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こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
ホンダのコンパクトスポーツカーに、かつてCR-Xというクルマがありました。CR-Xの魅力は、ホンダらしい操縦性能と回転フィールが楽しいエンジン性能です。
スタイリングも独特のショートホイールベースのコンパクトボディが魅力で、現在も多くのファンがいます。今回はCR-Xに特化してその魅力についてお伝えします。
また、ホンダならではのヘッドライトについても合わせて解説します。
目次
内藤
島田
内藤
今はもうCR-Xは販売されていないじゃないですか。こんなかっこいいクルマが発売されていないなんて残念で仕方がないんです。
そこで、CR-Xがどんなクルマだったのか、詳しく教えていただきたくて。
島田
1983年7月、ホンダはリアを切り詰めた斬新なスタイルのコンパクトカー、バラードスポーツCR-Xを発売します。
当時、ホンダはF1に15年振りに復活した第2期であり、そこに登場したバラードスポーツCR-Xは当時の若者たちにとって衝撃的でした。
また、後に登場するワンダーシビックとエンジンとシャシーが共通でしたが、内外装の意匠は互換性がなく、自動車修理の際にはホンダらしい作りに頭を悩ませたこともしばしばありました。
バラードスポーツCR-Xは軽量化のため、フロントマスク、ヘッドライト・フラップ、左右フロントフェンダー、左右ドアロア・ガーニッシュに新素材のH・P・ALLOY(ホンダ・ポリマー・アロイ)を採用します。
これは、ABS樹脂とポリカボネートに衝撃性を向上させる新成分を加えた樹脂で、塗装には柔軟性を持たせた特殊な塗料が使われており、新素材と新塗料を合わせてH・P・ALLOYと呼んでいました。
バラードスポーツCR-Xで特徴的なのが、フロントヘッドライトがセミリトラクタブル構造になっていることでしょう。
実はこの構造ですが、ヘッドライトユニットは固定されていて、動くのはヘッドライト・フラップだけでした。
しかも、バラードセダンと同じヘッドライトのように見えて、内部はヘッドフラップを動かすモーター以外互換性がなく、中古パーツの流用が効かないことで修理業者泣かせでもありました。
セミリトラクタブルヘッドライトについて、もう少し語ると、ヘッドライトガーニッシュにスリッドが入っていますが、これは積雪によりライトが見えなくなるのを防ぐ目的でつけられた雪落としでした。
ホンダ初代プレリュードや初代ビガー、バラードセダンにも似たようなガーニッシュが取り付けられていますが、やはり互換性はまったくありません。
そして、当時を知る筆者が体験した事実として、雪が積もらないためのガーニッシュは、大雪になればまったく役にたたなかったことを思い出します。
このほか、バラードスポーツCR-Xは、世界初として電動アウタースライドサンルーフや、量産車世界初となる飛行機のように天井から空気を取り入れるルーフ・ラム圧ベンチレーションも用意されていました。
バラードCR-Xには、1.3、1.5iの2タイプでスタートしましたが、翌年の1984年に新開発の1.6L DOHC16バルブエンジンを搭載した1.6Siがラインナップに加わります。
そして、当時のカー雑誌から生まれたボーイズレーサーの代表車種として、高い人気を誇りました。
内藤
島田
そして、このバラードCR-Xは、当時0-400m加速で日本車最速を誇っていた日産のフェアレディ300ZXに次ぐ2番目の俊足だったんだ。
1987年9月、シビックとともにフルモデルチェンジを行い、2代目CR-Xが登場します。
2代目ではバラードスポーツの名が外されCR-Xとして販売が開始されますが、サイバースポーツのキャッチフレーズで親しまれました。
初代と大きく変わったのが、セミリトラクタブルヘッドライトを廃止されたことですが、走りの性能は正常進化しており、前後ダブルウィッシュボーンを採用した足回りは、軽快なフットワークから爽快な走りが楽しめました。
特に斬新だったのがリアのデザインで、リアハッチのゲート下部にエクストラウィンドウを備えているのが特徴でした。このウィンドウは、プリウスやインサイトにも採用されており、後方視界の確保に大きく貢献しています。
室内も特徴的で、上半身に開放感をもたらし、超広角な視界を確保しながら、ウエストラインより下は守られるような安心感をもたらしています。そしてセンターコンソールがドライバーの方向に向いており、エアコン操作などもドライバー優先にデザインされた本格的なコクピットが売りでした。
2代目の登場は、大きな話題になりましたが、エンジンに関しては先代の改良版でしかないといった評価も聞かれ、盛り上がりは大きくありませんでした。
しかし、1989年9月、ついに真打のVTECが搭載されます。
1.6Lで過給機を持たずに160馬力を発揮するエンジンは、当時の走り屋たちから大きな注目を集めます。
VTECエンジンを搭載したCR-Xは、1.6SiRとして発売され、専用リアスポイラーとハイマウントストップランプが用意されました。
また、オプションでLSDと電子制御A.L.B(ABSブレーキ)も選べるなど、走りに振った充実したモデルとして高い人気になります。
CR-Xの魅力である、軽量ボディに高回転までストレスなく回るエンジン、そして地に吸い付くようなサスペンションチューニングは、現代のエコカーでは味わうことができない、操る楽しさを持ったクルマとして今も高い人気を誇っています。
内藤
島田
内藤
島田
1980年代に入ってから、多くのクルマがハロゲンバルブを採用されるのと同じように、CR-XにもH6ハロゲンバルブが採用されるモデルが発売され、走りを意識したモデルらしく夜の明るさも手に入れたモデルが登場しました。
ただし廉価版の1.3グレードにはハロゲンではなくシールドビームが採用されていました。
また、海外でも販売されたバラードCR-Xは、国内仕様と異なりH4ハロゲンバルブが採用されていたので、その事実を知っているユーザーは、海外から取り寄せてヘッドライトユニットを換装するカスタムや、US仕様の4灯化に挑戦する人もいました。
2代目CR-Xになると、全グレード702Kハロゲンバルブが採用されます。この特殊なハロゲンバルブは当時のシビックやビート、シティ、トゥディ、レジェンド、インテグラなどに装着されています。
このほか、1987年から1994年まで発売されたマツダ・カペラ(GD系)にも同じバルブが採用されています。しかし、一部マツダ車で12V45/55Wを使用していますから、互換性がないことに注意が必要です。
内藤
島田
内藤
島田
内藤
島田
だから今も所有している人達からすれば、今は良い世の中といえるかも。
内藤
島田
それはLEDの登場のおかげだろうね。それじゃあ、CR-Xのカスタムについて、昔と今を解説するよ。
バラードスポーツCR-Xが販売されていた1983年から1987年当時は、ハロゲンバルブがシールドビームに変わり採用され始めた時期でもあり、ハロゲンバルブの明るさにユーザーはある程度満足していました。
しかしそれでも、もっと明るくしたいと考えるユーザーも多く、当時はCIBIEやBOSCHといったメーカーから競技用部品として販売されていたヘッドランプチューンアップキットを取り付ける人がいました。
これは、100/90WといったハイワッテージタイプのH6ハロゲンバルブに専用のリレーとハーネスが組み合わされた商品です。
基本的にバッテリー直で点灯させる仕組みで、ライトの作動をリレーで行います。専用のハーネスをハロゲンバルブ取り付け用のコネクターにはめ込みます。
そしてリレーから出ている線をバッテリーのプラスとマイナスに接続します。
これで、純正のヘッドライトハーネスに負荷をかけることなく、ハイワッテージバルブが点灯できる仕組みでした。
そして、2代目のサイバースポーツCR-Xのヘッドライトバルブは702Kと特殊だったため、当初は明るくするバルブはありませんでした。
しかし、PIAAやRAYBRIGなどのメーカーから、リレーハーネス不要で明るくできる高効率ハロゲンバルブが登場しますが、絶対数が少なく、地方ではあまり手に入らなかった商品でもあり、その商品を求め、大都市に買い出しに行く人もいました。
内藤
島田
でもね、確実に買えるとは限らなかったんだ。だから、場合によっては空振りで帰ってくることもあったんだよ。
まあ、近くのカー用品店で取り寄せのお願いすれば済んだんだけどね。
当時も今もすぐに欲しいのは一緒だったから、まあしょうがないと言えば、しょうがないのかな。
時代が進むと、光源はハロゲンバルブからHID、そしてLEDに進化しました。
そして、最新の光源であるLEDも、年式が古いクルマにも対応できる優れた製品として、旧車乗りにも歓迎されている商品です。
とくにLEDでは、色味をハロゲンに近づけることが可能なので、旧車にも違和感なく取り付けられ、しかもハロゲンより明るくできるメリットがあります。
そして現在、日本ライティングから702K用LEDバルブがラインナップされています。ただしビート専用なので、取り付けスペースの問題等が発生する可能性があります。
内藤
CR-Xのライトカスタムは、明るくする方法が基本です。しかし、デザインを今風にブラックアウトしたりイカリングをユニット内に装着する手法もあります。
ただ、CR-Xのような旧車は、オリジナルデザインを重要視するオーナーが増えています。
できるだけ純正品を手に入れて、オリジナルに近い状態で乗ることがステータスになっています。
もちろん、輸入販売されていたCR-Xなので、海外からパーツを購入して、輸出仕様にするカスタムもありますが、現在のCR-Xに対する考え方としては、国内の純正仕様に憧れる人が多く、仮に輸出パーツやチューニングパーツなどが取り付けてあれば、できるだけ国内仕様のパーツに取り替えてノーマルに戻す人もいます。
内藤
島田
あと、オリジナルを出すヘッドライトでも、明るさを求めてLEDに換装するカスタムは多いかな。
内藤
島田
内藤
1980年代は、多種多様な車種が多く、当時のユーザーにとっては選り取り見取りでした。
コンパクトカーも、コンセプトやデザインに各メーカーが独自色をだしていましたが、その中で異彩を放っていたのがCR-Xでしょう。
今でも多くのファンを持つCR-Xですが、ヘッドライトが702Kということもあり、明るくすることは難しい車種の1台です。
しかし、ビート用ですが日本ライティングからLEDが発売されたことで、CR-Xオーナーにとっても大きな期待となりました。
今後専用品が発売されれば誰でも手軽にLEDに交換でき、CR-Xのヘッドライトを明るくできるでしょう。