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【最新】後付けLEDヘッドライトの進化ーハロゲン型LEDバルブについて調べてみた

こんにちは。
日本製LEDヘッドライト日本ライティングの内藤です。

LEDバルブの製造工場にて毎日最新鋭のヘッドライト用LEDバルブを製造している自負がありますが、最近少し気になることがあります。

※日本ライティングについて詳しく知りたい方は、こちらを御覧ください。

国産LEDヘッドライトと他社LEDとの違い

それは、【後付LEDヘッドライトの進化】についてです。

もう、13年も前になりますが、2007年に世界で初めてヘッドライトにLEDが搭載された車(レクサスLS600h)が登場し、衝撃を受けたことを今でも覚えています。

カッコいい純正パーツは、他のオーナー様の憧れになり、社外品のLEDバルブもその後次々に登場しました。日本ライティングも車用ライトの第一人者として試行錯誤しながらLEDバルブを製造してきたのですが、当時と比べてLEDバルブの進化のスピードが早いと感じます。

明るさ、寿命の進化はもちろんのこと、機能面では色の切り替えタイプが登場など、当時では考えられないほど性能は向上しています。当時、全盛期だったHIDの明るさ(ルーメン)も今では超えるLEDもあります。

進化を続けるLEDバルブ。このままのペースで行けば、1年後、2年後はどのようなLEDバルブができているのでしょうか。提供側としても、どんな製品を世に生み出せるか楽しみで仕方ありません。

そんな進化を続けるLEDバルブですが、日本製LEDバルブを製造している立場から、

「まだこれは難しんじゃないのか?」

というのがあります。それは、ハロゲン型のLEDバルブです。

Amazonで人気のヘッドライト用LEDバルブは、ハロゲン型が多い

HIDと比べ、LEDは取付けやすさの面で大幅に簡単になり、LEDバルブを交換する一つのメリットとして挙げられることが多いですが、今流行っているハロゲン型LEDバルブは、現在主流のLEDバルブ(ドライバーユニット別体式)の更に上を行く取付けやすさ。

ドライバーユニットの固定が無いので、本当にバルブ交換の要領で取付けが可能になっています。そのようなメリット、尚且高ルーメンということもあり、Amazonの車用LEDバルブ売れ筋ランキングでは多くのハロゲン型LEDバルブが上位にランクインしています。

Amazon LEDヘッドライトランキング

TOP10位中に6商品がハロゲン型タイプ。
この状況を見て、「より簡単に」「早く」という商品は、ニーズがあるなぁと関心しました。

 「日本ライティングでも製造したら良いじゃないか?」
 「お客さんは、ハロゲン型LEDバルブを求めているよ!」

という声が聞こえて来そうですが、日本ライティングでは今の段階では製造を考えていません。というのが、回答になります。

ハロゲン型LEDバルブの特徴

・構造

ハロゲン型の基本的な構造として、ファン付きが多いです。LEDバルブの心臓部であるドライバーは台座下部分に収めることで、ここまでコンパクトなLEDを実現しています。

ドライバーの納入場所

・メリット

取付けが簡単。
ハロゲンバルブの交換と全く同じ要領で取付けが可能。

・デメリット

色々な観点から放熱性能が劣るため、明るさ・寿命などの面で通常タイプのLEDよりも劣る。

ハロゲン型LEDバルブの欠点

 「本当に、このヘッドライト用LEDバルブは大丈夫なのか?」

というのが、日本ライティングの全社員、思っていることです。なぜなら、LEDという特性を熟知しているからです。

LEDの発光の仕組みについて、こちらの記事【 LEDヘッドライトの気になることについて解説 】でも説明しましたが、LEDの場合、可視光領域(目に見える光)のエネルギー変換効率は約30%程度で、残り70%のエネルギーは熱となる状況下で、片側25Wや8000ルーメンの高スペックの熱処理は、ハロゲン型LEDバルブでうまくいくとは思えないからです。

明るい・長寿命のLEDは放熱性能で決まる

日本ライティングのブログで散々お伝えしている内容です。明るさを出す、長寿命なLEDバルブの条件は、LED自身から発する熱を上手に発散してあげることが大事です。
 

【明るさが続くLED】と【暗くなるLED】の一番の違いとは?


 

中国製のLED、有名メーカーのLED色々テストしてきましたが、ルーメン数が高くて放熱性能が高いLEDはほぼ、ありませんでした。

LEDチップ周りの温度LEDチップ周りの温度2

今主流となっている、ドライバーユニット別体式のファン付きLEDでも放熱性能に疑問がある中で、更にヒートシンクが小さく、一部ではファンも付いていないハロゲン型LEDバルブの放熱性が高いはずないと考えています。

このような経験からの考え、更には実際にどうなの?という好奇心から有名メーカーで販売されているハロゲン型LEDバルブを手に取り実験をしてみました。

ハロゲン型LEDバルブ(H4タイプ)の性能を調べてみた

2020年のトレンドとなるであろう、ハロゲン型タイプのLEDバルブを複数購入して調べてみました。先程もお伝えしましたが、LEDで一番大事な項目は「放熱性能」です。

明るさを出すにも、寿命を長くするにも全て放熱性能が高くなければいけません。言い換えれば、色々なメーカーが様々なタイプのLEDを販売していますが、放熱性能を見れば、商品ページには記載されていない、そのLED本来の姿が見えてきます。

損をしない商品選びをしていただきたいと常日頃思い、ブログでも発信していますので、今回も皆さんが気になる、ハロゲン型LEDバルブの本来の姿を見ていきたいと思います。

調べる項目は、

  • 放熱性能
  • 光束(lm)の推移
  • 製造方法

を調べてみたいと思います。
調べた商品は、

  • ネットで有名なメーカー
  • 量販店で有名なメーカー
  • Amazonランキングで上位メーカー

です。

1.放熱性能

・ネットで有名なメーカー

ロービーム温度

ハイビーム温度

Loビーム時のLEDチップ周りの温度が159度
Hiビーム時のLEDチップ周りの温度が150度

※H4の場合シェードがあるため、Lo-Hiの電流値が同じの場合、Lo側がかならず高めになる傾向があります。

目安:日本ライティングは約80度

過去の試行錯誤した経験を元にお伝えすると120度を超えると著しく性能低下が起きるため、製造時には100度以下を目指すのが一般的ではあります。
 
※どのメーカーも100度以下は達成していませんが。。。

そのように考えると、150度を超えているので性能低下による明るさの低下が起きると考えます。また、150度の高温下でLEDが稼働しているので寿命も長くはないでしょう。

・量販店で有名なメーカー(Amazonランキングで上位メーカーも同じスペック)

ロービーム温度

ハイビーム温度

Loビーム時のLEDチップ周りの温度が131度
Hiビーム時のLEDチップ周りの温度が122度

目安:日本ライティングは約80度

この商品も最初の商品と同じく130度を超えているため放熱性能は低いと考えられます。また、使用されているチップは、有名メーカーを使用されていましたが、「最高電流値」「動作温度範囲」ともにMAX値で使用している状況でした。

エンジンで例えるなら8000rpm(回転毎分)がレッドゾーンですが、基本的にレッドゾーンで使用し続けている状況になります。

寿命が不安になりますよね。。。?

■使用しているLEDチップのスペック表

・光束(lm)の推移

ネットで有名なメーカー、量販店で有名なメーカー(Amazonランキングで上位メーカーも同じスペック)と純正ハロゲンバルブのロービーム・ハイビームの光束の推移をまとめたのが、こちらです。

ロービームの光束推移

ハイビームの光束推移

この結果を見て、「そうだよね」というのが素直な感想です。純正ハロゲンと比べてハイビームに関してはどちらのバルブも暗くなっているので、ライトの色味を変えたい以外での交換理由が正直見当たらないです。

辛口なコメントですが、事実です。

・製造方法

・ネットで有名なメーカー

ハロゲン型LEDバルブ(ネットで有名メーカー)

見た目、重量から判断するとヒートシンクは亜鉛が使用されていて、製造方法は型に溶かすダイキャスト製法が採用されていると思います。

※亜鉛ダイキャストなので、バルブ自体の重量が重すぎるアルミの2.6倍

ダイキャスト製法はブログでもお馴染みとなっていますが、気泡が入るのと熱伝導率が比較的に低いアルミが採用されているため、放熱性能は低いです。また、今回ヒートシンク部分に亜鉛が使用されているため、アルミよりも更に熱伝導率が低いので、放熱性能は劣ると思われます。

比重の話(1cm×1cm×1cmの容器に満タン入れた場合)

・水・・・1g
・アルミ・・・2.7g
・亜鉛・・・7.1g
・銅・・・9.0g
・金・・・19.3g

・量販店で有名なメーカー(Amazonランキングで上位メーカーも同じスペック)

ハロゲン型LEDバルブ(量販店で有名メーカー)

日本ライティング以外のLEDバルブの製造方法でお馴染みのダイキャスト製法を採用しています。写真でも分かると思いますが、ヒートシンク部分に横線があります。

アルミ削り出しの場合は、このような接合部分というのはありませんが、ダイキャストは型に流し込んだ部品同士を接合するので、このような接合部分があります。

特徴のところで解説しましたが、LEDの心臓となる基盤は、台座の下部分におさめてあるので、防水処理をしっかり行わなければいけませんが、ダイキャスト製法では、どうしても接合部分ができます。

なぜ、接合部分があるとまずいのかというと、LED本体が雨などで常に濡れる状況下になくても、少し本体に水がかかった、雨がかかった、濡れた手で触ったなど僅かな量の水でも毛細管現象によって、水が内部に侵入し、内部に残るとサビの原因になりLEDが故障する場合があります。

基本的にこのような心臓部分は、接合部分を無くし、ドライバー部分はシリコンで防水処理をしっかり行う必要があります。

ただ、現物を見る限りでは接合部分から水の侵入、内部も防水処理が甘かったので、故障の原因になると考えます。

・テスターにてカンデラ計測(2020年6月5日追記)

テスターでも調べてみました。

ハロゲン

ハロゲン

当たり前ですがキレイにカットラインが出ていますね。

ネットで有名なメーカーのハロゲン型LEDバルブ

ネット有名メーカー

カットラインは出ていますが、時間とともにカンデラの値が下がってきていると思います。(10-0測定方法で18,400カンデラ⇒12,400カンデラに)

また、赤丸で囲った最も明るい部分を示す高さの位置がロービームとハイビームでほぼ変わらなかったので、実際に運転していてロービームからハイビームに切り替わって無いように感じるかもしれません。

量販店で有名なメーカーのハロゲン型LEDバルブ

量販店有名メーカー

こちらも時間経過と共にカンデラ値は下がっていきます。カンデラ値も気になるところですが、それ以外にどうしても気になる箇所があります。

気にならない方は、そうでも無いと思いますが、気になる方は気になる!
それは、照射範囲に横縞がでます。

カットライン(量販店)

ムラがあるので、気になる人は運転に集中できないかもしれません(苦笑)
ちなみに、日本ライティングのH4の配光はこのような感じです。

カットライン(日本ライティング)

縞も無くキレイな配光になっています。
今使っているチップを作用するまでに色々なメーカーのを試しましたが、この商品が採用しているチップメーカーは横縞が出てしまうので、日本ライティングでは違うチップを採用しています。

3.総合評価

・ネットで有名なメーカー

商品ページで記載のあるワット数、ルーメン数は、決して高くはありませんが、チップ周りの温度が150度を超えていました。今回使用されている素材、製法などを踏まえて考えると、明るさ・寿命も現状のLEDバルブと比べて、かなり見劣りする商品と感じました。

メリットとしては、取付けのしやすさ。

・量販店で有名なメーカー(Amazonランキングで上位メーカーも同じスペック)

こちらの商品も同じくワット数、ルーメン数は高くありません。しかし放熱性能が悪いため130度以上まで上昇しているので明るさ、寿命は期待する程、ないと感じました。

実際に、長時間点灯してみると点灯後約2分から電流値が下がって(点灯直後、LEDは約1300mA付近、点灯2分後に900mA付近)いるので、出力を落とすプログラムが入っているドライバーと考えられます。

こちらが実際の電流値の変化を計測したものです。

光束と電流値の推移

光束と電流値の推移2

光束と電流値の推移3

明るさは、35%程度落ちるのかと考えられます。

また、接合部分から水が侵入する可能性が考えられるので、使用する環境によっては、すぐに不点灯などの不具合が発生する可能性もあります。

その中で、この商品のメリットについて考えると、やはり前の商品と同じく、取付けのしやすさ。

まとめ

有名メーカーのハロゲン型LEDバルブを用いて調べてみましたが、現状はオーナーさんが満足できる精度にはなっていないと思います。

コンパクトなのは非常に素晴らしいと思いますが、コンパクトにした代償があまりにも大きすぎるのではないでしょうか。LEDバルブの仕組み上、放熱をしてあげなければ性能は著しく低下します。

余談ですが、チップ付近の温度がネットで有名なメーカー150度、量販店で有名なメーカー130度強。ハロゲン型LEDバルブはチップの側にドライバー(LEDの心臓部)が設置されているので、ドライバー自体もかなり高温にさらされています。

ドライバー内で使用している、コンデンサというのがありますが、ドライバーの寿命は他のパーツに不具合がない前提ではありますが、コンデンサでほぼ決まると言っても過言ではありません。

内部の写真は公開はしませんが、このメーカーで使用しいてるコンデンサーは、105度での環境下で寿命は5000時間となりますが、温度が上昇することで寿命は大きく縮んでいきます。

■コンデンサのスペック表

コンデンサの情報

一般的に言われるのが+10度で寿命が半分になる。

・115℃の場合2,500時間
・125℃の場合1250時間
・135℃の場合625時間
・145℃の場合312.5時間

逆に温度が低い環境下での寿命は-10度ごとに倍々になります。このような理由もあり、明るくて、長寿命を両立したLEDバルブにするには、ハロゲン型タイプでも放熱を如何にうまくしてあげるかが鍵になるでしょう。

取付けやすさを一番に求める方であれば、おすすめですが、明るさ、寿命を求める場合は、ドライバー別体式のファン付きLEDバルブをおすすめします。
 
【LEDヘッドライトについて詳しく知りたい方は合わせてこちらを御覧ください】
 

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