクにより、クオーターに大きなパノラミックウィンドウが採用され、後方視界がよくなったほか、今までのような重くて大きなテールゲートではなく、片手で開け閉めできるトランクは、女性にも優しいという触れ込みでした。
しかしふたを開けてみると、トランクタイプはユーザーに受け入れてもらえず、慣れ親しんだテールゲートが廃止されたことが当時大きな不満となっていました。
しかも1993年は、軽自動車の革新的モデル、スズキワゴンRが登場した年でした。
もちろん、トゥデイには、走りに振ったモデルも用意されており、ビート譲りのF1テクノロジーの応用から生まれた3連スロットルと2つの燃料噴射制御マップ切り換え方式のMTREC12バルブエンジンが用意されます。
出力はビートよりディチューンされ58PSでした。
しかし、デザインとして当時はワゴンRのようなスタイルに時代が向かっており、2代目トゥデイは苦戦を強いられます。
そんな苦境の中ホンダは、商用モデルの初代トゥデイを乗用モデルのように仕上げたハミングを投入します。
内藤
島田
当時はワゴンR、ムーブといった今につながる背の高い軽自動車に人気が集まっていたから、2代目トゥデイの登場は、どんなにすごいエンジンを積んでいても話題性に欠けていたよ。
2代目トゥデイは、実用性としては不人気でしたが、用意されたMTRECエンジンにより、軽カースポーツとして認知度が上がります。
特に前期型は、リアゲートではなくトランクを採用していたので、ボディ剛性が高いことから、草レースなどで人気があります。
しかも、車重がビートより80kg軽い680kgであったことから、軽自動車の中で最強マシンとして数々の草レースで活躍します。
しかし、2代目はJAFの公認車両として登録されていないので、国内の公式競技に出ることができません。
内藤
島田
内藤
しかも20年以上前ということは、ヘッドライトもかなり古いですよね?どんなヘッドライトなんでしょうか。
島田
内藤
島田
それじゃあ4輪車のトゥデイにどんなヘッドライトが採用されたのか解説するね。
初代トゥデイは、前期モデルにはシールドビームが採用されていました。その後、マイナーチェンジで異形ヘッドランプが採用されると、702Kハロゲンバルブが取り付けられます。
702Kハロゲンバルブは、2代目の軽乗用になると廃止されH4ハロゲンバルブが採用されます。しかし、併売していた商用モデルのハミングには、依然として702Kが採用されていました。
初代モデルのシールドビームは、後にH4ハロゲンバルブが装着できるヘッドランプユニットに換装するオーナーが増えたので、シールドビームを装着したままの初代トゥデイは、現在はかなり少ないでしょう。
内藤
島田
見た目はH4ハロゲンと似ているけどサイズが違うから取り付けることはできない。
普通、ハイビームとロービームの切り替えを一つのバルブでできると聞いたら、H4バルブという先入観が当時もあった。
2代目トゥデイはその先入観で誤発注することがあったんだ。
だから当時はトゥデイのハロゲンバルブを交換する際は、車検証の情報が重要だったね。
内藤
トゥデイも他のホンダ車と同じように、走りも意識したモデルがあるので、今も人気が高いと思います。
それで、気になるのが古いクルマにありがちなヘッドライトの暗さ。それを解消するためにどんなカスタムがされているのでしょうか?
島田
当時のヘッドライトのままでは暗いからカスタムする人はいるよね。それじゃあ、トゥデイのカスタムについて、今と昔を解説するよ。
トゥデイに使用されるヘッドライトは、702Kハロゲンバルブという特異なバルブなので、高効率バルブを購入したくても、どこでも手に入る商品ではありませんでした。
また、セカンドカーや女性オーナーが多かったので、当時はそれほど明るくするカスタムは見られませんでしたが、走行性能が高いことから、クルマ好きから注目されるようになると、ヘッドライトを明るくするカスタムをする人が現れます。
しかし、明るくできるバルブを手に入れるのは困難だったため、明るくするには工夫が必要だったほか、カーショップなどにワンオフ制作の依頼をするしかありませんでした。
LEDの登場で簡単に明るくカスタムできることから多くのクルマに普及します。トゥデイにも波及しており、車種専用品がなくても取り付けに挑戦する人がいます。
日本ライティングよりビート用ですが702K LEDバルブが登場します。
まだ、ビート用なのでトゥデイへの装着は保証されていませんが、このLEDバルブの登場は、トゥデイオーナーにとって明るい情報といってよいでしょう。
トゥデイは、エンジンルームが狭いことで有名です。特に初代トゥデイでは、前期型の2気筒エンジンから後期型の3気筒エンジンになると、さらにエンジンルームが狭く、ボンネット内の作業性はよくありません。
そのため、ヘッドライト裏に大掛かりなパーツは取り付けられないほか、LEDバルブでも後ろに大きなファンが付いているタイプは、何かの部品と干渉する恐れがあります。
内藤
島田
内藤
トゥデイは、軽商用車として登場しましたが、単なる商用車ではなく、低い車体と長いホイールベースによってもたらされる安定性の高さから、クルマ好きからの人気が現在も高い1台です。
しかし、登場した年代から考えると、各部に劣化も見られるのは致し方がありませんが、それでも現代の技術でヘッドライトを明るくする方法も出てきました。
各メーカーから販売されている702K用LEDバルブは、トゥデイオーナーに大きな希望を与えたといってもよいでしょう。