こんにちは。
ガラスコーティング剤の独自ブランド(ゼウスクリア)を展開する日本ライティングの内藤です。
車の手入れと言えば、昔からワックスがけですが、近年ワックスがけをする方が減少していると言われています。
その理由として、ワックスより光沢と水弾き性能が長く持続するコーティングの進化が挙げられます。
しかし、ワックスにはコーティングでは得られない艶が特徴であり、愛車をピカピカにしたいユーザーにとってワックスが完全に魅力を失ったとは言えません。
そこで、ワックスの歴史を紐解きながら、コーティングへシフトしてきた理由について解説します。
内藤
ワックスが全盛だったことを忘れてしまうほどです。
でも、ワックスは良い製品が販売されているのに、昔から変わらない固形ワックスもあります。
その理由は、昔からある固形ワックスが素晴らしいということだと思うんです。
つまり、古くからある固形ワックスが今も人気があるのにワックスよりコーティングのほうが注目されているのが、なぜなのか知りたいんです。
軽トラマニア小泉
その中でよい商品が残ったということだよね。
内藤
軽トラマニア小泉
どのようなワックスがあったのか知るには、当時のことを解説したほうが早いよね。
内藤
軽トラマニア小泉
車は、日本が江戸時代の頃(1769年)、馬車が主流のフランスで誕生しました。時が流れ、車が大衆化となったのは1908年に登場したT型フォードの誕生からです。
ワックスに目を移すと、アメリカの家具磨き剤を作るマグアイアーズが1901年に創業し、家具用のワックスを開発。当時登場した車は馬が無い乗物、すなわち木製の自動車でした。
そこで、家具磨き剤を利用したワックスがけが車にも利用できることに着目し、一気にマグアイアーズのワックスが広まります。
日本でも車は明治時代に輸入されていましたが、大衆化はもっと先の1960年代に入ってからです。時はいざなみ景気と言われる高度成長期まっただ中でした。
1955年にトヨタから初代クラウンが登場し、その後国民車構想が練られ、好景気と相まってあっという間に国民に車が手に入る時代がやってきます。
しかし、車のワックスは、海外製しかなく、高価で手に入れにくかったことから普及はそれほど進みませんでした。
そしてついに、ソフト99より国産ワックスが登場します。当時は木製家具用として開発されたリキッドタイプの物でしたが、車の所有者にとって救世主的存在だったといいます。
その後、静電気によるホコリや汚れの付着を抑える静電気防止剤を配合した自動車専用ワックスが同じくソフト99より1962年に登場します。
当時、静電気による汚れの付着を守れることは画期的であり、瞬く間に多くの方に広まります。
しかし、固形ワックスは塗りにくく拭き取りも大変という欠点があり、多くのユーザーから不満もありました。
そこで新たに登場するのが、ソフト99のハンネリワックスで、今も変わらないパッケージで多くの方に親しまれています。
1970年代に入ると、ワックスも庶民に多く広がってきます。それまでは車の洗車と言えば、水洗いのみというのが定番で、ワックスをかけることは極一部の方に限られていました。
新車購入するとメーカー純正のカーワックスがプレゼントされるようになり、ワックスがけが浸透し始めます。
1970年代から1980年代にかけて、地方ではカー用品店などはほとんど見られず、また今では当たり前のホームセンターも見当たらない地域が殆どでした。
そのため、ユーザーがワックスを購入する場所は、ガソリンスタンドが定番であったことを記憶しています。
ガソリンスタンドに行くと、ワックスが1種類から2種類程度販売されており、新車で試供されるワックスが無くなると、ガソリンスタンドでワックスを購入する方が多くいました。
ワックスが全盛だった頃は、洗車をする場所と言えばガソリンスタンドという方も多く、自分で手洗いするほか、スタンド定員に手洗いワックス洗車を依頼するのがトレンドでした。
つまり、昔のガソリンスタンドは、燃料補給や車の軽整備のほか、洗車も重要な仕事となっていました。
そして、1970年代に入ると、ワックス機能が付いた洗車機が登場します。これにより全国的に一気に広がりを見せたと言われ、地方のガソリンスタンドにも門型洗車機が設置されます。
当時はガソリンスタンドでの洗車は無料。そこにコイン数枚で洗車できるとは言え、有料の洗車に戸惑うユーザーも少なくありませんでした。
その後、据え置き型で車がトンネルの中を自走しながら洗車する洗車場も登場し、ワックス洗車が一気に広まりを見せてきます。
内藤
軽トラマニア小泉
もちろん、自分で手洗いするけど、備え付けられている洗車ブラシとホースで洗い、自前の雑巾で拭き取る。
内藤
軽トラマニア小泉
でもね、後がつかえているときはワックスがけして拭き取りは自宅でする事もあった。
当時はワックスがけして拭き取りせずに走行している車をよく見たよ。
内藤
軽トラマニア小泉
まだ昭和50年代なんて、洗車キズを気にする方は少なかったと思うね。ボディの色も今ほど豊富じゃなかったし。
内藤
軽トラマニア小泉
従来のワックス手間を簡単にするワックスの登場も固形ワックス衰退に一役買ったともいえるのかな。
内藤
軽トラマニア小泉
それで、昔はワックスがけがボディを綺麗に見せる唯一のアイテムだった。
もちろん、ポリマーコーティングも1970年代から登場していたけど、高かったと記憶している。
ワックスがけより簡単な商品が登場すればそちらに目が行くということ。
内藤
軽トラマニア小泉
それでは、ワックスがどのように衰退していくのか記憶をたどりながら解説するよ。
ポリマーコーティングは、1970年代から1980年代にかけてポリマー加工と言われていました。
※ポリマー加工と言われていた理由は、一般ユーザーがDIYでの施工が当時は難しいことから、加工という言葉が使用されていたと思われます。
1年間ノーワックスというキャッチフレーズでTVCMをしていたダイワみなくるチェーンや、カービューティープロといった洗車業者が火付け役と言ってよいでしょう。
当時のポリマーコーティングは、DIYでできる溶剤の市販がなく、全て業者で施工するのが一般的でした。
価格も1980年代にクラウン程度の大きさで2万円程度であったと記憶しています。
つまり、庶民にとって高額なコーティングであり、一般的ではなかったと言えます。
そのため、都市部の富裕層相手にポリマーコーティングは受け入れられましたが、地方では、名前は知っているがポリマー加工をするといった方はほとんど見られませんでした。
ポリマーコーティングの登場で、ワックスがけから解放される魅力はユーザーにとって大きなメリットであり、興味を示す方がどの地域にも少なからずいたのは確かでした。
内藤
軽トラマニア小泉
ポリマーコーティングを真似たDIY用コーティングが登場したと記憶があるんだ。
持続は3カ月程度だったけど、やり方はワックスがけと同じ。でも長持ちするという商品だったかな。
内藤
軽トラマニア小泉
通常のワックスより長持ちして、しかも本家のポリマー加工より安ければ興味を示す方も少なくなかったと記憶しているよ。
洗車とワックスはセットですが、ついにワックス洗車が同時に出来るカーシャンプーが登場します。
これにより、シャンプー後にワックスがけの必要がなくなり、一気にワックスシャンプーが広まりを見せます。
しかし、ワックスシャンプーは、艶があまりなく、撥水性能も長続きしないというデメリットがあり、既存ワックスに遠く及ばない性能でした。
そこに、簡易コーティングが登場します。今まで、業者でお願いしていたポリマーコーティングやフッ素コーティング、そして現代のガラスコーティングが手軽にできるとあり爆発的な人気となります。
店頭では様々な簡易コーティングが販売され、1年から3年程度ノーワックスで問題ないという謳い文句です。
しかし、商品によっては簡易と付きながら施工方法次第で失敗する方も続出し、最初は一部の方たちのみ使用するマニア向けのコーティング剤といった感が強かったと言えます。
その後技術進歩で簡易コーティングも性能が良くなり、初めての方でも失敗が少ないガラス系コーティングが登場するなど、カー用品売り場を簡易コーティングが埋め尽くされるようになります。
内藤
軽トラマニア小泉
昔ながらの拭き取りが必要なワックスは、簡易コーティングだけならこんなに下火にならなかったと感じている。
内藤
軽トラマニア小泉
ワックスの進化はすさまじく、カーシャンプーと一緒にできる商品だけでなく、洗車して水分を拭き取らずにスプレーしてワックスがけができる商品も登場します。
スプレータイプのワックスの登場は、当時のカー用品売り場を埋め尽くすほどの人気を誇り、固形ワックスは端に追いやられました。
また、スプレーワックスにも様々な種類が登場し、艶も固形ワックスに引けを取らない素晴らしい商品も多く登場します。
加えて画期的だったのが、フクピカの登場でしょう。車に忍ばせておけば、手軽に車の掃除ができ、しかもワックスがけもできるとあって、女性を中心に広まりを見せます。
登場した当時、自動車工場に入庫する女性オーナーの車のトランクやドアポケットには、かなりの確率でフクピカが置いてありました。
つまり、固形ワックスをかけて、ふき取りする作業をしなくても、艶や撥水が素晴らしいスプレータイプなどは、手軽さが受けて固形ワックスを凌ぐ人気商品になっていきます。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
つまり、今は棲み分けが出来ているともいえるよね。
それでは、艶が素晴らしいのにワックスがけが減ってきた理由について解説するよ。
車の洗車は、かなりの重労働です。それゆえに洗車機が登場し、ふき取りだけで綺麗になる商品も販売されています。
しかし、艶を求めるなら、ワックスがけが1番です。
カルナバロウ配合の固形ワックスは、艶の素晴らしさから今も人気のワックスですが、ワックスがけは必ずワックスを塗布し、乾いてから拭き取りするという2回の工程が必要です。
しかも、ワックス塗布は昔より楽になりましたが、乾燥したワックスの拭き取りは、細かい部分も綺麗に取り除く必要があり、加えて乾燥時間が長いと固着して拭き取りが非常に大変です。
このような、施工性の悪さがワックス離れの大きな原因ですが、ワックスがけをした後の達成感は、他のどのコーティングより高いのは間違いないでしょう。
というのも、一度でも固形ワックスを使用したことがあれば、濡れたような艶に惚れ惚れとしたはずです。
そしてワックスがけで苦労した甲斐があったと感じる事でしょう。
その達成感に酔いしれることができる方は、一部の方のみになってしまいました。
というのも、ほとんどの方は、似たような艶が可能なら、簡単なスプレータイプを選んでしまうからです。
ワックスユーザーが減少してきた理由の2つ目には、効果が長続きしないことが挙げられます。
固形ワックスも2カ月程度で効果が薄れ、ハンネリタイプは1カ月程度と言われます。
つまり、かなり苦労してワックスがけをしても、効果がそれほど続かないことから、まめなワックスがけが必要になり、これがワックス離れの原因と言えます。
簡易タイプの場合、それほど労力をかけずに撥水と艶を得られますが、効果は2週間程度持てばよいほうで、洗車する度にスプレーワックスを施工しなければ効果は得られません。
このように、艶と撥水性能が欲しいと感じる方が多い反面、持続が短いことがワックスの短所であり、ワックス離れの一因になっているでしょう。
内藤
軽トラマニア小泉
洗車をする度にワックスがけをする方も中に入るよ。
ワックスは、塗布したあと必ず拭き取りしなければ綺麗な艶と撥水効果が表れません。
しかし、拭き取りが非常に繊細であり、車のパネルとパネルの継ぎ目や、他のパーツやエンブレムの境にワックスが入り込むと取り除くのが困難になります。
もし、拭き取りが不十分のまま放置すると、そこに汚れを呼びよせ、綺麗にしたつもりが汚いボディになってしまいます。
昔、ワックス全盛だった頃、多くの車はワックスがけをしていましたが、細部の拭き取りが不十分のため、ワックス成分が白く残った車をよく見かけました。
また、ワックスは油分なので同じ有機汚れの付着を促進させ、雨が降った後に白い車などは黒い筋ができることに悩まされました。
黒い筋は、通常の洗車では落とすことが不可能で、専用の水垢落としやコンパウンドの力を借りなければ綺麗にできないデメリットがあり、綺麗にするワックスが汚れてしまう原因になることがワックス離れを引き起こします。
ワックスの拭き残しは、ワックスがけの大きなテーマでしたが、スプレー式の簡易ワックスの登場で、一気にワックスが見直され始めます。
しかも安価で艶も撥水も手に入れられ、ワックスをかけた後も綺麗な状態を保てるので、ユーザーの満足度はかなり高くなりました。
今までの固形ワックスやハンネリワックスは、塗布後に拭き取りが必要でした。
特に暑い夏などは、汗だくになりながらワックスがけをしていましたが、スプレー式であれば従来のワックスのような労力から解放され、洗車も短時間で済むようになります。
多くの方は、綺麗な車に乗りたいと思いますが、それなりの労力が必要です。その労力となるワックスがけが必要なくなったことは、洗車革命と言ってもよいほどでした。
そのため、今でもスプレータイプの簡易ワックスはかなりの商品が販売されています。
多くのコーティングが登場する中、誰でも簡単にコーティングが可能となるガラス系コーティングが登場しました。
これにより、コーティング施工する方がかなり増えてきます。
カー用品店にも簡易コーティングと呼ばれるガラス系コーティングが数多く販売されるようになり、それに伴い、従来の固形ワックスは棚の端に追いやられています。
つまり、販売店でもコーティングを強く勧めるようになったことから、ワックス離れが進みました。
ガラス系などの簡易コーティングは、施工すると1年程度ノーワックスがウリです。
つまり、今までの固形ワックスより6倍も長持ちするので、多少高くても労力と持続期間を天秤にかけてガラス系を選ぶ方が増えていると考えられます。
加えてガラス系コーティングは、本物のガラスコーティングと異なりムラなどが起きにくく綺麗に仕上がりやすいことも人気の理由の一つです。
内藤
軽トラマニア小泉
内藤
軽トラマニア小泉
現在主流のガラスコーティングは、一度施工すれば3年以上光沢や水弾き性能の効果が持続する商品が殆どです。
またガラスコーティングは無機質なので、有機汚れの付着から守ることから汚れが付きにくい特性があります。
そして最近では、有機質の性質を持つハイブリッドコーティングも登場し、無機汚れの雨ジミにも強い防汚性に優れた商品も登場しました。
ガラスコーティングは、塗膜をガラス被膜で覆うので、塗膜の美しさを閉じ込めます。
つまり、施工前にどれだけ塗膜をピカピカに磨き上げるかにかかっており、下地処理の状態で艶も変わってきます。
また、一度綺麗に塗膜を磨き上げれば、3年間ノーワックスでも輝きが持続するため、多くの方たちから支持され普及が拡大しています。
ガラスコーティングの魅力は、日頃のメンテナンスが安易になる事です。
ワックスの場合は、シャンプー洗車をして汚れを掻き取り、その後にワックスがけが必要でした。
しかし、一度ガラスコーティングすれば、水洗いだけで汚れが簡単に流れ落ち、しかも水滴を拭き取れば艶があるボディが復活します。
また、ホコリが付着した状態で雨に当たれば、ホコリはすべて洗い流され、水滴も綺麗に流れ落ちるので、ホコリが汚れとなってこびりつくことがなく、雨が降っても綺麗な状態を保てます。
1つだけ注意する点としては、水弾き性能を維持するには、2カ月に1回程度メンテナンス剤によるメンテナンスが必要なことです。
メンテナンスは、マイクロファイバーなどに溶剤を吹き付け、拭き上げるのみで手軽に素早く済ませられることができます。
業者に施工してもらった場合は、業者の指定する期間ごとにメンテナンスすれば、いつまでも綺麗な状態を維持できます。
そして、自分で施工した場合は、メーカーが指定したケミカルを利用することで、ガラスコーティングを維持できるでしょう。
ガラスコーティングは、DIYで施工するには難しく躊躇する方が殆どでした。
そのため、近年までワックスのほうが簡単であったため、ガラスコーティングの普及はそれほど多くありませんでした。
しかし、誰もが簡単に施工できるガラス系コーティングが登場すると、ワックスから乗り換える方が増えます。
これによりDIYでの施工も一般化し、ガラス系コーティングの施工率がワックスより多くなってきました。
ただしガラス系コーティングは簡単に施工できますが1年程度しか長続きしません。また、本物のガラスコーティングより被膜は柔らかいので、耐スリキズ性能も劣ります。
そこに日本ライティングからハイブリッドコーティングのゼウスクリアが登場しました。施工も簡単で、本格的なガラスコーティングが一般にも施工が出来ることが大きな魅力です。
内藤
軽トラマニア小泉
しかし、ガラス系コーティングなら、固形ワックスより簡単でしかも長続きする。
だから乗り換える方が増えたと言えるよね。
でも、ガラス系に負けないほど簡単にコーティングできるのが日本ライティングのゼウスクリアなんだ。
塗布するときの伸びも素晴らしく、塗布してすぐに拭き取るから拭き残しもない。ムラもおきにくい素晴らしいコーティングだよ。
ワックスは、半世紀以上に渡り多くの方に愛用されてきました。その理由は、艶の素晴らしさにあります。
しかし、どうしても施工に時間がかかる事や体力も使うことでワックスに対するイメージをよく思っていない方も少なくありませんでした。
そのような中、技術の進化でガラスコーティングが登場し、DIYでも簡単に施工できるようになったことから、ワックスからコーティングにシフトしています。