こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
ガラスコーティングを自分で施工される方が増えていますが、コーティングにはガラスコーティング以外にもあります。
それぞれ特徴があり、耐久性も大きく異なります。
この記事では、ガラスコーティングの耐久性だけでなく、様々なコーティングの耐久性を解説し、ガラスコーティングの再施工の目安をお伝えします。
内藤
色々な商品を使ってみましたが耐久性はそれほど違いが無いように感じたんです。理由は何でしょうか。
島田
でも商品の成分を見ると、どれも同じような感じだから、感覚は間違っていないかもね。
内藤
島田
大前提には、販売価格があるけど、同じ価格帯で販売される一般的なコーティングは、だいたい同じ感じかな。
内藤
島田
最も大きな違いは、どんなコーティングなのかという事。
つまりワックスなのか、ガラスコーティングなのかでは、全く耐久性は違うし値段も違うよね。
コーティングの種類が耐久性に大きく関係している。それぞれのコーティングごとに耐久性を解説するよ。
ワックスは、昔から使用されるコーティング剤で、車に光沢と水弾き性能を与え、小傷も見えなくするメリットがあります。
とくにツヤは天然カルナバロウを使用したワックスになると素晴らしく、今も多くのファンがいます。
しかしワックスは、塗装表面にロウの被膜を形成させるだけであり、塗膜に載っているだけですから、かなり短期間で落ちてしまいます。
ワックスの耐久性は、保管状況や洗車の回数でも大きく変わります。それは、先にも述べたように、ワックスは塗膜に載っているだけなので、おおむね1カ月から2カ月程度で落ちてくるでしょう。
また、ワックスにはハンネリタイプと呼ばれるワックスがあり、もっともポピュラーなワックスとして多くの種類が販売されています。
その性能も様々で、3カ月効果が持続するタイプなどもありますが、塗膜に載っているだけなので、使用環境によっては、もっと早く効果がなくなる場合もあります。
この他に液体ワックスのような簡易タイプだと、2週間程度でワックス効果がなくなり、さらに雨が多ければもっと早く効果がなくなります。
内藤
島田
ポリマーコーティングも昔から普及している商品ですが、持続期間は半年から1年程度の商品がほとんどです。
主な成分は、フッ素系やシリコーン系の有機質の被膜ですが、ワックスと大きな違いは、「架橋技術」つまり、塗膜とコーティング剤を密着させる成分を配合した技術が使われていることです。
この架橋技術は、各メーカーがこだわりを持って開発しているので、そのまま製品の性能に現れていると言ってもよいでしょう。
昔からあるポリマーコーティングですが、この架橋技術にバラつきがあり、性能を十分に発揮できない商品も多く売られていたので、良いイメージを持たないユーザーも多くいます。
今では昔のような粗悪なポリマーコーティングは減ったと言われているので、耐久性は良くなっています。
内藤
島田
でも耐久性はワックスと変わらないし、ツヤはワックスのほうが優れている商品もあったかな。
でも今は淘汰されて、良い商品が残っているからね。
でも1年はかなり厳しい。1年持たせるなら、メンテナンスして良い環境で保管しないとね。
ガラス系コーティングは、樹脂を主成分としたコーティング剤にガラス成分が少しでも入っているとガラス系コーティングと呼ばれます。
商品によって性能にバラつきがありますが、耐久性は、半年から1年程度持つでしょう。
ガラス系コーティングは、施工のし易さからカー用品店でも手軽に購入できるほか、カーディーラーで施工するコーティングには、このガラス系コーティングを採用している場合があります。
多くの商品は、ポリマーコーティングといった樹脂系コーティングにガラス成分を配合して、耐久性や光沢を高めているのが特徴なので、ガラス系とあれば、それなりに耐久性がある商品と言えるでしょう。
内藤
島田
ユーザーはワックスのころから耐久性を重要視しているからガラス系も耐久性が高い商品に人気が集まっているよ。
ガラスコーティングの耐久性は、3年から5年とかなり長期間性能を維持します。
もちろん、メーカーが公表する耐久性は、車の使用環境や車のメンテナンス状況で変わります。
ガラス被膜の種類には、シロキサン系とポリシラザン系の2種類があり、ポリシラザン系の硬度が高く長持ちします。
ただし、どちらもメンテナンスによって耐久性は変わってくるのは他のコーティングと同じです。
内藤
島田
内藤
島田
内藤
島田
その通りにメンテナンスすることが耐久性を伸ばすポイントだろうね。それらを含めて耐久性の違いの理由を解説するよ。
ワックスは、塗膜に載っているだけなので、簡単に剥がれ落ちます。洗車の回数や雨に打たれる回数が多いほど、はやく流れ落ちてしまうでしょう。
ポリマーコーティングやガラスコーティングは、化学の力で塗膜と密着しているため長持ちします。
しかもガラスコーティングの場合は、被膜が固く硬化するため、コーティングの中でダントツの耐久性です。
密着させるには、「機械的結合」と「科学的相互作用」の2つがガラスコーティングでは働きます。
まず、機械的結合は、アンカー効果やファスナー効果ともよばれ、塗装にある細かい凹みにアンカーを打ち付けるように嵌り密着します。
そして、科学的相互作用は、塗装とコーティング剤が原子レベルで化学結合することを言います。
化学結合は、それぞれのメーカーにより研究開発されていますが、日本ライティングでは、硬化のメカニズムが公式HP上で公開されており、強固に密着する理由がよくわかります。
コーティングは、塗膜とコーティング剤をいかに密着させるか、そして長持ちさせるか研究されており、日々進化し続けて耐久性も数年前より長くなっています。
内藤
島田
コーティングは、塗布すれば完成ですが、耐久性は外的要因で決まります。
つまり、青空駐車のように、常に悪条件下で保管されている車は、屋根付き車庫保管の車に比べてコーティングの劣化は早くなります。
外的要因として紫外線が有名ですが、コーティングも紫外線により破壊が促進します。また、酸性雨やホコリなどの汚れもコーティングを破壊します。
つまり、出来るだけ太陽光に触れず、風雨を避ける場所に保管してあるほどコーティングは長持ちしますが、逆にそれらにさらされる時間が長いほど、コーティングの劣化スピードは速くなるでしょう。
内藤
島田
でも紫外線のパワーは凄いから、非常に薄いコーティングはかなり苦戦する。
汚れの中にはどんな成分が含まれているかわからないから、汚れもコーティングに悪さする可能性があるということだね。
コーティングの耐久性は、メンテナンスも大きくかかわります。
商品によっては、メンテナンス剤を無料配布している業者や、ゼウスクリアのようにすでにキット内に同梱している商品もあります。
これらのメンテナンスキットは、メーカーにより特別に配合された液剤が入っており、汚れを落として光沢と水弾き性能を復活させます。
多くの方は、水弾き性能が落ちてくると、コーティングの効果が落ちたと感じ、そろそろコーティングが剥がれてしまうと思うでしょう。
しかし、ガラスコーティングの場合、水弾き性能が落ちるのは、トップコートの耐久性が落ちた事によるものであり、ベースのガラス被膜は問題ないことが殆どです。
しかし、水弾き性能が落ちると、水垢などの付着が起きる可能性も高く、また汚れの成分でガラス被膜の耐久性を奪う可能性があるので、メンテナンス剤の使用が耐久性を長くする大きなポイントです。
内藤
島田
内藤
島田
プロでもガラスコーティングが剥がれたかどうか、100%断定するのはかなり困難だからね。
内藤
島田
どのようなことに注目するとよいか解説するよ。
ガラスコーティングを施工していると、次第に水弾き性能が失われてきます。
メーカー指定のメンテナンス剤を使用すると水弾き性能が元に戻りますが、耐用年数が近づいてくると、メンテナンス剤の効果がいつもより早く切れていることに気が付くはずです。
いつもより、水弾き性能が悪くなったと感じたら、先ずはメンテナンス剤を塗布するのが基本ですが、耐用年数が近い場合に水弾きの悪さが頻発するようなら、そろそろ再施工を考えたほうが良いでしょう。
ガラスコーティングが劣化してくると、コーティングメーカーのメンテナンス剤の成分にもよりますが、水弾き性能が悪いと感じます。
また、汚れ落とし成分などが入っているメンテナンス剤の場合、ガラスコーティング被膜がなくなっていると、汚れの落ち方が悪くなることもあります。
よって、メンテナンス剤を使用してもいつもより光沢がなく水弾きが悪い場合、そして汚れが落ちにくくなったと感じたら、カラスコーティングの再施工が必要でしょう。
ガラスコーティングをすると、耐スリキズ性能が高いので洗車キズもほとんどつきません。しかし、耐用年数が近づくと洗車傷により、ツヤが無くなってきます。
また、水垢汚れの付着も見られるようになってきます。
しかも手触り感も変わってくるので、前より傷が増えた、汚れの落ちが悪くなったといった感覚が強くなったなら、ボディ表面を手のひら全体で触り、ガラスコップのような手触り感があるか確認してみるとよいでしょう。
内藤
島田
本当にガラスコップのような不思議な感覚だから、一度よく触って試してみるといいよ。
ガラスコーティングの再施工の目安は、最終的にはオーナーが判断するしかありません。
業者に依頼するのもオーナーの意思ですから、プロが見てまだメンテナンスで行けると思っても、オーナーが再施工を望めば店舗側も再施工せざるを得ないでしょう。
そこで無駄な再施工をしないように、日頃から車の様子をチェックし、洗車時には水弾き具合や洗車のし易さを確認してれば、ガラスコーティングの再施工時期をほぼ適正に判断できるはずです。
もちろん、ガラスコーティングの耐用年数に近くなったら、さらに注意深く洗車して、メンテナンス剤でリカバリーが可能かどうか見極め、そうでなければ再施工に踏み切るとよいでしょう。
内藤
島田
洗車のし易さの変化、汚れの落ち方などが前より良くないと感じたら再施工を考えてもいいかな。
ガラスコーティングの耐久性は、3年から5年とワックスやポリマーコーティングに比べると、長く持続します。
耐久性はコーティングの性能はもちろん、外的要因も大きくかかわっており、どんなに良いガラスコーティングでも日々のメンテナンスが出来ていないとメーカー公表の耐用年数まで耐えられないでしょう。
またガラスコーティングは、ガラスコップを見るとわかるように親水性なので、水弾き性能はありません。それを補う撥水性能などの水弾き性能を添加しています。
この水弾性能が落ちると、コーティングが剥がれたと勘違いする方も見られますが、先ずはメンテナンス剤を試してみましょう。
それでも水弾き性能や光沢が戻らなに時に、再施工を考えるとよいでしょう。