こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
フロントガラスに油膜が付着していると雨天時の夜間に信号や前方車両のブレーキランプが乱反射し、まるで花火が打ち上げられているように光が拡散して視界不良に陥ります。
油膜が付着すると洗車機を通すだけでは油膜除去は難しく、逆に洗車機のブラシに残留している撥水性分がそのままガラスに付着し油膜を強化してしまいます。
では、どのような方法で油膜を取り除くのか。
油膜取り専用品は数多く販売されています。大きく分類しても
です。ウェットペーパータイプやネット上ではウーロン茶、食器洗い洗剤も有効という情報が流れており、どの商品が効果的なのか、商品選びで迷う方も多いと思います。
今回は、油膜取りで最も効果のある商品タイプはどれか。平成26年式ヴィッツを用いて実際に検証してみたいと思います。
目次
実際に付着した油膜です。シリコン系の撥水剤が強固に付着し、指で擦ると粘土のようであり、固形ワックスのような肌触りでした。
触れることで油膜に指紋も残るほどです。
洗車の拭き上げ用タオルで拭いても、ネロネロした油分が残り、フロントガラス以外のサイドガラス、ミラー、リアガラスにも白く付着しています。
今回使用した車両はボディカラーが白いため目立ちにくいですが、恐らくボディ表面も同じような状態になっています。
シリコン系の撥水剤のため水弾きも良く一見すると綺麗なボディですが、ガラスは運転していても視界が悪く対向車のライトが乱反射してストレスを感じます。
今回は、油膜汚れを形成するため洗車機で頻繁に洗車を行っています。というのは、洗車機のブラシに残留している撥水性分がそのままガラスに付着し油膜を強化するからです。
そのような背景から水弾きは決して悪くなくむしろ撥水剤の効果がしっかりと出ていました。フロントガラスをテーピングで三分割し、有名どころのケミカルを使用して水の弾き具合や油膜の残り具合、施工のし易さを検証します。
今回、比較する溶剤は三種類、右側から①ガラス用研磨剤、中央②油膜取りスプレー、左側が③塗って拭き取るタイプのケミカルになります。
3分割した左側部分は研磨剤を使用して油膜を除去します。この商品はガラスの小傷も綺麗にする商品となり、油膜除去には非常に効果があり、うろこ状の雨ジミにも有効です。
ガラスを研磨する作業は正しく使用すれば非常に綺麗に仕上げられることからプロも使用している商品です。
そのような商品の為、施工性は一度磨いて洗い流す手間があり、力も均一に保って施工が必要なため難易度は高い商品です。
均一に作業が難しい場合や正しい手順を踏まないと逆に研磨傷が発生するケースもあるので注意が必要です。
多くの場合はポリッシャーを使用し、研磨剤の粒度(細かさ)も気に掛けながらプロは使用しています。
ガラス用研磨剤で磨いたあとのフロントガラスの状態です。非常にクリアになり、油膜は完全に除去されました。
先ほどまでの水弾きもリセットされ撥水から親水の状態になっています。
施工時間は、ガラス面積1/3に対して約5分と施工時間となります。
続いて3分割した中央部分には油膜取りスプレーを使用しました。
最もポピュラーでホームセンターなどでも取り扱っているタイプで、手頃な価格の商品です。
施工性は噴き付けてタオルで均一に拭くだけなので、最も簡単で手頃な商品です。
スプレーを吹き付け、拭き上げた状態を確認しました。ガラス表面は簡単な施工にも関わらず随分と綺麗になっています。
しかし、写真のように水玉が発生しました。という事は、油膜自体は一部残っていると考えられます。
綺麗にはなっていますが油膜は残っており、完全な除去には到っていません。
続いて3分割した右側部分には塗って拭き取るタイプのケミカルで油膜を除去しました。
印象としては①と②の良いとこ取りをしたような感覚で、丁寧にガラスに塗り込んで、拭き取るだけの手軽なケミカルでした。
噴き付けるスプレータイプのよりは塗り込みの工程が増えますが、研磨剤よりは手軽に行える作業です。
施工後に表面を確認したところ、しっかりと油膜は除去されています。
表面の水滴は水玉というには接触角が小さく、やや親水よりです。②のスプレータイプと比較するとハッキリわかります。
また研磨剤と比較すると表面を磨いていない分、しっとりとした水滴の付着でもありません。
最も普通の状態で、撥水でも親水でもない状態と言えます。
施工後の全体像を確認すると結果がしっかり反映されています。
実際に3つの商品を試し、向かって左側の①(研磨剤)は施工に手間のかかるものの、油膜もしっかり除去され親水状態になりますが手軽な感じはしません。
真ん中の②(油膜取りスプレー)は非常に手頃で簡単な施工ですが、ガラスは撥水状態を保つため、油膜がしっかり除去されたとは言い難い状態です。
向かって右側の③(塗って拭き取るタイプのケミカル)は①と②の良いとこ取りをしたような商品で、塗り込む工程は増えますが拭き取りも楽で、水滴も撥水と親水の中間状態となり油膜はしっかり除去されていました。
今回は大まかに分けて三種類の商品を強固に付着した油膜に試してみました。
①ガラス用研磨剤、②油膜取りスプレー、③塗って拭き取るタイプのケミカルですが、使用してみての施工性や商品の実力、また運転してみた感触は③塗って拭き取るタイプのケミカルが最も手間やコツの要らない商品で簡単施工と価格に見合った実力でした。
①ガラス用研磨剤は研磨作業となり一般的には取っ付き難く、作業も本格的にしようとすればポリッシャーなどの機材も欲しくなります。
均一な力を掛け続けるのも難しく、右も左もわからない状態ではかえって研磨傷を発生させてしまいかねません。
②油膜取りスプレーは簡単な作業で誰でもできますが、強固な油膜には力及ばずといった結果でした。
何度もスプレーすれば油膜も除去できると思いますが、それでは簡単な施工性とは言い切れません。
ガラス面の虫取りや一時的な視界確保のために常備しておくには有効ですが、洗車機を何度も使用するような環境では効果が薄く感じました。
③は先ほどの説明通り、最も手間も少なく効果も実感できる商品でした。
こちらも調べると研磨剤のパウダーが練りこまれている商品もあるようで効果に納得しました。
ただし直接的な研磨剤のみでなく、汚れを除去する成分も含まれているようです。
作業性も良く、仕上がりも早く効果も実感しやすい商品で、万人にオススメできると感じました。
油膜で困っている方はぜひ参考にしてみてください。