こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
「HIDの方がLEDより明るい!」というのが今まで常識でしたが、純正HIDより明るいLEDバルブが登場すると、一気にLEDバルブが攻勢を強めるようになってきました。
そこで今回、LEDバルブがどれほど明るくなったのか、HIDの最強の明るさを誇る55Wタイプと比べてみました。
内藤
島田
内藤
それで、最近思ったのが日本ライティングからハイスペックモデルが出ているじゃないですか。かなり明るいと思うのですがHIDキットと比べてどうなのでしょうか?
島田
今では、そんな激安HIDキットよりLEDバルブのほうが高いなんて現象にもなっている。
それじゃあ、ハイスペックモデルを語る前に、LEDバルブとHIDキットの価格や性能についてから解説するよ。
LEDバルブ全盛期でもHIDキットは根強く販売されています。その種類は以前より少なくなったものの、35WタイプのHIDから明るさを求めた55Wタイプなどが主流となっています。
価格帯は、2,000円程度から販売されていますが、安心できる商品を選ぶなら1万円前後のHIDキットを選ぶのが良いといえます。
またHIDキットは、国内有名メーカーであっても、最終チェック以外は全て海外で製造・組み立てられている事がほとんどです。
ただ、海外メーカーも国産メーカーも技術は統一され、どの国で生産されているかは、さほど関係がなく、メーカー毎の品質管理の高さが、商品の精度に繋がっていると言ってもいいでしょう。
代わってLEDバルブについては、販売当初HIDの明るさを超えるのは不可能と思われるほどの明るさしかなかったのを今でも覚えています。
その後、HIDと比べ、発光の仕組みが簡単なLEDは参入障壁も低く多くのメーカーが参入してきました。
海外製の商品も多く見られました。しかし、HIDと異なるのが、国内製品より海外製の格安品は性能が極端に落ちるという事です。
一部商品ではコストダウンのためにボディの素材として断熱材となってしまうプラスチックの使用や放熱以外にも発光部の精度が低いなど、設計の段階から国産品とは性能差があるのがLEDバルブの現状といえます。
ただ、明るさについてはHIDに匹敵する明るさを備えたLEDバルブが販売されるようになっています。
内藤
島田
内藤
灯具はプロジェクタータイプなのでHIDとの相性も良くかなり明るいらしいんです。
そこで、最新のLEDバルブと比べたらどれだけ見た目の明るさが変わるか実験をしようと思うのです。
島田
内藤
島田
写真を見て頂くとぱっと見どちらもそれほど明るさが変わりません。この比較画像は、右が55WタイプのHIDキット、そして左が日本ライティングのハイスペックモデルです。
よく見ると、LEDバルブのほうが黄色と黒のゼブララインのあたりが暗く感じますが、逆に手前はLEDバルブのほうが明るく照らされています。
人は遠くを見ながら運転しているので、ハイスペックモデルのLEDバルブのほうが若干暗く感じるはずです。
しかし実際には、それほど違いを感じることが出来なかったというのがオーナーの話です。逆に、全体が明るく見えるLEDバルブのほうが視界は広がり運転がし易かったということでした。
上の画像は、右がHIDで左がLEDバルブです。このように全体の明るさの広がりは、車体の右側から撮影するとよくわかりました。
この光の広がりは、LEDバルブの配光特性が素晴らしいことを物語っているといえるでしょう。通常、HIDやハロゲンバルブは、360度発光できます。
しかし、最大でも180度しか発光できないLEDバルブはHIDに比べ配光で不利といわれていきました。
しかし、写真のように全体を均一に照らせるようになった日本ライティングのLEDバルブなら、視界の広さとその明るさに納得できることでしょう。
HIDは、点灯してもすぐに最大光量まで上がらないことで知られています。
それは、HIDは20,000ボルトまで昇圧してアーク放電させており、ガラス管内部の温度の上昇に連れて明るくなります。
しかし、LEDはスイッチONしてからすぐに最大光量になるため、HIDのような点灯直後の暗さや徐々に色味が変化する(青色からホワイトに変化)ことはありません。
そこで、どれだけ色や明るさが異なるのか、ヘッドライトの右側にHID、そして左側にLEDを装着して実験してみました。
HIDは、ここまでで登場した使用年数が4年経過した55WのHID、そしてLEDはハイスペックタイプです。色温度は、HIDが6,000ケルビンでLEDは6,500ケルビンです。
まず、周りが明るい昼間での点灯状況です。
動画を見ていただくとわかりますが、向かって左側のHIDランプは点灯直後、少し青っぽく見えますが、徐々に明るさを増しています。
8秒を過ぎたあたりでかなり明るくなりますが、最大光量を発揮するには15秒ほどかかっていることが動画でわかると思います。
一方LEDは、当然点灯直後から最大光量なので、左右の明るさの違いが動画でよくわかると思います。
次に、夜間での点灯状況です。
夜間でも昼間と同じように、向かって左側のHIDランプが、点灯直後から最大光量になるまでに時間がかかっていることがわかります。
点灯直後HIDは、青白い光で点灯し、徐々に白っぽくなりおおよそ10秒後に向かって右側のLEDバルブと同程度の明るさになっていることがわかります。
次に、照らした方向にどのような違いがあるか見てみると、右側がHIDで左側がLEDですが、照らした直後は同じような色味をしているのがわかります。
しかし、HIDの点灯が安定してくると、少し黄色味がかった色に変化して明るさも増したのが見て取れます。
こちらは点灯直後の画像です。この状態だと、若干右のHIDのほうが明るいですが色はほとんど同じです。
点灯から30秒ほどしてHIDが安定したころの画像です。光の強さが増して点灯直後より少し黄色味がかっています。その反面、LEDの左側はほとんど差が出ていません。
内藤
島田
その点、LEDなら点灯直後から最大光量だからトンネルに入った直後でも明るさを確保できる。
ついでに、夜間の正面からの画像もあるから見てみよう。
こちらは、夜間の点灯直後の画像です。向かって左側のヘッドライトがHIDですが、向かって右側のLEDより光量が少ないのがよくわかります。
続いてこちらは、点灯から30秒ほどたった時の画像です。
明らかに点灯直後よりHIDは明るくなっています。しかし、LEDは点灯直後もその後も安定した明るさを保っています。
内藤
島田
あと、色だけどHIDは6,000ケルビンでLEDは6,500ケルビンで少し色温度は異なるけど、実際に見ると、かなりLEDは青白く見えることがわかるよね。
ちなみに、画像のクルマのフォグランプもLEDに交換していて、6,000ケルビンなんだよね。
内藤
島田
内藤
島田
まあ、HIDは経年劣化で明るさが落ちてくるから、新品状態ならまだHIDのほうが明るいかもしれないけどね。
ただ、LEDは経年劣化がHIDより遅いから、同じ時間使っても、LEDは暗くならないだろうね。
内藤
島田
まだまだ同じ明るさを手に入れるには、LEDバルブのほうが初期投資は大きいけど、その後の明るさの安定性や故障の少なさを考えても大いに魅力だよね。
内藤
島田
ヘッドライトは、ハロゲンバルブからHID、そしてLEDと進化してきましたが、明るさの進化だけでなく、寿命も大きく進化しました。
ハロゲンバルブの寿命は、約1000時間で3年程度、HIDはその倍の約2,000時間で5年、そしてLEDは約10,000時間で15年といわれています。
これらの寿命は全て新品から光量が70%落ちた時点と決まっています。
ただし、この明るさが落ちてくることは、いつも使っていると感じることがほとんどできないでしょう。
そのため、ハロゲンバルブやHIDキットは切れて初めて寿命と感じることが普通です。
しかし、寿命が15年もあるLEDバルブなら、クルマを一般に買い替える時期より長いので、LEDバルブの寿命を知ることは、ほとんどないといえます。
あくまでも一般的に言われる寿命時間です。使用環境、放熱などの商品の精度に大きく影響されますので予めご了承ください。
ハロゲンバルブの頃から、ヘッドライトは手軽にカスタムできるパーツです。
しかし、HIDキットが主流になったころは、取り付け方法が難しいことから、一般の人が気軽にカスタムできなくなりました。
HIDキットは、ハロゲンバルブのように電球を変えれば完了というような優しいものではありません。
また、HIDは高電圧を必要とするので、多くのパーツが必要です。
それは、発光する部分のバーナー、電気を昇圧させるイグナイター、電力を直流から交流に変換して電圧を一定にして安定させるバラスト、そしてリレーハーネスが必要です。
これらのパーツを取り付けるには、多くの部品を外す必要や、パーツの取り付け位置などを工夫しなければなりません。
それに比べてLEDバルブは構成部品が少ないので、取り付けの難易度は格段に下がります。
取付けは、ハロゲンバルブを取り外します。
そこにLEDバルブを取り付けます。
あとは、ハロゲンバルブに差し込まれていたコネクターをLEDバルブのコネクターに差し込み、コントロールユニットを開いているスペースに取り付けて完了です。
取付けで注意する点として、フィンの部分は素手でもって回すと痛いので、軍手や布を巻いて行ったほうが良いでしょう。
また、バルブを止める切り欠きの大きさが違うので、取り付け前に確認してから灯具に入れるとすんなりとはめることが出来ます。
このように、ハロゲンバルブの取り換えとほとんど同じ感覚で出来るのがLEDバルブの大きな利点です。
内藤
でもHIDは、ハロゲンより消費電力が少ないという触れ込みだったと思いますが、その辺はどうなんでしょうか。
島田
消費電力が少ないことでクルマが受ける恩恵について解説するよ。
一般的に、HIDキットとして販売される商品は、35Wがほとんどです。しかし、ハロゲンバルブは55Wがほとんどなので、HIDにすることで消費電力が抑えられると言われていました。
(今回のクルマに取り付けているHIDのように、明るさを求めるユーザー向けに55Wも販売されている)
しかしLEDバルブが登場すると、消費電力はさらに低い約20Wであることが多いので、ハロゲンバルブはもとよりHIDより消費電力は低いのが特徴です。
では、消費電力が低いとクルマに対してどんなメリットがあるのか問えば、バッテリーやオルタネーターへの負荷を抑えられます。
同じ光を発しても、消費電力が少なければ、それだけ発電量も抑えられます。
オルタネーターは、エンジンからベルトを介して発電しているので、消費電力が上がるとエンジンへの負担が大きくなります。
しかし、消費電力が少なければ、エンジン負担が軽減されて燃費にも影響が出るでしょう。
このほか、消費電力が少なくなると発熱しません。特に発光原理が異なるLEDでは、発光部分の発熱が少ないので、樹脂製の灯具への影響はほとんどありません。
しかしHIDでは、ハロゲンより熱量は少なくても、発光時に発熱します。
特に発熱では、ハロゲン球のようにフィラメントを持つ電球の場合、10%程度しか人間の目に見える光に変換されないといわれています。
また、HIDでは20%程度といわれており、HIDでは残りの80%のエネルギーは熱として放出されています。
しかし、LEDになると、30%から50%が光に変換されるといわれているので、発熱量はHIDやハロゲンバルブに比べて断然低くなります。
光に効率よく変換できるということは、同じ消費電力でも多くを光に変換できるので、LEDは低い消費電力でも、ハロゲンバルブのような消費電力が高い光源より明るくなります。
HIDは、放電により光を発していますが、LEDでは半導体が直接電気エネルギーを光に変えています。
このように、発光原理が異なるので、光の色も光源の違いで変わってしまうのはおおよそ想像がつくでしょう。
そして、今ではポジションランプ、ヘッドランプ、フォグランプといったすべての光源にLEDバルブが販売されているので、同じ色温度を用意すれば、ほぼ同じ色にできます。
この画像は、上部にあるヘッドライトの画像を加工したものですが、左がHID、真ん中と右はLEDバルブを使用しています。
光源を近づけてみてもLED同士であれば、かなり似通った色であることがわかります。
内藤
島田
内藤
特に、ハイビームをLEDバルブに変えているそうなので、新品の時に比べて、ハイビームに頼るようになったと。
島田
内藤
このまま、ずっとこの明るさならいいといっていました。
島田
LEDが登場した当時はHIDより暗いことから、明るさを求める人には不評でした。そのイメージが今もなお残っている人がかなり多くいるのも事実でしょう。
しかし、今回55WタイプのHIDとハイスペックモデルのLEDバルブの明るさを比較して、その明るさにほとんど違いが見られないことがわかりました。
もしこれがスタンダードのHIDである35Wタイプであれば、確実にLEDバルブのほうが明るいといえますから、明るさを求める人にもLEDバルブをおススメします。