こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。
旧車のヘッドライトは提灯のような明かりで、夜間走行は最近のクルマに比べて目が大変疲れます。また昼間でもトンネルを走行すると、旧車のライトでは暗くて見えにくいものです。
これは、国産車の旧車に限ったことではなく、古い輸入車にも当てはまります。そこで、メルセデスベンツ280SLを例にヘッドライトを明るくする方法をご紹介します。
目次
内藤
島田
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島田
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まずはその辺から解説しよう。
ベンツ280SLは、1970年からヘッドライトの種類が大きく分けて2種類、そして細かく分けると4種類のヘッドライトの形があります。北米ではシールドビームを、そのほかの地域では、ハロゲンバルブをオプションで採用していました。
北米を除く地域において、オプションで選ぶことができたのが、ボッシュのハロゲンバルブを使用したヨーロピアンスタイルと呼ばれるヘッドライトです。縦長の1枚のレンズが特徴で、ポジションランプがヘッドライトのリフレクター内に装着されています。
ACスタイルのヘッドライトは、シールドビームを採用しており、ヘッドライトユニットにはスモールランプ、フォグランプ、ウィンカーランプがライト下半分に取り付けられています。上には、シールドビームが取り付けられるようになっています。
北米仕様のシールドビームには、もう2種類のヘッドライトユニットが存在します。それは、AJスタイルとANスタイルです。基本的な形状はACスタイルと同じですが、ウィンカーランプのオレンジ色の大きさが異なるのが大きな違いです。
ヘッドライトの種類の見分け方は、ヘッドライトのシールドビームの向かって左下のユニットのレンズを見ると、そこにどのタイプのヘッドライトなのか刻印があります。
内藤
島田
ヘッドライトの種類は、大きく分けてハロゲンバルブのヨーロピアン仕様と、シールドビームの北米仕様に分かれます。ヘッドライトを明るくするには、当然ヘッドライトバルブを明るい商品と交換すればよいわけですが、ヨーロピアンモデルは、H4Eと呼ばれる特殊なハロゲンバルブが装着されています。
昔の欧州車と国産車ではヒューズの形やシガーソケットの形などが異なりました。その一つとしてヘッドライトバルブの規格も異なり、日本国内でH4Eを探すのは困難を極めます。
例えば、今回のベンツ280SLだけではなく、ルノー4、シトロエン2CV、フォルクスワーゲンゴルフ1などの古い欧州車にH4Eが使用されています。しかも電球は通常のH4と違い丸いランプの形が特徴で、ユニット内もその形に合わせた奥行きとなっています。
そこで、最近ではH4E→H4変換アダプターが販売されていますが、古い丸いH4Eを使用しているベンツ280SLなどでは、この変換アダプターだけでは遮光カバーに当たってしまうでしょう。この遮光カバーに当たらないようにするには、専用の変換アダプター―も販売されているので、そういった商品を使用するのも一つの方法です。
シールドビームを使用している北米仕様のヘッドライトは、シールドビームを電球交換式ヘッドライトユニットに変更すれば、シールドビームより明るいハロゲンバルブに交換することができます。
また、ハロゲンバルブからLEDバルブを使用することも比較的簡単にできます。
内藤
島田
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だから長い間ヘッドライトを外していないと、かなり状態が悪いことが多いね。この他にも注意点があるからその辺を解説するよ。
ベンツ280SLのヘッドライトを外すには、最初にヘッドライトリングを外さなければ先に進めません。しかし、このヘッドライトリングを止めているネジは長さがそれぞれ異なります。それを知らずに外してしまうと、後で組み立てるときにネジの長さが合わずに苦労することになります。
そこで、ネジの位置を間違えないようにするには、段ボールを使用します。段ボールの切れ端を左右のライトに1枚ずつ用意し、そこにライトの輪郭を描きます。そして外したネジを段ボールに描いた場所に刺します。こうすることで、後でライトリングを取り付けるときに、ネジがどこのネジかわかるようになります。
そして、ライトを長期間外していなかったクルマの場合、ヘッドライトを固定するアングルブラケットがさび付いてボルトを外すことができない場合があります。
アングルブラケットはヘッドライトの下についていますが、ネジがサビて痩せて折れる危険が非常に高い為、リングを外してアングルブラケットの腐食がひどい場合は、新しいアングルブラケットとボルトを用意しておく必要があります。
古いクルマは、国産車、輸入車問わず配線の劣化が心配されます。当然、ベンツ280SLもすでに半世紀以上の年月が経っていますから、オリジナルの配線では劣化が激しくなっているでしょう。
レストア済のベンツ280SLだから問題ないと思っている人もいるでしょうが、レストアの方法次第では何とも言えません。レストアの方法も千差万別であり、配線まで引き直してあるかはわかりません。そこで、ヘッドライトを外した時に、純正配線を見て新しい配線が引き直してあるか確認しましょう。
もし、古い配線のままであったら、新しく引き直すことを考えたほうが良いでしょう。
また、シールドビームからハロゲンバルブに交換する場合もそうですが、ベンツ280SLのように古いクルマには、ヘッドライトリレーを組み込むだけでもライトが明るくなるので、LEDまで装着したくないという方は、一度試してみるとよいでしょう。
内藤
島田
LEDバルブを装着する時に、最も懸念される問題が後方のスペースです。どうしてもLEDバルブは、お尻の部分に冷却ファンやヒートシンクが取り付けられるため、ハロゲンバルブよりお尻がでかくなります。ベンツ280SLのヘッドライト後方は、意外とスペースがあるので、よほど大きなお尻を持つLEDバルブでない限り、ヘッドライトユニットが収まらないといったトラブルは起きにくいと考えられます。
しかし、LEDバルブとドライバーユニットが別体となっているモデルは、少し工夫が必要となります。
ベンツ280SLのヘッドライトコアサポートは、おわん型をしており、尚且つドライバーユニットを通す穴も開いていません。そこで、曲面となっているコアサポートに取り付ける必要があります。
取付けには、強力な両面テープを使用して貼り付ける方法が一般的です。その場合は、自動車外装用の強力タイプを選びましょう。貼り付けるには、シリコンオフでの脱脂を入念に行い、曲面がドライバーユニットと平となるように、両面テープを何枚も重ねて貼る方法が簡単です。
両面テープは、貼って直ぐに最大強度を発揮できませんから、最低でも24時間は水濡れに注意し、走行して振動などを与えないようにすることです。
そして、最も確実な方法は、コアサポートに穴を開けてタイラップで締めて止める方法です。これなら、外れることはありません。
LED化することで、現代のクルマでも球切れ警告灯などの点灯という不具合が起きますが、旧車のベンツ280SLでもハイビームインジケーターが点灯し続けるという不具合が発生することがあります。
一般的に、ハイビームにしてもインジケーターが点灯しない不具合は良く報告されますが、そこは旧車の欧州車なので、一味違った不具合が起きます。
しかし、慌てる必要はなく一般に売られているワーニングキャンセラーで回避することが可能です。このハイビームインジケーターが消灯しない症状は、古いクルマや古いバイクの一部に球切れ警告灯として採用されていました。
LEDより、ヘッドライトを明るくする方法のほかに、HIDキットを取り付ける方法もあります。HIDキットは、バラストを取り付ける必要があるほか、多くの配線をしなければなりません。ベンツ280SLにHIDキットを取り付けることは不可能ではなく、実際にアメリカでは取り付けている車両を見ることができます。
しかし、スペースが限られているので、取り付けにはかなり大掛かりな改造を車両側に行う必要があるので、DIYで手軽にとはいきませんが、知識と道具さえあれば不可能ではありません。
内藤
島田
旧車は本来の姿が一番と考え、現代のテクノロジーを使ってカスタムすることを嫌う人が多くいます。確かに、オリジナルの状態を維持させることは、旧車乗りにとっては大切な思いであることに違いありません。
しかし、暗闇での視界の確保は、安全運転に直結する大切なことです。旧車の味のあるライトの光も良いですが、安全に配慮した最新の灯りを手に入れて楽しむことが大切でしょう。
最新のLEDには、光の色もハロゲン色を再現したモデルもあります。見やすい明るさを手に入れて、旧車の趣を感じさせることができますから、LEDバルブの装着を試してみましょう。