こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
車のガラスにはウロコと呼ばれる汚れが付着します。ウロコとは、雨や洗車に使う水が乾燥した後に残るミネラル分の固着であり、イオンデポジットとも呼ばれています。
身近なウロコにはお風呂の鏡やガラスなどにも多く付着しており、家庭用のお掃除ノウハウでもウロコ落としは話題に上がっています。
車に付着するウロコ汚れも、家庭のウロコよりは頑固ではないものの、重なり合って付着すると落とすのは大変です。
この記事では、窓ガラスに付着するウロコの原因と落とし方について詳しく解説します。
目次
内藤
見映えも悪く、ウロコを落とした方がいいと思うのですが、効果的に落とす方法はありませんか。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
なぜ、ウロコが付着するのかその原因から解説するよ。
窓ガラスに発生するウロコは、雨の後に水滴が蒸発した時や洗車後の拭き残しが乾燥して発生します。
水の中には、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が含まれており、水滴が乾燥するとミネラル分だけがガラスに残り、汚れとして固着します。
このほかワックスも雨で流れだしてきますが、そのまま放置すると油分がガラスに付着してウロコになります。
さらにそのまま放置すると、太陽の熱で固着して取れにくくなり、そこに雨が降って乾燥するとウロコが重なって付着して積み重なります。
内藤
軽トラマニア小泉
これは、ワイパー部分は水滴を取り除いているけど、それ以外は水滴が付着したままだからなんだ。
内藤
軽トラマニア小泉
ウロコがガラスに付着していると、その分だけ高さがあります。そのため、ウロコが付着している状態で撥水コーティングしても段差があるため均一に密着できません。
ウロコ汚れが積み重なると、手が敏感な方なら触るとザラザラするのがわかるはずです。このザラザラがウロコ汚れの段差であり、そのまま撥水コーティングしても均一に密着できない理由です。
例えば、上記の画像のように、汚れの大きさはそれぞれ異なる事や形も違います。そのため、撥水コーティングをしても図のように均一にコーティング剤が塗布できません。さらに汚れの下はコーティングできていません。
内藤
軽トラマニア小泉
平らなガラス面なら均一にコーティングできるけど、ウロコがあると、ウロコの形や大きさで塗布が均一にならないのだよね。
内藤
個人でもウロコ落としができる方法はないのでしょうか。
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
違うのは、ウロコを落とす道具とテクニックかな。
ただ、使用するウロコ落としは、薬剤と研磨剤を使用していることには間違いない。
内藤
軽トラマニア小泉
商品自体にプロ用も一般向けもあまり関係なくなってきたような感じかな。
だから、商品の性能を十分に発揮できる使い方をすれば一般の方でもキレイになるはずだね。
その辺について解説するよ。
車のガラスにできるウロコは、雨や水道水に含まれるミネラル分の汚れなので、アルカリ性の汚れの傾向が強いため、酸を使って中和させる方法が有効です。
そこで、古くから酸性クリーナーがプロ用に使用されてきました。
最近は、一般でも手に入りやすい酸性クリーナーが店頭でも販売されているので、それを使えばある程度のウロコを落とすことができます。
また、酸で中和させてウロコ汚れを落とすので、身近にあるお酢でも代用が効きます。
お酢を使う方法は、食品なので人体には安全に使用できるため有効な方法ですが、酸には変わりがないので使用したら良く水で洗い流さないと車の鉄の部分を腐食させるので注意が必要です。
ただし、お酢での効果は、ウロコの蓄積の状態で変わります。蓄積年数が長いウロコは何重にもこびりついているので、お酢の力では落としきるのは大変です。
そこで、プロは塩酸やフッ素化合物の酸を使い落としますが、有毒性なので一般にはお勧めできません。似たような商品が市販されていますが、一般向けと言うこともあり、実際に使用してもお酢と同程度か、それより落ちない可能性があるでしょう。
内藤
軽トラマニア小泉
卵をお酢につけると殻が柔らかくなるのを知っているだろ。あれと同じでウロコも柔らかくなる。
内藤
軽トラマニア小泉
ウロコの状態にもよるけど、ネバネバを取るのも結構大変だったりする。
もちろん、塗装面や鉄の部分に付着させるとお酢でも腐食させるから丁寧な作業が必要になる。
だから、落ちると言っても誰でも簡単というわけにはいかない。
むしろ、失敗したときのダメージのほうが大きくなるからあまりお勧めしないね。
ウロコ落としといえば、磨いて落とす方法が一般的です。ガラス専用の磨き剤を使用して丹念に磨くとウロコは次第に消えてきます。
磨き剤にはさまざまな種類がありますが、ガラスにキズを付けずにウロコだけ取り除く磨き剤でなければなりません。
車ガラス用に売られている磨き剤には、セリウムを配合された磨き剤が一般的ですが、精密研磨に使用される研磨剤なのでウロコの状態によっては時間がかかる場合もあるでしょう。
ガラスを磨く場合、硬度が高いアルミナを使用する方法もあります。市販のガラス磨きにもアルミナを配合した研磨剤はありますが、商品によっては車のフロントガラスに使用できない商品もあるので注意しましょう。
このアルミナとは、酸化アルミニウムのことで、ルビーやサファイアの主成分です。ダイヤモンドに次ぐ硬さを持っており、研磨力に優れていることから、昔から多くの材料磨きに使用されてきました。
家屋用の鏡磨きやガラス磨きで、プロも愛用するのがアルミナですが、研磨力が高いので、強く擦りすぎるとキズが付く恐れや、パッドの材質でもキズが付くので、使用する場合は商品説明をよく読んだ方が良いでしょう。
・研磨材
内藤
軽トラマニア小泉
そして、アルミナもウロコ取り用として多くの商品が売られている。
アルミナパッドというのもあって、それで擦るとウロコが取れる。
内藤
軽トラマニア小泉
あと、磨くのはかなり大変だから、思ったようにウロコ落としができないとがっかりするかもしれない。地道な作業が必要だね。
内藤
軽トラマニア小泉
見た目簡単そうに見えるけど、実際はそうじゃないことを理解して実践を見てほしいかな。
車ガラスのウロコを落としは、丁寧に磨くことが大切です。そして、一度では落ちないことも理解しておきましょう。何回も同じ作業を繰り返すことで次第にウロコは取れてきます。
まずは、磨くガラスの周りに研磨剤の付着を避けるためにマスキングテープで養生してから始めましょう。特にゴムや樹脂部分に研磨剤が付着すると白くなって落とすのが大変になるので注意して下さい。
「磨き」
磨き方は、それほど力を入れずに磨きます。そして、磨くふり幅にも注意します。大きく動かすとそれだけ疲れてしまうので、できるだけ小さく動かせる範囲で磨くようにします。
つまり、磨くふり幅に合わせてガラスを磨くので、必然的に1枚のガラスをブロック分けして磨くことになるはずです。
磨く方向は、縦、横、円、斜め、といった具合に何方向からも磨くようにします。そうすることで、磨き残しなく均一に磨けます。また、磨くときに縦10回、横10回など、磨く回数を決めて順番に磨く場所をローテーションするとよいでしょう。
磨き剤は、次第に乾燥してきますから、磨き剤が滑らなくなってきたら拭き上げてまた繰り返し磨き作業をします。
内藤
軽トラマニア小泉
というのも、ガラスはポリッシャーの熱で割れてしまうことがあるからね。ガラス磨き専門の業者でなければ難しいよ。
何回か磨いて拭き取りを繰り返して、ウロコが落ちているか確認します。特にガラスの端の部分は力が入りにくいので磨き残しになるのでよく確認します。
写真の赤丸の部分などは、磨きパッドを当てにくいので、磨き残しが出やすいでしょう。
上の画像は、黒い線から右半分が磨き完了です。ここまで、磨きが完了するまで、磨きと拭き取りを4回ほど繰り返し、15分ほどかかっています。
もちろん、ウロコの状態で磨き時間は変わりますが、このリアガラス1枚をキレイにするには30分は磨き続ける必要があります。
内藤
軽トラマニア小泉
時間がないと確実にキレイにならないし、心に余裕がないと、焦って他の部分まで磨いて作業を増やすことになるからね。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
あと、ベルトモールと呼ばれるガラスの水切りモールでキズが付くこともある。
内藤
軽トラマニア小泉
ガラスは、キズが付きやすいので磨き作業には注意が必要です。
磨き作業では、ガラスを擦るので必ず洗車で汚れを落としてから始めます。もし、汚れが残ったまま磨き剤で磨くと、思わぬ硬い微粒子が研磨パッドに紛れ込み、ガラスに細かい傷をつけてしまうでしょう。
また、風が強い日も注意が必要です。風で細かい砂などが飛ばされてくると、それは自然の研磨剤になるので、風が吹いているときはガラス研磨を避けましょう。
薬剤を使いウロコを溶かす方法を選択した場合、フロントガラスに薬剤を使用できません。特にプロ用の薬剤は、かなり強力な酸を使用しているので、ガラスが歪むことも多く見られます。
注意が必要なのは、無機酸と呼ばれる塩酸が含まれる商品です。塩酸は、一般の市販品でも含まれるので扱いには注意しましょう。
その反面、有機酸と呼ばれる食用に用いられるお酢などの酸であれば、有害なガスを発生させないので安心ですが、酸には変わりはないので車の鉄の部分を腐食させるので取り扱いには注意が必要です。
また、ガラスを溶かすフッ化水素酸を使用した薬剤は、一般ではあまり手に入りませんが、プロ用の薬剤には成分が含まれていることがあるので、フロントガラスに使用できない他、取り扱いは危険なので注意が必要です。
内藤
軽トラマニア小泉
ガラスのウロコ落としは、1回で落ちるほど生易しいものではありません。簡単に落ちるイメージを与える商品や、そのような情報も多々ありますが、ウロコ落としは地道な作業が必要です。
ウロコ落としは、非常に目が細かい研磨剤で削るので、どうしても時間がかかります。と言って目が粗い研磨剤を使用するとガラスにキズが付き、リカバリーは難しくなってしまうでしょう。
ウロコ落としは、時間をかけて、丹念に磨く必要があることを理解し、時間に余裕があるときに作業するとよいでしょう。