プリウスヘッドライトの進化とカスタム

こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。

 ※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。

ハイブリッドカーを世に広めたプリウスも初代登場から23年経ちました。その間にヘッドライトも大きく進化を遂げデザインに自由度が広がりました。

そこで、今回はプリウスのヘッドライトに焦点を当て、初代から現行50系に至るヘッドライトデザインの変遷、カスタム方法について解説していきます。

目次

プリウスのヘッドライトは初代から格段に進化

内藤

初代プリウスに乗っている友人から、現行プリウスのヘッドライトようにしたいと質問を受けたのですが、どのようなアドバイスをすればよいでしょうか。

島田

初代プリウスかぁ。当時は先進技術すぎてそれほど多く走ってなかったな。

陸運局でハイブリッドの講習をやったのを思い出したよ。

現行プリウスのヘッドライトのようにかぁ。LEDバルブに交換するのが手っ取り早いよね。

内藤

最近はユニットが華やかじゃないですか。それを見て同じようにできないかというんです。

島田

できないこともないけど、お金がかかるよ。

その前に、プリウスのヘッドライトがどう進化して、カスタムされてきたのか勉強してからのほうが良い知恵が浮かぶと思うよ。

内藤

なるほど、プリウスの進化を知ればカスタム方法の幅も広がりますね。

島田

じゃあ、最初にプリウスのヘッドライトの進化について解説しよう。

初代NHW10/11型プリウスのヘッドライト

初代プリウスが誕生したのは、1997年12月のことでした。当時、未来的なデザインと低燃費性能(28km/l(当時のカローラの2倍))という謳い文句で登場し、世を驚かせました。

しかし、車両本体価格がカローラの150万円に対して、プリウスは215万円~と大きく上回っており、燃費性能だけでは車両本体価格をペイできないことをユーザーは感じたのか、トヨタの思惑通りに売れることはありませんでした。

初代プリウスが登場した当時、クラウン・セルシオなど高級車のヘッドライトにはHIDが搭載されていましたが、プリウスはH4ハロゲンバルブが採用されていました。

その後、2000年5月に大幅なマイナーチェンジを行い、燃費性能に磨きをかけますが、ヘッドライトはH4のままでした。

内藤

現在の新車価格と比べたら、初代プリウスの215万円~は、それほど高くないですね。

島田

当時は、かなり高額なクルマだよ。それでね、215万円の由来が「21世紀にゴー」からきているんだよ。

内藤

凄い語呂合わせですね。

2代目NHW20型プリウスヘッドライト

トヨタは、将来的に化石燃料の枯渇と環境問題に立ち向かうべく、2代目のプリウス開発に力を入れ、2003年9月に2代目が登場します。

先代の4ドアセダンから、空力と居住性を考慮した結果、現行モデル(50系)まで継承されている5ドアハッチバックとして登場します。

世間でのプリウスに対する評価も上がり始め、2代目は好調に売れていきます。そして世界情勢の影響を受け、2007年頃からガソリン価格が高騰し始めると、さらにプリウス人気は高まります。

近未来のコンセプトは変わらず、ヘッドライトにHIDを搭載するモデルが登場します。また、下位グレードにはハロゲン仕様車も用意されていました。

しかし、HID搭載モデルの人気が非常に高く、ハロゲン仕様車を選ぶ人は少なかったと言われています。

近未来のコンセプトをさらに進化させ、ヘッドライトにはHIDを採用します。

前期型となる2003年から2005年までは、バーナーにD2Rを使用していましたが、2005年11月以降の後期モデルでは、バーナー内に水銀を使用しない環境に配慮したD4Rが使用されます。

ただし、標準モデルのSグレードとGグレードでは初代と同じH4ハロゲンバルブが採用され、HIDを装備したい場合は、それぞれのグレードに、スポーティーな装いをプラスしたツーリングセレクションを選ぶ必要がありました。

プリウスには、Sグレードと贅沢な装備のGグレードの2種類ですが、人気モデルはインチアップしたタイヤや専用ユーロチューンサスペンション、空力パーツが施されたツーリングセレクションだったので、HIDを装着した20プリウスが多く見られました。

このほか、20プリウスは前期モデルと後期モデルでヘッドライトのデザインが異なります。

後期モデルは、全体に青みがかったレンズに変わり、ヘッドライト内の上段と下段の仕切りのデザインが変わりました。

3代目ZVW30型プリウスヘッドライト

3代目が登場したのは、2009年5月でした。基本デザインは2代目を踏襲した5ドアハッチバック。特にフロントデザインを決めるヘッドライトが鋭くなり、特に高い人気を誇っています。

3代目では、ミニバンに対抗するかのように3列シートを備えたプリウスαも2014年に登場したほか、PHVと呼ばれる外部から電源をつないで充電ができるタイプも2017年に登場しました。

そして、特徴的なのはヘッドライトの光源でした。前期モデルはロービームがH11またはLED、ハイビームがHB3でしたが、後期モデルには、HID搭載車も追加されました。

※30前期ヘッドライト。クリアランスランプはヘッドライト上部にある。

※30後期LEDヘッドライト。クリアランスランプは、V字の形でLEDになっている。HIDはLEDクリアランスランプが下になる。

※後期モデルヘッドライト違い

このほか、後期モデルではクリアランスランプもLED化されたので、前期とクリアランスランプのデザインが大きく変わっています。

後期モデルの場合、LEDクリアランスランプはLEDヘッドライトだけでなくHIDヘッドライトにも装着されていますが、ハロゲンヘッドライトには白熱球のクリアランスランプです。

また、G’zグレードではHIDのみの設定、プリウスPHVはHIDとLED、そしてプリウスαはH11ハロゲンバルブ又はLEDが設定されています。

しかも2014年11月のマイナーチェンジ後プリウスαのLEDには、世界初となるBi-Beam(バイ・ビーム)と呼ばれる1灯式LEDが搭載され、ハイビームとロービームが切り替えられる優れものでした。

4代目ZVW50/51/55型プリウスヘッドライト

4代目となる現行プリウスは、2015年12月に登場します。プリウスαに搭載されていたBi-Beamヘッドライトが全車種に標準装備になりました。

Bi-Beamヘッドライトの凄い所は、LEDヘッドライトの光源にはハイビーム用とロービーム用の2種類が今まで必要でした。

それがBi-beamの登場で、ヘッドライト内を小型の1灯式が可能となったことにより、軽量化と小型化、省電力化が可能となりました。これにより、ヘッドライトのデザインの自由度が大きく変化しました。

Bi-Beamの特徴は、小型軽量で省電力化が可能となっただけでなく、従来より優れた高光束LEDチップを採用したことで視認性にも優れているのが特徴なので、小型1灯式であっても暗さは感じさせません。

4代目(50系)では、前期モデルと2018年12月のマイナーチェンジが行われた後期モデルでは、クルマのデザインが大幅に変更されヘッドライトもそれに伴いデザインが変更されました。

前期モデルに対して賛否両論あったことを覚えている方も多いでしょう。

前期モデルのヘッドライトは一部分が垂れ下がり、独特なデザインで歌舞伎の「くまどり」を連想させました。

そのデザインは物議を巻き起こし、3代目までの“誰からも受け入れられるデザイン”とは、かなりかけ離れていました。

その事がマイナーチェンジにより、すっきりとしたヘッドライトデザインに変更され、個性的ではなく万人受けされたことから、多くの方に受け入れられやすくなりました。

US仕様のプリウスヘッドライトとは

プリウスは、世界各国で販売されていますが、特にアメリカではセレブも愛用するほどの人気車種です。

日本国内でも、US仕様にしたプリウスの話を見聞きすることがあります。

確かに日本国内仕様と細部が異なるので、US仕様のプリウスは異彩を放ち人気があります。

そこで、ヘッドライトを国内仕様とUS仕様で比べると、2代目、3代目ではヘッドライトのサイドにオレンジ色のマーカーが組み込まれています。

これはアメリカの保安基準で、クルマを真横から見た時にオレンジ色に光る必要があるからです。

そのため、夜間ライトを点灯すると、ヘッドライトサイドのオレンジ色のマーカーが点灯するので、US仕様のヘッドライトにあこがれを持つユーザーも少なくありません。

プリウス人気は2代目から

内藤

初代から現行モデルまでの変化を見ると、プリウスらしく現行モデルは最新のLEDが採用されているんですね。

島田

そうだね、そういう意味では最先端を行くクルマだよね。

内藤

やっぱり、最先端のクルマなので、カスタムも大変だったのでしょうか。

島田

それが、初代は人気がなかったからカスタムする人がほとんどいなかったね。だからほとんど社外パーツは見当たらない。

内藤

ということは、知っているカスタムは2代目以降という事ですね。

島田

そうだね。2代目から爆発的に人気を高めたから多くのカスタムパーツが販売されているね。

プリウスのヘッドライト交換方法

内藤

プリウスのヘッドライトをカスタムする方法として、ヘッドライトの取りはずし方を教えてください。

島田

プリウスのヘッドライトバルブ交換は、ハロゲンタイプの20型と30型の一部車種だけだよね。

あとは、20型と30後期型ならHIDのバーナー交換かな。それじゃあ、交換できるハロゲンバルブとHIDのバーナー交換から解説するよ。

20プリウスのヘッドライトバルブ交換方法

20プリウスのヘッドライトバルブ交換は、取扱説明書にもディーラーで行うよう指示があり、難易度は意外に高い作業のように思われます。

たしかにディーラーに依頼すると、フロントバンパーを外してヘッドライトを脱着するので、手間がかかります。

SNSなどには、ボンネットを開けて、フロントバンパーを外さずに作業できる説明もありますが、非常に狭く作業が大変なので、時間と労力を考えると、バンパーを外した方が早くできます。

今回、ご紹介させていただく画像は、多くのSNSの中で非常にわかりやすく撮影されていたので活用させていただきました。

この画像をもとに交換することで誰でも簡単に作業に取り組めることでしょう。

手順1

フェンダーとヘッドライトに養生テープをはります。

ボンネットを開けて、ラジエーターアッパーサポート、オレンジ色の丸で囲ってある3個のクリップとボンネットクッションを外します。

ボンネットクッションは、プラスのネジなので、ドライバーで簡単に外れます。

手順2

バンパーの真下に9個の10mmボルトが止まっているので、全て取り外します。

手順3

タイヤハウス内のフェンダーライナーをフェンダーとバンパーのつなぎ目当たりでめくります。

そこに10mmのボルトでバンパーとフェンダーが止まっているので外します。

手順4

これでバンパーが外れますので、最初にフェンダーとバンパーを分離し、前に引き出します。

この時にフォグランプ装着車は配線の分離を忘れないようにしましょう。

手順5

ヘッドライトは、フロントフェンダー上部に1カ所、フェンダーサイドに1カ所、そしてラジエーターアッパーサポートに1カ所の計3カ所ボルトで止まっているので、すべて外します。

これで、ヘッドライトが外せますが、ヘッドライトバルブ、クリアランスランプ、そしてウィンカーのコネクターを外します。

手順6

ヘッドライトバルブカバ―を反時計回りに回し外します。ハロゲンバルブはゴムカバーですが、同じく反時計回りに回して外します。

手順7

H4ハロゲンバルブの止め金具を外し、バルブを取り出します。

取り付けは逆の手順で行います。

30プリウスのヘッドライトバルブ交換方法

30プリウスは、2009年5月から2011年10月までの前期と2011年11月から2015年11月までの後期でヘッドライトのラインナップ、エンジンルーム内の配置が異なるので、バルブ交換方法が異なります。

またロービームは、LED、HIDのほかハロゲンバルブも使用されています。(ハイビームはどの光源もハロゲンバルブを使用しています)

手順1(30プリウス前期のヘッドライトバルブ交換)

ボンネットを開けると、運転席側はエアクリーナーの吸入口が作業に影響するため、ずらします。最初に、ラジエーターリザーバータンクのホースステーを取り外すため10mmのボルトを1本取ります。

そして、ラジエーターリザーバータンクにつながるホースをずらし、その下にあるエアクリーナーに向かう吸入口を引き出します。

蛇腹ホースで柔らかいので簡単に引き上げられます。

手順2(30プリウス前期のヘッドライトバルブ交換)

ロービームは、ヘッドライトユニットの外側のバルブですが、LED装着車は交換不可です。

ヘッドライト裏をのぞき込むと、絵の左側のようにハロゲンバルブに接続されたコネクターが見えます。

最初に、反時計回りに回し、バルブをユニットから取り出します。

手順3(30プリウス前期のヘッドライトバルブ交換)

取り外したハロゲンバルブのコネクターのツメを押しながらコネクターを分離します。

取り付けは逆の手順です。

ハイビームは、LED装着車、ハロゲンバルブ装着車ともに交換できます。

手順1(30プリウス前期のハイビーム交換)

ハイビームの交換も、ロービームと同じように運転席側は吸気口をずらす作業からはじめます。

手順2(30プリウス前期のハイビーム交換)

ハイビームは、LED装着車とハロゲンバルブ装着車とでヘッドライトデザインが異なりますが、基本的にハイビームは一番内側の光源なのでヘッドライトユニットの一番内側のハロゲンバルブを外します。

ハロゲンバルブを反時計回りに回して肉取ります。

手順3(30プリウス前期のハイビーム交換)

取り出したハロゲンバルブは、コネクターのツメを押しながらコネクターを外します。

手順1(30プリウス後期のヘッドライトバルブ交換)

30プリウス後期にもロービームにハロゲンヘッドランプ装着車があるので、ロービームがハロゲンバルブなら交換が可能です。

ボンネットを開けて、ヘッドライトの裏にあるハロゲンバルブのソケットを反時計回りに回して取りはずします。

なお後期型では、前期型のように吸気口を外さなくても作業できますが、かなり狭く運転席側の作業性はよいとは言えません。

手順2(30プリウス後期のヘッドライトバルブ交換)

ハロゲンバルブを反時計回りに回し、ヘッドライトユニットから抜き取ります。

手順3(30プリウス後期のヘッドライトバルブ交換)

ハロゲンバルブのコネクターのツメを押しながら引き抜きます。

手順4(30プリウス後期のヘッドライトバルブ交換)

取り付けは逆の手順ですが、ハロゲンバルブの3カ所のツメを合わせて挿し込みます。回して固定した後、緩みがないかバルブソケットを軽くゆすり確認します。

ハイビームは、どのタイプのヘッドライト(LED、HID、ハロゲンバルブ)もハロゲンバルブを使用しているので、交換が可能です。

HIDとハロゲン装着車はヘッドライトデザインが同じですが、LED装着車だけデザインが異なります。ただし、どのタイプもヘッドライトの一番内側がハイビームです。

手順1(30プリウス後期:LED装着車の場合)

ヘッドライト裏をのぞき込み、ハイビームの場所にあるバルブソケットを反時計回りに回し引き抜きます。

手順2(30プリウス後期:LED装着車の場合)

コネクターのツメを押しながらバルブと分離します。

手順3(30プリウス後期:LED装着車の場合)

取り付けは逆の手順で組付けますが、バルブの3本のツメを合わせてユニットに挿し込みます。取り付け後にガタがないか確認して終了です。

内藤

30プリウスは、20プリウスよりヘッドライトの整備性が良くなったんですね。

島田

20プリウスがトヨタとしては珍しく作業性が悪かったといえるかな。

しかもヘッドライトバルブだけでなくクリアランスランプもバンパーを外さないと交換できなかったからね。

それを考えると30プリウスはトヨタらしい作業性の良さに戻ったのかもね。

内藤

そうなんですか?まさかウィンカーもバンパー外さないとだめだったとか?

島田

さすがにウィンカーランプはボンネットを開ければ交換できたけどね。

内藤

40プリウスは全く交換できないのでしょうか?

島田

40プリウスは、後期モデルになるとリアのウィンカー、バックランプ以外はLEDなんだよね。

だからフロントのライト類は全てLEDだから、基本交換する必要がなくなったんだ。

プリウスのヘッドライトカスタムの移り変わり

内藤

2代目からカスタムが活発化したということは、ヘッドライトも様々なカスタム方法があるのでしょうか。

島田

時代ごとに特徴はあるけど、現在のカスタムも通用するよね。その辺を踏まえて解説するよ。

2代目プリウスのハロゲン仕様車をHID化するのが主流

2代目プリウスが登場した2003年当時は、ヘッドライトカスタムといえば高効率ハロゲンバルブに交換するのが一般的で、ハロゲンバルブ採用車種では、HIDのような白い光に憧れ、HIDに近い色のバルブを装着することが流行りました。

その後、アフターパーツでHIDキットが販売されるようになると、ハロゲン仕様にHIDキットを装着する人が増え、中でも純正より白い6,000K(ケルビン)以上を取り付けるオーナーが増えました。

ハロゲン仕様車用のHIDキットが販売されると同じ時期に純正HID装着車用のアフターパーツも販売され、ケルビン数の高い製品に交換するカスタムが一般的でした。

多くのケルビン数が販売され、ショーカーでは、青白く発色するHIDが装着され話題を呼び、8,000Kなどのケルビン数の高いHIDを装着する人も見られました。

3代目プリウスのヘッドライトカスタムは多種多様

多くの人にハイブリッドの存在を身近に感じさせたのが3代目プリウスです。同時にカスタムパーツが豊富にあり、多彩なカスタムが見受けられました。

3代目プリウスには、グレードによりハロゲン、HID、そしてLEDヘッドライトの3種類が用意されていますが、LEDヘッドライトはバルブ交換することが不可能な構造のため、ハロゲン仕様・HID仕様のみカスタムが可能となります。

3代目が登場した2009年当時は、交換用LEDバルブは少なく、ハロゲン仕様のプリウスにはHIDキットを装着するのが定番でした。。

その後、LEDバルブがアフターパーツとして販売されるようになると、HIDキットを外してLEDバルブに交換する人も見られましたが、製品としてはまだまだ未熟で、特に明るさではHIDキットに遠く及びませんでした。

そして、今でも人気がある3代目プリウスですが、純正LEDタイプも含めて明るさを求めるカスタムから、ヘッドライトを魅せるカスタムに変わっています。

見せるカスタムには、インナーの色を変えたり、内部にイカリングを施したカスタムヘッドランプユニットなどのほか、最近では3眼ヘッドライトにカスタムしたヘッドライトユニットも販売されています。

4代目プリウスのヘッドライトカスタムは見せるカスタムへ

4代目となる50系プリウスは、全グレードLEDヘッドライトになったため、明るさを求めるカスタムは基本的に出来ません。そのため、ヘッドライトカスタムは3代目と同様見せるカスタムが主流となっています。

多くのカスタムショップやパーツメーカーから、ヘッドライト内部にLEDテープなどで装飾した4代目プリウス用のカスタムヘッドライトユニットが販売され人気となっています。

また、ひそかに人気を集めているのは、US仕様のLEDヘッドライトユニットです。

国内仕様との違いは、サイドマーカーランプが光るなど極わずかですが、より個性を出したいプリウスユーザーがこの違いを求めてUS仕様のユニットを装着しています。

しかし、US仕様のヘッドライトは右側通行用に作られているので、光軸の問題がある事も理解しておく必要があるでしょう。

内藤

さすがに最新のヘッドライトカスタムは華やかなんですね。

島田

明るさを求めるカスタムから、個性を出すための見せるカスタムに変わってきたんだね。当然、このカスタムは歴代プリウスにも出来るから見せるカスタムは現行モデルだけのものではないという事だね。

ヘッドライトカスタム事例

内藤

ヘッドライトのカスタム事例をぜひ教えて頂きたいのですが。

島田

現在流行の明るくする手法と、色が何色ならよいかを交えながら解説するよ。

明るくするカスタム

かつてLEDヘッドライトは、HIDには明るさでとてもかないませんでした。しかし、技術の進歩で純正HIDと比較すると社外LEDのほうが明るい製品が多くなりました。

プリウスヘッドライトカスタム_ハイスペックモデル

日本ライティングからも多くのLEDバルブがラインナップにあり、ハイスペックモデルならH4モデルで5,000/7,000ルーメン、HB3やHB4で6,400ルーメンと非常に明るくなっています。

内藤

これだけ明るければいいですね。

島田

HIDからの交換は、かなり高度な技術がいるからね。だからLED化はハロゲンバルブ装着車に限定した方がいいかな。

ただし、HIDからLEDに直接変えられるキットも探せばあるよ。

ヘッドライトの色のカスタム

ヘッドライトの色は、LEDバルブでも様々な種類があるので個性が出せます。

この画像のプリウスのようにHIDならではのケルビン数を上げて、他にはない独創的なヘッドライトカスタムを楽しむのも素敵ですね。

多くのヘッドライトカスタムは、LEDバルブに目が行きがちですが、少し取り付けに手間はかかりますがHIDでカスタムすれば、今も新鮮でLEDには再現できないカラーを楽しめるのが特徴でしょう。

イカリングなどヘッドライト内にカスタム

クルマの顔を決めるヘッドライトカスタムで、一番個性が出せるのがイカリングなど加飾を行ったカスタムでしょう。

画像のプリウスは、3連イカリングで加飾されているので、かなりイメージが変わりとてもかっこいいですね。しかも色合いがとても素敵です。

色、デザイン共にオーナーのセンスの高さが伺えるプリウスだと思います。

様々なショップでオリジナルあふれるイカリングのヘッドライトが販売されているので、それを取り付けてもよいでしょうし、自分でショップに持ち込み殻割してオリジナルにカスタムするのもよいでしょう。

専門店に頼めば、インナーを個性豊かな色に塗装してもらうことも可能です。

この画像のプリウスも、殻割してインナーを取り出し、それを塗装してから再度組み上げるという、とても手間暇かけたカスタムです。

オンリーワンのデザインでとてもかっこいいですね。

しかも、ラメブラックを使用してイカリングを装着するというオリジナリティーが溢れていてとても素敵です。

ヘッドライトカスタムで注意すること

内藤

ヘッドライトカスタムで注意する点はなんでしょう。

島田

新しくなるほど、カスタムは難しいからね。その辺を踏まえて昔からある事例と一緒に解説するよ。

ヘッドライトをカスタムするとコンピューターが誤作動する

最近のクルマでは、ヘッドライトにコンピューターによる制御技術が使われています。

そのため、昔のクルマのようにリレーハーネスとスイッチがあればOKではなくなりました。

主にプリウスでは、ハロゲン、HID、そしてLEDの3種類の光源が使用され、30プリウス後期では全ての光源が用意されています。

HIDからLED化したり、その逆などのカスタムをすると、コンピューターを交換しないと球切れインジケーターが点灯します。

コンピューターにも様々な種類があり、クルマのオプションでサンルーフの有無や、純正HDDナビの有無でも変わってくるので、コンピューターを選ぶ際は詳しいショップなどで相談しましょう。

ヘッドライト交換後は光軸調整しよう

光軸は、ヘッドライトバルブを交換するだけでもズレてしまいますので、LEDに交換した場合でも、光軸調整を適切に行ってください。

とくに、ヘッドライトユニットを取り外した場合、取り付けネジのクリアランス量によって光軸もズレてしまうので、ヘッドライト脱着の際は、光軸調整を適正に行う必要があります。

LEDはハロゲンに比べ発熱しないので大雪に注意

明るいLEDヘッドライトも、ハロゲンなどと比べ発熱量は少ないので雪が降るとマイナスな面が露呈します。

特に夜間走行中に大雪に見舞われると、LEDヘッドライトでは雪が積もり、視界を奪われる可能性があります。

そこで、光の照らし方が暗くなったと感じたらヘッドライトの雪を落とすようにして、雪により光源を遮られないよう注意して運行しましょう。

ヘッドライトの手入れ方法

内藤

ヘッドライトは、古くなると黄ばんだり、曇りが発生する場合がありますが、対処方法として、磨きや吸気口を塞ぐなどのやり方がありますよね。

島田

まあ、どっちもあまり正解じゃない。

内藤

え?そうなんですか。

島田

それじゃあ、ヘッドライトの正しいメンテナンスを解説するよ。

ヘッドライトレンズの黄ばみは磨きとコーティングをセットで

ヘッドライトは、ポリカボネートと呼ばれる樹脂レンズでできています。ポリカボネートはガラスより耐衝撃性が高いですが、紫外線による劣化が問題となっています。

ヘッドライトに使用する場合は紫外線の影響が出ないようにコーティングしています。

長期間使用するとコーティングが剥がれ、そこから黄ばみが始まります。

一般的な対策方法として、超微粒子のコンパウンドなどで磨く方法があります。

もちろん、ヘッドライト磨き専用品も売られているので、それを使用しても良いでしょう。

ただし、磨いた状態でヘッドライトを使用すると再度、黄ばみが発生するため、磨き後はヘッドライト専用コーティングの施工をお勧めします。

注意

クリア塗装する方もおられます。ヘッドライトレンズへのクリア塗装は、表面を研磨してからシリコンオフで脱脂して塗装しますが、どうしても研磨と脱脂作業で静電気が帯電します。 
 
そのため、空気中のチリや埃がレンズに吸い寄せられ、クリア塗装時に付着します。 
 
クリア塗装するのであれば、静電気を除去する作業や専用ブースがないとレンズ塗装後の見映えが悪くなるでしょう。 

レンズ内の曇りや水漏れ対処法

ヘッドライトユニット内の曇り、水の混入がある場合は、ヘッドライトのつなぎ目からの水の侵入が考えられます。

対策方法として、最初に行うのはヘッドライト内部の乾燥です。

ドライヤーなどを使い乾燥させます(時間があれば、天日干しでも良いでしょう)そして、ドライヤーで乾燥させたのち、外気温度と同じになるまで冷えてからバルブを組付けます。

この時にハロゲンバルブなどに取り付けられているゴムパッキンに捻じれや劣化がないか確認しましょう。

また、ユニットの吸気口にゴミの詰まりがないかも確認します。吸気口は、外気とユニット内の温度変化が起きないように設けられています。

もし詰まると、温度変化が起きて結露する原因となりますから、吸気口を塞がないようにしましょう。

パッキンや吸気口に問題がない場合、ユニットのコーキングが割れている可能性があります。

そこで、シリコーンシーラントを使い、ヘッドライトユニットの繋ぎ目をシーリングします。

シーリング剤は、ホームセンターに売っているシリコーンシーラントでは、乾燥後に痩せてしまい、効果を十分に発揮できない恐れがあるので、自動車用の変成シリコーンシーラントを購入することをお勧めします。

内藤

今回も色々とありがとうございました。

まとめ

プリウスには、20世紀末に次世代カーとして登場したイメージがわたし達には強くあります。

最新技術であったハイブリッドやLEDヘッドライトが今や当たり前となり、かつて多くのユーザーを駆り立てた「明るさ」への欲求が、純正ヘッドライトによって充分に満たされた今、ユーザーを駆り立てているのは「美しさ」への欲求です。

けれども、一度は満たされたはずの「明るさ」への欲求はいずれ再燃し、純正LEDヘッドライトを明るくしたいという声が挙がるでしょう。

その時、私達メーカーはその声にお応えできるように開発を進めていかなくてはいけません。

プリウスヘッドライトカスタム_ハイスペックモデル

   
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