中国製LEDバルブ_発光点

バイク用の格安LEDバルブ3面発光タイプの性能はどう?

こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。
 ※日本製LEDヘッドライトの特徴についてはこちらをご覧ください。

バイクのヘッドライトをハロゲンバルブからLEDバルブに交換して、本当に明るくなるのか、そして照射範囲はどうなるのか気になる方も多いと思います。現在、Amazonなどで中国製の安価なLEDバルブも市場には多く販売されており、その性能が気になるところでしょう。

そこで、安価なLEDバルブをバイクに装着し、どの程度ハロゲンバルブと違いがあるか比較してみました。

中国製の安価LEDの性能は

内藤

前回の記事で林君のバイクにLEDバルブを取り付けて頂きましたが、実際に性能はどうなのか気になるので、夜まで待って明るさを比較しようと思います。

そこで、先輩も付き合ってもらえますか?

島田

それは興味深いね。安い中国製のLEDバルブ、しかも3面発光だからね。どれだけの性能なのか気になるから付き合うよ。

内藤

ありがとうございます。

パッケージにある性能表記

島田

ちなみに、林君の購入したLEDバルブの性能表記はなんて書いてあるのか見せてよ。

中国製LEDバルブ

このパッケージを見ると、40Wで4000ルーメンとあります。しかも直流と交流の両方で使えるように書いてありますから、この表示が本当なら交流電源のバイクにも使えるので使い勝手は良さそうです。

ワット数は、LEDチップの消費電力なのかそれともファンの消費電力も加算した数値なのかわかりませんが、いずれにしても40Wなのでかなりの熱量であることがわかります。

そして肝心の明るさ表示として4,000ルーメンなので、LEDバルブ単体としては明るい部類に入っているところでしょう。

しかし、HiとLoでのルーメン値の違いが記載されておらず、この4,000ルーメンがどちらの値なのかは知ることはできません。

内藤

4,000ルーメンだから、かなり明るいですね。

島田

さて、それはどうかな。ルーメンはバルブ単体から発せられる全光束の値だから、灯具に納めたときにどれだけこの光が照射されるかが問題だね。

内藤

それじゃあ、ルーメン数だけ見て購入しても明るくならないという事ですか?

島田

そうとは言っていないけど、ルーメンの数値だけではライダーが見やすいように光を照射するとは限らないという事。まあ、順を追って説明していくよ。

安いLEDバルブにもファン付がある

内藤

あとは、安価なLEDで気が付いたところはありませんか?

島田

ファン付でアルミボディ、そしてドライバーユニットも別体となっていることだね。安いとファンもついてないし、本体も樹脂製が多いから。

中国製LEDバルブ

このLEDバルブは40Wの消費電力と記載されているので、当然ファンがなければ熱を排出できないという事でしょう。ただし、ファン付とはいえ、格安である以上、耐久性が非常に気になるところです。

ファン付の音はかなり静か

内藤

なるほど、格安といわれるLEDバルブのファン付で、しかもアルミボディはなかなか珍しいといったところですね。

島田

そして、ファンの音がかなり静かなのにびっくりさせられる。まあ、バイクだからファンの音はそんなに気にならないけどね。

エンジンをかけずにライト点灯でもファンの音はほとんど聞こえません。心配でファンが回っているか確認しましたが、問題なく回っています。この音をビデオカメラのマイクで拾うことは困難なほどでしたので、残念ながら動画は用意できませんでした。

実際にどのくらい明るいのか

内藤

そろそろ周りも暗くなってきたので、どのくらい明るくなったか見てみましょうよ。

島田

そうだね。まずは林君に明るくなったか感想も聞いてみたい。

Loビームでの点灯ですが、正面から見ると直視できないほどの明るさを手に入れることができました。これだけ眩しければ、自分の存在を知らせるというより対向車は眩しいと感じるかもしれません。

バイクのオーナー

バイクのオーナー林君

本当に正面から見ると明るいですね。これなら夜の走行も期待できそうです。

内藤

良かったね明るくなって。あとは走って明るく感じるかどうかだね。

格安LEDバルブは意外に明るい

内藤

でも、これだけ明るければ、ライダーも夜の道を見やすいと思いますがどうなんでしょう。

島田

そうだね、意外に明るいかもしれない。でも実際に照らすとどうなのか気になるよね。

今回取り付けた格安LEDバルブは、4,000ルーメンの全光束ですが、実際にヘッドライトユニットに入れたときにどの程度の照射が変わるのか気になります。

そこでLEDに交換したバイクを、HiビームとLoビームを切り替えて明るさがどれほどなのか確認してみました。

狭い場所でライトを照射した時に、これだけ明るければ周りが良く見えていい感じです。

Hiビームにすると、ロービームの上に光が照射されるのがわかりますが、果たしてこれが広い道路で効果があるのか疑問が残ります。また、Hiビームにしてもそれほど全体が明るくならないのもきになりますが、この後広い道路で検証してみます。

内藤

以外に明るくてびっくりしました。もっと照射幅も狭くそれほど周りを照らさないのではと思いました。

島田

そうだね。でも、これは狭い場所だからね。身近な簡単な実験として、懐中電灯を筒の中で点灯させると周りは明るくなるだろ。今はこれと同じといえるかな。あとは本当に広い道路で使えるかだ。

ハロゲンバルブとの比較

内藤

なるほど、狭い場所では照射範囲はあまりよくわからないという事ですね。でも明るさは十分だと思いました。

島田

まあ、狭い場所だから明るく感じるだけだと思うよ。

内藤

えーそれ本当ですか?

島田

ハロゲンバルブとLEDバルブでどの程度違うのか比べてみればいいよ。

今回のバイクの純正ヘッドライトは、マルチリフレクターなので、ハロゲンバルブが発する光を、効率よく地面に照射できるよう設計されています。そこで、このマルチリフレクターが、LEDバルブに交換したことで、設計通りの照射が行えるか実験をしてみます。

明るさと照射範囲の比較

夜間走行する時に重要なのは、周りを明るく照らすだけでなく、遠くも明るく照らさなければ暗く感じてしまう事でしょう。特に今回のバイクのように1灯式がバイクには多いので、この1灯式でも広く照射できるよう純正のリフレクターは考えられて設計されています。

このリフレクターが、LEDバルブに交換したことでどのような変化がみられるか見てみます。

動画の最初がハロゲンバルブで、後半がLEDバルブのライトです。どちらもLoビームとHiビームを切り替えています。

大きな違いは、LEDバルブでは、Loビームでもかなり遠くを最初から照らしているという点です。そして、照射範囲ではハロゲンバルブでHiビームに切り替えると手前の部分を広く照らすのに対し、LEDバルブは、それほど手前を広く照らしません。

LEDバルブは、前方の一点を明るくすることは出来ましたが、照射範囲を比べるとハロゲンのほうが優れています。

次にわかりやすいように写真で比べてみます。

中国製LEDバルブ
※左がLED。右がハロゲンバルブ。

まずは、ロービームの比較写真です。左がLEDバルブで右がハロゲンバルブになりますが、照射する範囲が全く異なるのを見てわかると思います。

LEDバルブの照射範囲は、前方に楕円形のように照射しており、遠くのクルマを照らしています。これではLoビームでは対向車が眩しく感じてしまう事でしょう。

それに比べて、ハロゲンバルブは円に近い範囲で前方を照らしており、遠くには光が飛んでいません。この比較をするにあたり、光軸には一切手を加えていませんから、この時点でLEDバルブに交換すると光軸調整が必要であることがわかります。

次にハイビームの画像比較です。

中国製LEDバルブ
※左がLED。右がハロゲンバルブ。

左がLEDバルブで右がハロゲンバルブになります。このLEDバルブは、3面発光タイプで、Hiビームでも全てのチップが点灯するので、HiビームでもLoビームが点灯しているため、Loビームの照射位置も照らしたままです。

ハロゲンバルブとLEDバルブの大きな違いは、Hiビームにすると遠くを照射するのがハロゲンバルブでは明確にわかりますが、LEDでは遠くをLoビームの時点で照らしているのでそれほど違いが判りません。

しいて言えば、LEDバルブは左の遠くにある家の壁をHiビームにすると少し照らしているのがわかるぐらいでしょう。

そして、運転していて最も大きな違いは、手前の照射範囲です。ハロゲンバルブは、V字型に広がるように全体を均一に照射しているのがわかります。しかし、LEDバルブは同じようにV字に照射しますが、右の部分が左より若干暗く感じます。

このように、格安LEDバルブを取り付けたら、明るさはありますが照射範囲はかなり異なることがわかりました。この照射範囲が狙った場所を照らさなければ、夜の走行はかなり疲れることになるでしょう。

内藤

路地裏でテストをしたらかなり明るかったのに、広い道路に来たら驚くような明るさは得られませんね。

島田

そうだね。これはLED自体がどれほど明るくても、灯具に入れたときに設計通りにリフレクターが反射できなければ思ったような明るさは得られないという事だね。

ちなみに、この照射範囲がどれだけ対向車を幻惑するのか、今度はライトを撮影して比較してみました。

最初がハロゲンバルブを正面から見た動画です。Loビームはそれほど眩しくありませんがHiビームにすれば当然眩しくなるのがわかります。しかし、LEDバルブはLoビームでもかなり対向車は眩しいと感じる光を放っていることがわかります。

そしてHiビームにすると、その明るさはかなり強烈になることが見て取れます。

このことから、LEDバルブに交換すると、照射する位置を光軸調整しなければ、対向車に迷惑となることがわかりました。

内藤

実際に、道路で照射したので、照射範囲や明るさの違いは判りました。結果として、ルーメン値が大きくても実際に運転するには灯具との相性が大切ですね。

島田

そうだね。林君には悪いけど、LEDバルブを選ぶときには値段で選んじゃだめだね。確かに、この商品は冷却ファンやボディがアルミ製で放熱対策を取っているけど、LEDチップの位置が悪い。

中国製LEDバルブ_発光点

写真のように、発光点をそれぞれ比べると、ハロゲンバルブとLEDバルブとでは発光点が違う位置にあることがわかります。これでは、マルチリフレクターに光を効率よく反射させることができないので、今回のテストのような照射範囲の違いが起きるといえます。

内藤

LEDバルブを購入する時には、発光点がハロゲンと同じ位置にあることはかなり重要ということがわかりました。

島田

それと、LEDバルブに交換したら、光軸調整も忘れずにね。

内藤

今回の実験は非常に勉強になりました。ありがとうございました。

まとめ

LEDバルブは、多くの商品が市場に溢れかえっています。特にネット通販では安い海外製も購入できるので、実店舗で選ぶより多くの商品から選ぶことができます。

LEDバルブを選ぶときに重要なことは、値段が安い商品やルーメンが大きい商品を選ぶのではなく、灯具に取り付けたときに照射範囲がハロゲンと同じようになることが重要です。そのためには、発光点が同じ位置にある商品を選ぶことが大事です。

   
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