アイキャッチ画像引用元:SimiSimiさん
こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
ハイブリッドカーを世に広めたプリウスも初代登場から23年経ちました。その間にヘッドライトも大きく進化を遂げデザインに自由度が広がりました。
そこで、今回はプリウスのヘッドライトに焦点を当て、初代から現行50系に至るヘッドライトデザインの変遷、カスタム方法について解説していきます。
目次
内藤
島田
現行プリウスのヘッドライトのようにかぁ。LEDバルブに交換するのが手っ取り早いよね。
内藤
島田
その前に、プリウスのヘッドライトがどう進化して、カスタムされてきたのか勉強してからのほうが良い知恵が浮かぶと思うよ。
内藤
島田
初代プリウスが誕生したのは、1997年12月のことでした。当時、未来的なデザインと低燃費性能(28km/l(当時のカローラの2倍))という謳い文句で登場し、世を驚かせました。
しかし、車両本体価格がカローラの150万円に対して、プリウスは215万円~と大きく上回っており、燃費性能だけでは車両本体価格をペイできないことをユーザーは感じたのか、トヨタの思惑通りに売れることはありませんでした。
初代プリウスが登場した当時、クラウン・セルシオなど高級車のヘッドライトにはHIDが搭載されていましたが、プリウスはH4ハロゲンバルブが採用されていました。
その後、2000年5月に大幅なマイナーチェンジを行い、燃費性能に磨きをかけますが、ヘッドライトはH4のままでした。
内藤
島田
内藤
トヨタは、将来的に化石燃料の枯渇と環境問題に立ち向かうべく、2代目のプリウス開発に力を入れ、2003年9月に2代目が登場します。
先代の4ドアセダンから、空力と居住性を考慮した結果、現行モデル(50系)まで継承されている5ドアハッチバックとして登場します。
世間でのプリウスに対する評価も上がり始め、2代目は好調に売れていきます。そして世界情勢の影響を受け、2007年頃からガソリン価格が高騰し始めると、さらにプリウス人気は高まります。
近未来のコンセプトは変わらず、ヘッドライトにHIDを搭載するモデルが登場します。また、下位グレードにはハロゲン仕様車も用意されていました。
しかし、HID搭載モデルの人気が非常に高く、ハロゲン仕様車を選ぶ人は少なかったと言われています。
3代目が登場したのは、2009年5月でした。基本デザインは2代目を踏襲した5ドアハッチバック。特にフロントデザインを決めるヘッドライトが鋭くなり、特に高い人気を誇っています。
3代目では、ミニバンに対抗するかのように3列シートを備えたプリウスαも2014年に登場したほか、PHVと呼ばれる外部から電源をつないで充電ができるタイプも2017年に登場しました。
そして、特徴的なのはヘッドライトの光源でした。前期モデルはロービームがH11またはLED、ハイビームがHB3でしたが、後期モデルには、HID搭載車も追加されました。
また、G’zグレードではHIDのみの設定、プリウスPHVはHIDとLED、そしてプリウスαはH11ハロゲンバルブ又はLEDが設定されています。
しかも2014年11月のマイナーチェンジ後プリウスαのLEDには、世界初となるBi-Beam(バイ・ビーム)と呼ばれる1灯式LEDが搭載され、ハイビームとロービームが切り替えられる優れものでした。
4代目となる現行プリウスは、2015年12月に登場します。プリウスαに搭載されていたBi-Beamヘッドライトが全車種に標準装備になりました。
Bi-Beamヘッドライトの凄い所は、LEDヘッドライトの光源にはハイビーム用とロービーム用の2種類が今まで必要でした。
それがBi-beamの登場で、ヘッドライト内を小型の1灯式が可能となったことにより、軽量化と小型化、省電力化が可能となりました。これにより、ヘッドライトのデザインの自由度が大きく変化しました。
Bi-Beamの特徴は、小型軽量で省電力化が可能となっただけでなく、従来より優れた高光束LEDチップを採用したことで視認性にも優れているのが特徴なので、小型1灯式であっても暗さは感じさせません。
内藤
島田
内藤
島田
内藤
島田
内藤
島田
2代目プリウスが登場した2003年当時は、ヘッドライトカスタムといえば高効率ハロゲンバルブに交換するのが一般的で、ハロゲンバルブ採用車種では、HIDのような白い光に憧れ、HIDに近い色のバルブを装着することが流行りました。
その後、アフターパーツでHIDキットが販売されるようになると、ハロゲン仕様にHIDキットを装着する人が増え、中でも純正より白い6,000K(ケルビン)以上を取り付けるオーナーが増えました。
ハロゲン仕様車用のHIDキットが販売されると同じ時期に純正HID装着車用のアフターパーツも販売され、ケルビン数の高い製品に交換するカスタムが一般的でした。
多くのケルビン数が販売され、ショーカーでは、青白く発色するHIDが装着され話題を呼び、8,000Kなどのケルビン数の高いHIDを装着する人も見られました。
多くの人にハイブリッドの存在を身近に感じさせたのが3代目プリウスです。同時にカスタムパーツが豊富にあり、多彩なカスタムが見受けられました。
3代目プリウスには、グレードによりハロゲン、HID、そしてLEDヘッドライトの3種類が用意されていますが、LEDヘッドライトはバルブ交換することが不可能な構造のため、ハロゲン仕様・HID仕様のみカスタムが可能となります。
3代目が登場した2009年当時は、交換用LEDバルブは少なく、ハロゲン仕様のプリウスにはHIDキットを装着するのが定番でした。。
その後、LEDバルブがアフターパーツとして販売されるようになると、HIDキットを外してLEDバルブに交換する人も見られましたが、製品としてはまだまだ未熟で、特に明るさではHIDキットに遠く及びませんでした。
そして、今でも人気がある3代目プリウスですが、純正LEDタイプも含めて明るさを求めるカスタムから、ヘッドライトを魅せるカスタムに変わっています。
見せるカスタムには、インナーの色を変えたり、内部にイカリングを施したカスタムヘッドランプユニットなどのほか、最近では3眼ヘッドライトにカスタムしたヘッドライトユニットも販売されています。
4代目となる50系プリウスは、全グレードLEDヘッドライトになったため、明るさを求めるカスタムは基本的に出来ません。そのため、ヘッドライトカスタムは3代目と同様見せるカスタムが主流となっています。
多くのカスタムショップやパーツメーカーから、ヘッドライト内部にLEDテープなどで装飾した4代目プリウス用のカスタムヘッドライトユニットが販売され人気となっています。
また、ひそかに人気を集めているのは、US仕様のLEDヘッドライトユニットです。
国内仕様との違いは、サイドマーカーランプが光るなど極わずかですが、より個性を出したいプリウスユーザーがこの違いを求めてUS仕様のユニットを装着しています。
しかし、US仕様のヘッドライトは右側通行用に作られているので、光軸の問題がある事も理解しておく必要があるでしょう。
内藤
島田
内藤
プリウスには、20世紀末に次世代カーとして登場したイメージがわたし達には強くあります。最新技術であったハイブリッドやLEDヘッドライトが今や当たり前となり、かつて多くのユーザーを駆り立てた「明るさ」への欲求が、純正ヘッドライトによって充分に満たされた今、ユーザーを駆り立てているのは「美しさ」への欲求です。
けれども、一度は満たされたはずの「明るさ」への欲求はいずれ再燃し、純正LEDヘッドライトを明るくしたいという声が挙がるでしょう。その時、私達メーカーはその声にお応えできるように開発を進めていかなくてはいけません。