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H4バルブ比較

【新入社員が調べてみた】H4 LEDバルブでカットラインが出ている商品と出ていない商品の違い

最近、よく見かけるH4タイプのLEDバルブは、「ハロゲン球のフィラメント位置を再現」という謳い文句で売られていますが、本当にハロゲンバルブ並みにカットラインが出ているのでしょうか。

疑問になりませんか。

一見すると、確かにハロゲンバルブのフィラメントと同じ位置に設置されています。考えると気になりだし、いても立ってもいられなくなったので、調べてみました。

こんにちは。
日本製LEDヘッドライトの日本ライティング内藤です。

なぜ同じようなチップ配列なのにバルブの違いによりヘッドライトの配光が悪く暗かったり、対向車にはとても眩しかったりするのでしょうか。今回は実際にAmazonで人気のLEDバルブを用いてどのような違いがあるのかを検証します。

前方は暗いのに対向車には眩しい!?

内藤

鈴木に相談があるんだけど、、

整備士の鈴木

またヘッドライトの実験か?

内藤

そう!実はヘッドライトがすごく眩しい対向車を見ることがあるんだ、、車高が下がっていたりカスタムしている感じの車が多くて、でもライトがめちゃくちゃ眩しい。ハイビームなのか?っていうくらい。

整備士の鈴木

確かに。時々すれ違うよね。なんでこんなに眩しいんだろうっていう車。整備士から見ると光軸が出ていないから整備不良を疑うね。それで何の実験をするんだ?

内藤

あくまでも予想なんだけれど、精度の低いLEDバルブに交換しているんじゃないかと思う。2,000円台とかの安価品とかね。

以前に明るさ検証の実験をしたときも、光軸というか配光がおかしかった気がするから、そこをしっかり検証したいんだ。

整備士の鈴木

なるほど。実験は大変そうだけど、俺も気になるから検証してみよう!

まずはハロゲンバルブ(H4タイプ)の構造をチェック

ハロゲンバルブ

まずは今回検証する一般的なハロゲンバルブ(H4タイプ)の構造を解説します。

なぜLEDバルブには問題のある製品があるのか、基本のハロゲンバルブの構造を知ることが重要な鍵となります。ハロゲンバルブというのは、一般家庭などでも使われている白熱電球の一種で、電球の中に微量のハロゲンガス(ヨウ素や臭素など)を封入したものです。

そもそも白熱電球というのは、タングステンなどの金属でできた細いフィラメントに電流を流すことで発光します。この時に、電球の中に不活性ガスと呼ばれる窒素やアルゴンを封入することで、フィラメントが燃えて無くなってしまうことを防止しています。

バルブが割れると点灯しなくなる理由はこのためで、一瞬点灯することが出来ても、すぐに空気中の酸素と反応して燃焼してしまい溶断するため点灯しなくなります。

ハロゲンバルブは不活性ガスに加えて、ハロゲンガスを封入することで寿命を延ばしより明るく改良されたバルブです。

自動車用のヘッドライトバルブにはたくさんの種類がありますが、その中でも「H4タイプ」と呼ばれるものは、いわゆるロービームとハイビームが一体型となった特殊なバルブです。

灯具の構造がシンプルになり、コストも安いことなどから、軽自動車やバン、トラックなどを中心に現在でも標準的に採用されているバルブ型式です。

H4バルブには3つの電極があり、ロービーム用の+端子、ハイビーム用の+端子、アース(-)端子の3つになります。

ハロゲンバルブ2

ハロゲンバルブのフィラメントにはプラスやマイナスの極性が無いため、車両側の配線によりプラスとマイナスが逆となっている場合があります。(マイナスコントロール車)

ヘッドライトの構造やカットラインが生まれる仕組みは?

リフレクターの仕組み

H4タイプのバルブはひとつでハイビームとロービーム両方に対応しています。

それではなぜH4バルブは2つの発光パターンを可能としているのでしょうか。

H4バルブには発光するフィラメントが一つのバルブに2つ入っています。そしてロービーム側のフィラメント下側には金属製のシェードが取付られており、バルブの下方向には光が拡散しないような構造になっています。

一方でハイビーム側にはシェードがなく、上下左右に光が拡散するような設計になっています。

ヘッドライトには内部にリフレクターと呼ばれる反射板があり、これに反射した光が車両前方へ照射されます。ハイビームの場合には上下左右に拡散した光により照射しますが、ロービームの場合にはシェードによりリフレクターの下半分への光がカットされます。

これにより、前方の上方へと拡散する光を遮蔽し、リフレクター上方の光が下方へ反射することで路面を照射します。そして照射面とシェードによる遮蔽面の境界線が、カットラインとして現れます。

このカットラインの正確性こそが、配光特性における良いバルブと悪いバルブを見分ける基準のひとつとなります。

カットラインが不正確な場合には対向車にとって眩しい場合があり、また自車にとっても前方の路面が暗いといった問題を生じる原因となります。

配光

日本国内は原則として左側通行であり、ロービームの際のカットラインは左上がりのものとなっています。路肩の歩行者や標識などは見やすく、対向車側は光をカットすることで眩惑を抑える設計です。

対向車のヘッドライトが眩しいというトラブルは、ハイビームによる走行の可能性も考えられますが、光軸の調整が不適切な状態であったり、バルブそのものが必要な設計精度を満たしておらず適正な配光を実現していない可能性があります。

各バルブの特徴を確認。違いは?

今回検証する各バルブの特徴をまとめてみました。

・ハロゲンバルブ

ハロゲンバルブ

一般に広く流通している国内メーカー製のH4タイプのハロゲンバルブです。構造もシンプルで、ロービーム用のフィラメントとハイビーム用のフィラメントが2つガラス管の中に封入されています。ロービーム用にはバルブ下側にシェードがあり、上方への光の照射を遮蔽しています。

白熱電球らしい黄色っぽい光で、明るさも近年のHIDやLEDなどと比べるとあまり明るくありません。

・国産LEDファン付き(日本ライティング製/ファン付き)

日本ライティング

アルミで削り出された本体に、LEDチップと樹脂製のシェードが取付られた基盤が装着されています。ハイビーム用のLEDチップは球体の様なドーム形状で、ロービーム用のシェードは樹脂製の別体部品となっています。

・中国製A(ドライバユニット一体型ファンレス)

amazon_LEDヘッドライト

大きく分けて3ピース構成となっていて、塗装された金属部品の本体部に鋳造で成形してメッキされたシェードパーツがビス止めされ、LED基盤がさらに取付られるという構造です。

・中国製B(ドライバユニット別体型ファン付き)

鈴木が購入したB社のファン付きLEDヘッドライト

非常にシンプルな構造で、金属製の本体はアルミを鋳造したものを、シェード周辺部のみ切削加工にて成形した様子です。そこにLED基盤が取付られており、シェードはロービーム側のLEDチップを十分に覆い隠す構造にはなっていません。

・中国製C(高出力型45W/ドライバユニット別体型ファン付き)

金属部品の本体がシェードと一体型で形成され、半丸の棒材を削り出したような形状となっています。そこにLED基盤が挟み込まれている構造でハイ・ロー共に片側6チップ(両面で12チップ)もLEDを使用しています。

実際の車のヘッドライトに各バルブを装着して実験!

内藤

いよいよ実験だな!今回は先輩にもレポートを提出したいから、測定条件をきっちり揃えて実験したい!

整備士の鈴木

確かにヘッドライトの性能を比較する上で条件の違いがあったらダメだからね。

内藤

メインはヘッドライトの照射状態の比較だから、カメラで撮影してついでに定点での照度測定も簡易的に行おうと思う。

整備士の鈴木

今回はかなりシビアな実験だけど、内藤の会社の製品の実力が試されるな!

内藤

どんな結果になるか不安だけど、激安製品の実態をしっかりと把握して真実を知りたい。早速始めよう!

各バルブ比較の実験方法解説

今回の実験ではより正確かつ実態に近い条件で実験するために、H4バルブを使用する丸型ヘッドライトの軽自動車を使って、白い壁面にヘッドライトのロービームを照射します。

まずは基準となるハロゲンバルブで実験を行い、カットラインの屈折点(カットラインが折れ曲がるポイント)の下に印をつけて、ルクスメーター(照度計)にて点灯直後の照度測定も行います。

バルブの交換は車を移動せずに停止させてまま行います。

またヘッドライトの照射状況を正確に記録するために、三脚を用いて記録用のカメラは固定しました。明るさや見え方にも変化が起きないように、カメラの設定は固定して撮影条件も完全に揃えています。

また、撮影した画像は明るさやグレア(本来の照射範囲以外への光)の有無の違いがわかりやすいように、画像処理ソフトを用いて明度に応じて色分けを行いました。

各バルブの実験完了!衝撃の結果に!?

H4タイプの様々なバルブを用いた実験を行いました。

まずは純正状態で装着され、基本となるハロゲンバルブから検証スタート。さすがに純正装着品だけあり、明るさはイマイチながら綺麗なカットラインが確認できました。

その後、内藤の会社の日本ライティング製(日本製)へ交換してテスト。明るさも大幅に向上してカットラインも鮮明なまま。さらに対向車への眩惑にならない範囲でより広く光を照射していることも確認できました。

問題は、安価な他社製品A、B、C(すべて中国製)の実験結果です。特にカットラインも含めた照射の様子は、想像以上に衝撃的な結果となりました。

各バルブの実験結果をまとめましたのでご覧ください。

実験結果発表

●純正H4ハロゲンバルブ(日本製)

ハロゲンのカットライン

カットラインは非常に綺麗で、グレアもほぼなし。カットラインの屈折点付近が特に明るく、そこで測定した照度は1023ルクスでした。しかし周辺部はぼんやりとした印象で、照度もあまり高くないことがわかります。

●日本ライティング製LEDバルブ(日本製)

日本ライティングのカットライン

カットラインは非常に綺麗でハロゲンバルブと比較しても遜色ないレベルです。右上方向の対向車幻惑エリアへのグレアもほぼなし。ハロゲンと同一点における照度は3265ルクスで3倍以上の明るさとなりました。

またカットラインの屈折点付近だけではなく、横方向に幅広く明るいエリアが広がっていることも特徴です。

左上方向の路肩や標識側に明るいエリアが拡大しており、安全面においても大きなメリットと言えそうです。全体的に、ムラの少ない綺麗な照射という印象でした。

●他社製LEDバルブA(中国製)

安価LEDのカットライン

カットラインは判別不能で、本来のカットラインから大幅に上方を照らしてしまっています。今回はヘッドライトの光軸調整は一切行っていませんので、大幅に光軸を下げる調整をしないと使用できないレベルだと推測されます。

2ヶ所の明るいポイントを取り囲むようにグレアが広がっており、本来照らすべきエリアではなく、対向車が眩しいと感じる眩惑エリアのみを照らすような最悪の配光特性となっていました。

照度は2,121ルクスとハロゲンの2倍程度の明るさですが、ムラも多く照射範囲が狭いことからも安全面においても、不安が残る製品だと考えられます。

●他社製LEDバルブB(中国製)

安価LEDのカットライン2

カットラインはなんとなく判別可能なレベルでした。しかしグレアと配光のムラが特にひどく、対向車の眩惑エリアへも大きなグレアが確認できます。また安全上重要となる路肩や標識の確認に必要な左上方向の配光が少なく、左右方向の照射範囲も狭いものでした。

照度は測定点がムラで暗かったこともあり、1162ルクスとハロゲン程度の明るさでした。

●他社製LEDバルブC(中国製)

安価LEDのカットライン3

カットラインはあまりはっきりとしていませんが、対向車への眩惑エリアへのグレアは少なく、配光も左右方向に広く照射しており比較的良好な配光特性です。

ムラも少なく明るめですが、カットラインの屈折点より左の左上方への照射はほぼ無く路肩や標識の確認には悪影響がありそうです。

照度は非常に高く、6360ルクスでした。しかし実験後にバルブを取り外す際に非常に高温になっていたため、高ワット数のLEDチップによる発熱が懸念されます。

※発熱は照度の低下や寿命の低下など様々な悪影響を及ぼします。過去の実験記事もご参照ください。
まとめ

内藤

同じヘッドライトなのにバルブの違いでこれほどの差が出るなんて驚いたな!

整備士の鈴木

本当だな。鈴木の会社のLEDバルブの性能も実証されたし良い実験ができたと思う。

内藤

他社製LEDバルブ3つのうち二つは配光特性に問題アリのレベルだったね。でも45Wの製品は配光性能はそこそこで明るさも驚異的だった。ただ発熱がかなり心配かな。

整備士の鈴木

そのあたりは信頼性にもつながるからね。バランスが良い製品はやっぱり内藤の会社のLEDバルブかなって思うよ(笑)

今回の実験により、同じヘッドライトでもバルブの違いで大きく配光特性が異なることが明らかとなりました。純正ハロゲンバルブはLEDと異なり、小さく細いフィラメントが光源となることでクッキリとしたカットラインを照射可能です。

一方で面で発光するLEDチップを光源とするLEDバルブは、LEDの基盤への配置やシェードの形状や位置などによって配光特性に大きな影響を及ぼすことがわかりました。

H4バルブ比較

配光特性の悪い他社製LEDバルブに関してはバルブそのものやシェードの構造がシンプルで、見た目はすっきりしていますが実際の配光パターンは車検にも通らないのではないかというレベルでした。

LEDバルブの中で最も綺麗なカットラインと幅広い配光特性を確認できたのは日本ライティング製のLEDバルブです。

その理由はバルブのLED基盤部分で確認することができて、正確なLEDチップ配置はもちろんのこと、シェードをコストがかかる別パーツとして精密に成形可能な樹脂製とすることからも見れると思います。

純正ハロゲンバルブと同様の配光特性を忠実に追及して実現していることが、こだわりの日本製LEDバルブの証なのです。

安価で販売されているLEDバルブには、精度の低い配光特性で対向車への眩惑を与えるだけでなく、自車の前方や路肩方向への必要な配光が不足しているものもあり直接的に安全性に関わるものです。

夜間の運転においてはヘッドライトの光が非常に重要ですので、あなた自身や同乗者はもちろん、他車の安全にも配慮すると確かな品質のLEDバルブを選択し使用する重要性に気づかされます。

   
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